デュラララ!! | ナノ
「みーかーどっ」
「……」
 帝人の朝は幼なじみの顔から始まる。帝人にとって、これは日常だ。
 帝人は眠い身体を起こし、欠伸を一つ吐いた。
「おはよう、帝人」
「…おはよ、臨也」
 再度欠伸をすると、臨也は帝人の上から退き、にっこりと笑顔を浮かべた。
「おばさん、寝坊しちゃって朝ご飯作れなかったって。休みの日なのに仕事だなんて大変だねえ」
「で、朝はどうしろって?」
「パンを焼いてくれって言ってたけど、もう昼ご飯と一緒でいいんじゃないかな」
「…今何時?」
「もうすぐ昼の12時」
 コイツは一体何時からいたんだ、と頭を抱える。怪訝そうな表情をする臨也に正直に質問をしてみれば、なんともいえない答えが返ってきた。
「8時くらいかなあ。ずっと帝人の顔を見てたんだ」
「…嘘、また僕のパソコンやってたでしょ」
 パソコンにかけてあるカバーが昨日より少しずれている。
「帝人って鈍いくせに変なとこで鋭いんだなあ」
「臨也もね。自分のもあるくせに僕のパソコンを見てどうするつもりなんだか」
「ちょっとね」
 意味深な笑みを浮かべる臨也に帝人は首を傾げつつ、ベッドから脚を降ろした。
――…履歴を確認してたって言ったら流石の帝人も引くかもだし。
 臨也はそう考えつつ、部屋を出る帝人に続く。
 臨也は帝人のことが好きだ。勿論そういう意味で。だが、当の帝人は全くといっていいほど気付かない。何度か告白してみたものの、帝人は本気に捉えてくれない。恋に関しては鈍いのだ。
「昼、外でいいか。臨也はどうする?」
「一緒がいい」
「じゃあジャンクフードでも文句言わないでね」
「…我慢する」
 惚れた弱みとでも言おうか。臨也は帝人には逆らえないし、なんでもお揃いがいい。
 帝人が仕度を終えるのを待ち、帝人と共に外へ出る。
 臨也の帝人に対する執着心は異常だが、帝人には臨也ほどに仲がいい友達はいなく、何となくそんなものかと片付けていた。臨也が裏から手を回し、帝人にはあまり人を近づけないようにしていた。全ては帝人を自分のものにするためだ。臨也はそのためならなんだってする。
――…ああ、本当。早く俺のモノになればいいのに!
 己に向けられる笑顔を見、臨也は一人小さく唇を噛んだ。

2011/3/9
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