RECP | ナノ

「頭痛い…もうやだ吐く……」
「車の中で吐いたら無理矢理抱くからね」
「ぅー…」

今日は数ヶ月ぶりにヒバリと会った。
それまではお互い仕事で忙しいかったからだ。
携帯でメールをしたり、電話をしたりとしていたわけだが、会えなければ意味が無い。
ヒバリに会った瞬間、オレは勢い余って抱きしめた。
ヒバリも悪い気はしないらしく、背中を撫でつつ受け入れてくれた。
暫く抱き着いていたのだが、ヒバリの「久しぶりに呑もうか」という科白にオレも賛同し、飲み屋に行くことになった。
忙しかったこともあり、酒を呑むことも久しぶりだった。
さらに大好きなヒバリがいることから羽目を外し過ぎた。
普段からあまり呑まない酒だ。
酒は不慣れな身体に染み込んでいって、オレはすぐに真っ赤になり、オレの意識は吹っ飛んだ。
薄れゆく意識の中でヒバリの呆れたような声も聞こえた。
目を覚ますと車の中でヒバリにひざ枕をされていた。
横目で運転座席をみると、草壁さんが運転をしていた。
激しい頭痛で視界がスパークする。

「…起きた?」
「ん…っ頭…痛い…」
「家に着くまで我慢して」

ヒバリがオレの頭を撫でる感触に、心地良くて目を細める。
ブレーキの音が聞こえると、ヒバリはオレの身体を持ち上げ、頬をぺちぺちと叩く。
目をうっすら開くと、「自分で歩けるかい?」と聞かれたので首を横に振ると、肩に担がれた。
揺れる感覚が吐き気を誘う。
思わず口を押さえると、「吐かないでね」と言われた。
込み上げてくる吐き気を抑え、ヒバリに身を委ねる。
リビングに着いたらしく、ソファに横にされる。
ヒバリの身体が離れたので手を伸ばすと、手に水の入ったペットボトルを掴まされた。

「飲んで」
「ありがと…」

口に含もうとするが、口元の筋肉が緩んでいるのか水が横からたらたらと流れ落ちる。

「しょうがないね…」
「ヒバ」

口にしようとした名前は、ヒバリによって遮られた。
口の中にヒバリの舌が入り込む。
オレのそれに絡まれ、熱い息を零す。

「…ふはっ」
「甘い」
「酒くせーじゃん…」

うとうととしながら返事をすると、ヒバリはオレの額をぺちりと叩き、オレを横抱きにしながらソファに座る。

「まだ寝ちゃ駄目だよ。お風呂に入らないと」
「明日入る…」
「駄目、僕が入れてあげる」
「んー…」

スーツに手を掛けられ、釦を外される。
やめろって…、とヒバリの手を掴もうとすると、唇を塞がれた。
力が抜けるとともに釦を全て外された。
酒が入った状態での抵抗は無意味なものらしいので、おとなしくヒバリに為されるがままにした。
ヒバリは愉快そうにほくそ笑む。
素っ裸にすると、ヒバリはオレを横抱きにしたまま立ち上がり、浴室へと運んだ。
湯舟には湯がはってあり、そこに沈むようにいれられた。
暖かい水温に、眠気が襲ってくる。
目を閉じてヒバリが来るのを待っていると、オレと同じく裸になったヒバリが入ってきた。
例え一人で入れば馬鹿みたいに広い湯舟でも、大人二人が入れば湯があっという間に溢れ流れていった。

「ほら、起きて」
「んぅ…」

ヒバリの硬い胸に甘えるようにもたれ掛かると、ヒバリは溜息を吐きながらオレの頭を壊れ物を扱うように優しく撫でた。
いつの間にかヒバリはシャンプーを用意しており、オレの頭にそれをぶっかけ、ガシガシと洗い出した。
嫌な気はしないのでそのままにしておくと、頭に熱湯をぶっかけられ、酔いが一気に覚めた。

「あっつ!」
「ワオ、ごめんね」

大して悪びれた様子のないヒバリに、じとっと睨み付けると、流すよと先程より温くなったお湯を掛けられた。
湯舟がシャンプーの泡で白く濁っていく。
ヒバリはオレの頭にコンディショナを施すと、ボディソープを取り出したので、オレはヒバリからバッと離れた。

「何やってんの?身体も洗ってあげるよ」
「いい!それは自分でやる!」

そう言っている間にも、ヒバリはスポンジを泡立てる。
嫌だ嫌だと逃げようとするオレの耳元で、ヒバリは甘い声で「武…」と囁く。
なんでこういうときばっか下の名前で呼ぶんだバカ!
男の急所と謂われる場所をぎゅっと掴まれ、ひいっと情けない声がでた。

「綺麗にしてあげるから、おとなしくしていなよ」
「ぁっ、わかったからそこ離ッ」
「じゃあ僕の肩に両手を置いて」
「わかった!わかったから!」
「じゃあまず湯舟から出ようか」

ヒバリの言う通りにすると、椅子に座ったヒバリの上に座らされる。
(この体勢何?!)
少しでも逃げようとすれば、地面に落ちて腰やらなんやらをぶつけそうだ。
ヒバリはニヤニヤしながらオレの右腕を洗い出した。
そのまま左腕に入る。
親父以外の他人に洗われたことなんてないから、かなり恥ずかしい。

「んっ」
「感じちゃう?」
「五月蝿い!」

胸辺りをスポンジが掠り、嫌でも声がでた。
そうしている間にもスポンジは下へ下へと向かっていく。

「ちょっ、待!」
「何?」
「…ッく」

ヒバリは愉快といった表情でオレのモノをするすると軽く洗う。
その刺激に堪えるために唇をぎゅっと噛み締める。

「おかしいな、洗ってるのに白いモノがどんどん出てくる」
「や、めろ…ッ」
「わかった」
「え?」

パッと離したヒバリに、驚きがオレの目に映った。
だっていつもヒバリはオレの言うことなんか聞いてくれなくて。

「背中や脚とか洗いずらいから後ろ向いて」
「あ、うん…」

中途半端になぶられた下半身が熱い。
ヒバリに背を向けて座るような体勢をすると、後ろに何か熱いモノが当たる。

「ヒバリ…?」
「ああ、ごめん。勃った」
「たっ、え?!」

腰を少し浮かされ、全く馴らされていないナカにヒバリのモノが刺さる。
体重のせいで奥まで入り、暴れても激痛を増やすだけだった。
いくら指じゃ数え切れないほど身体を重ねているといっても、最近は全然やってなかったこともあり、全身に激痛が走った。

「痛…ッヒバリ、やだ!」
「さすがに早まったかな…っ」
「抜け…ッぁっ動くな!」

脚を掴まれ、思うように腰を揺すられ。
咬み殺された方がマシなんじゃないかと思うほどの激痛が全身を駆け巡り、涙が溢れた。
ヒバリはそれを舐めとる動作をするが、それにより、身体の繋がりがより深くなる。
激痛から逃れるために萎えてしまった自身に触れると、ヒバリはオレの耳元で息を吹き掛けながら、「えらいね」と今言われても全然嬉しくない言葉を述べた。
自身を思うように扱くと、ヒバリもそれに合わせて振動をする。
痛みも薄くなり、快感が勝ってくると、その分甘い声が出る。
我慢することなく啼くと、ヒバリの笑い声が聞こえた。

「イイ、の?」
「ん…っ」

コクコクと必死に首を縦に振ると、ヒバリはラストスパートをかけるように激しく動かす。
最奥を突かれ熱を吐き出すと、流れ落ちてきた泡や白濁やらでぐちゃぐちゃになっていた。
イく瞬間にヒバリの熱が抜け、背中に熱いモノがたたき付けられたことから、ヒバリは珍しく外に出してくれたのだろう。
薄れゆく意識の中でヒバリを探して手を伸ばすと、手の平にヒバリの暖かな掌が触れ、安心して眠りに就いた。


くてん、と僕にもたれ掛かるように気を失った山本の頬を撫でる。
色んなモノを洗い流すためにシャワーで湯をかけると、山本は身をよじらせた。
全てを洗い流すと、用意しておいたバスタオルで山本の身体を包み込む。
もういいや、身体も怠いし僕は明日風呂に入ろう。
山本に浴衣を着付け、僕も着込む。
布団まで横抱きで運び、寝かせる。
僕もそれに潜り込むと、冷たい布団の感触と山本のしっとりと濡れた暖かさがあった。
無防備な寝顔に、自然と笑みが浮かぶ。

「おやすみ…武」

山本が少し、笑った気がした。



2010/2/4
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