SS部屋 | ナノ
静帝能力持ちパロX※

2011/01/15 08:07

「静雄さんって思ったより性欲強いですよね」
「…わりぃ」
「別にそれは構わないんですけど、前みたいに僕が気絶するまで抱くのはやめてください」
「い、一回で我慢する」
 その前にシャワーを浴びようと服を脱ぎ出す静雄に、帝人も脱ぎながらふと思い付いたことを言ってみる。
「あの、僕が攻めになるという選択肢はないんでしょうか」
「…帝人は俺を抱きたいのか?」
「そういう訳じゃないんですけど。そっちの方が僕への負担が少ないかなって」
「……やっぱ駄目だ。俺が犯す」
「…まあいいですけど」
 一緒に入るかと言われ、一瞬迷ったが、まあいいかと首を縦に振った。
「帝人は肌が白いな…それにすべすべしてる」
「まだ10代ですから」
 静雄の身体に張った筋肉に、自分の貧相な身体を見る。
──…うん、考えちゃいけない。
 泡ブロにしたので、そのまま身体を洗う。静雄が脇腹を擽ってきたので、くすくすと笑いながら身をよじらせる。
「やめてくださいよ」
「もうちょっと」
 今度は背中を撫でる。肌の質感を楽しむような行動に、帝人も苦笑を浮かべる。手は段々下へと下りていく。
「ちょっ、静雄さん…」
「ん」
「いや、あの、…ッひゃあっ」
 自身を一度扱かれ、甲高い声を上げる。静雄に感じた顔をまじまじと見られ、羞恥に顔を真っ赤にさせる。
 静雄の掌はそのまま帝人を翻弄する。
「やっ、ぐりぐりやめ…はううっ」
「帝人はここ重点的に攻められるの好きだもんな」
 ばしゃばしゃと水が跳ねる。
 帝人が前の快感に集中しているうちにと静雄の指が後ろへと挿し混まれた。
「ああっ、静雄さ、まさか此処で…ッ」
「声、いっぱい響かせろよ」
「やらっ…、ひあああっ」
 帝人の感じる壷を指で何度も刺激する。短い喘ぎ声を聞きながら、静雄は口元を緩める。
「ここ好きだな。前と一緒に触ってやったらどうなるんだ?」
 ぐり、と亀頭に爪をたてた瞬間、帝人は悲鳴のような声を上げながら達した。
「あ、はあ…」
「そんなによかったのか」
「静雄、さん…怒ってますか…?」
「あ?怒ってねえよ」
「だって、いつもより…」
「別に、帝人は俺のこと信用してくれてなかったんだな、とか思ってない」
「思ってるんですね…ごめんなさい」
 ふいっと顔を逸らしながら呟く静雄に、帝人は苦笑いをする。すり、と身体を擦り寄せれば、静雄の腕がさりげなく帝人の腰に触れる。
「てことでよ、お仕置きしてもいいんだよな」
「へ?」
 一瞬、耳が何か間違いを聞き取ったのかと思った。だが、身体は軽く持ち上げられ、静雄のそれが構えられている。
 ああ…、と思うと同時に、奥深くまで貫かれた。悲鳴を上げる帝人の身体を押さえ付け、ぐいぐいと根元まで挿入する。
「ん、入った…」
「は、ぅ…」
「おい、一回は一回でもじっくりとするからな。勝手にイって、気絶とかすんなよ」
「ふああ…っ、待っ」
 静雄がゆっくりと動くとともに、お湯がナカに入り込む。ぐちゅぐちゅという水音に、帝人は静雄の身体をぎゅうっと抱きしめた。


 目を覚ませば静雄に腕枕をされていた。腕の硬さに頭が少し痛かったが、我慢を言い聞かせた。腰が激しく痛い。
「…ぁ、今何時…」
 時計を見れば朝の5時。今から家に帰ったとして、腰の痛みに闘いながらとしても、学校には余裕で間に合うだろう。
 帝人は息を吐き、くてんと再度静雄の腕へと頭を落とす。静雄も気がついたのか、帝人のさらさらとした髪をなでだした。
「これからは絶対俺のこと、信用しろよ」
「やってるとき、何度も僕に言わせたじゃないですか…」
「絶対だぞ」
「はい、静雄さん」
 暖かな熱に息を吐く。安っぽい石鹸の匂いが互いの身体からする。
──学校…、まあいいか。
 今この心地よさに身を任せることにした。愛しさ心の底から沸き上がってくる。
 登校してこない帝人を心配して親友がメールを送ってくるまで、帝人と静雄はゆっくりと眠りについた。


 それからは、幸せな日常が続いた。だが、日が経つとともにあの夢は正確なモノへとなっていった。今ではいつ、自分が死ぬかわかる。その経緯もだ。
 臨也は昼を共にしてから一度も会っていない。チャットルームでも見掛けないのだ。静雄は「死んだんじゃねえのか。チッ、俺がトドメ刺したかったのによお」と物騒なことを言っていた。
──でも、臨也さんは生きてる。
 もし死んでいるというのなら、あの夢で臨也が出てくるのはおかしい。臨也と静雄との戦争に巻き込まれ、帝人は死ぬのだから。
──…たぶん、僕が死ぬのは二十歳になる少し前。臨也さんが僕を殺しにきて、それを止めようとした静雄さんに僕は─…。
「俺が、帝人を殺すのか?」
 静雄にそれについて話したのは、帝人の二十歳の誕生日である一週間前だ。
 盛大に祝おうと浮足立っていた静雄は、帝人の言葉に流石に動きを止めた。
「なんでそんなことわかるんだ…?」
「静雄さんには言ってませんでしたが、僕にはちょっとした未来予知の能力があるんです」
「…いつからわかってた?」
「…、僕と静雄さんが付き合い始めてから少しした辺りです」
「ッなんですぐに言わなかった?!」
「言ったらそうやって過剰反応するからですよ。静雄さんはナイーブなところがありますから。どうせ未来は変えられません。だから、それまでは普通の人間として生きていたかったんです」
 おそらく、静雄に死ぬことを言えば、静雄は通常以上に帝人に構うだろう。護ろうと、精一杯。
 未来は変えられないのはこれまでの中で理解させられた。何度も足掻いて足掻いて、それでも希望の花は芽吹く前に全て排除された。
「特別扱いなんていりません。ただ、貴方の傍にいればいいんです」
「…ッ帝人が二十歳になるのを俺は絶対に見届ける。お前を殺したりなんか絶対に…!」
「…はい、ありがとうございます」
 静雄はこの前で二十八になった。もうアラサーということもあるからか、些細なことではキレなくなった。帝人が関係するとまた別なのだが。
 誕生日会は新羅宅で行われることとなった。味方は多い方がいい、とのことだ。
 それまでは、帝人は家の外から出してもらえなかった。静雄もそれからずっと仕事を休んだ。
 やっぱり言わない方がよかったかと思ったが、静雄と一緒にいられるのは嬉しい。最後の我が儘だと目一杯静雄に甘えた。
「…明日、誕生日だな」
「はい」
「ということは、臨也が来るのは今日か」
「……」
 カーテンも開くことなく、ずっとベッドの上で抱きしめられる。食料はベッドの隣に帝人の家の小型の冷蔵庫を置くことで解決した。
 トイレへ行くのにも一緒。恥ずかしくて我慢してると、ばれてすぐに連れていかれた。
「今日、俺は寝ない。だが帝人は別に眠くなったら寝ていいからな」
「いえ、僕も起きてます」
 だが、ずっと寝てるのも暇なので、ベッドの上にノートパソコンを持ち込んだ。
 下手なサイトは見れないが、ダラーズに折原臨也の目撃情報がないかを探ったりもした。
 隣でうとうととしている静雄に気付き、金髪にセットされたふわふわの髪を撫でる。いつも撫でられてばかりなので、こうして撫でるとなんだか嬉しくなる。静雄はその心地良さに眠ってしまったらしく、帝人もパソコンの電源を切り、共にベッドの上で転がった。

「…ッ帝人!」
 身体を揺らされ、強制的に覚醒させられる。目を擦りながら目を覚ませば、静雄はホッと息を吐く。
「よかった…。わりぃ、つい寝ちまった」
「いえ、僕も寝てしまいましたし」
 欠伸をし、静雄は時計をとる。
「23時か…。帝人、なんか食うか?」
 コーンとマヨネーズがのった惣菜パンを差し出され、帝人はそれを受け取った。電子レンジを使った方が美味しいと思うのだが、気を尖らせている静雄に言うのはなんだか申し訳なかったので、そのまま食べる。
「帝人、食べ終わったら此処に来い」
 静雄がぽんぽんと叩いたのは膝の上。少し頬を染めながらも、指についたマヨネーズを舐め、這いながら近づく。
 静雄に持ち上げられ、向かい合う体勢で膝の上へと座らさせられた。そのまま抱きしめられる。
「あと、30分か…」
「臨也さんは、来るんでしょうか」
「あ?帝人が来るって言ったんだろうが」
「いえ、ただの夢ということもありますし」
 臨也が今日来ないというのはわかっている。静雄には伝えていない。静雄はきっと、今日に来ると思っているだろう。
「…でも、もしものことがあるだろ」
 そう言って、静雄は帝人を離そうとはしなかった。
 カチ、カチ、と時計の針の音がしんと静まり返った部屋に響く。
 静雄は帝人の顎を掴むと、唇を帝人のそれに合わせた。深く口づければ、帝人の眉間に皺が寄る。
「く…るしいです…」
「もうちょっと」
「ん…」
 三本の針がカチリと合わさる。ピピピピ、と電子音が帝人の携帯から響く。静雄は時計を見て、柔らかく微笑んだ。
「…帝人、誕生日おめでとう」
「…はい」
 携帯にはお祝いメールが数通着ていた。
「臨也の奴、来なかったな」
「だから言ったじゃないですか」
 臨也がやって来るのは今日、だ。
 3月21日。今世の竜ヶ峰帝人の誕生日。
「…一旦寝るか。んで、朝ご飯食べたら町をうろうろしよう。夜はセルティの家で帝人の誕生日会だ」
「はい」
「…と、その前に」
 静雄がベッド横の棚の引き出しを開ける。そこから小さな箱を取り出し、帝人の手の平に置く。
 何となく予想はできる箱の形状。だが、帝人は少し信じられなかった。
──だって、これ…。
「開けてくれ」
 頬に指を這わされ、むに、と押される。帝人は意を決して箱を開けた。
「…指輪」
「俺からの誕生日プレゼントだ」
 小さなダイヤモンドがついた指輪。気付けば、静雄の左手の薬指にも同じモノが嵌められている。
 静雄は指輪を取り、帝人の左手の薬指に嵌める。帝人は喜びに泣きそうになった。
「…ずっと一緒にいような。帝人が嫌だっつっても離さないからな」
「…ッ」
 静雄の真っ直ぐな視線に、死ぬのが怖くなる。
 例え誕生日当日とはいえ、生まれた時間になるまでは十九なのだ。
──…でも、静雄さんに言う訳にはいかない。
 静雄に話したからだろうか、先程見た夢の内容は少し変わっていた。
 いつもなら新羅の家に臨也が乗り込んできて、そこで争いになって帝人は死ぬのだ。だが、帝人は臨也と共にマンションの屋上に立っていた。臨也にナイフを向けられていたからおそらくそれで殺されるのだろうが、最後まで見る前に静雄に起こされた。
「…これも夢じゃないですよね?」
「なんなら頬でも抓ってやろうか?」
「僕のほっぺちぎれちゃいますよ」
 くすくすと笑いながらベッドに倒れ込む。指輪に軽く口づけると、ひんやりとした感触が唇に伝わった。
「誕生日おめでとう!」
 クラッカーが破裂音をたてる。セルティは喋ることができないのでPDAで打ってみせた。
「いやあ、帝人もついに二十歳か。見た目はいつまでも中学生だけどな!」
「怒るよ正臣」
「おめでとう、帝人君」
「ありがとう、園原さん」
 幼なじみと女友達に囲まれながら、帝人は柔らかな笑みを浮かべる。肘で小突いてくる正臣の脇に手刀を食らわせ、静雄の隣に移動する。
「静雄さん、ぎゅってしてください」
「ッ酒でも飲んだか?!」
「なんですか、僕が甘えたらおかしいですか」
「いや、そういう訳じゃないんだ。帝人はいつも外でそういうことしたら怒るじゃねえか」
「…今は静雄さんに触れていたいんです」
「昨日まであんなに一緒にいたのにか?」
「別腹です」
 帝人がそう言えば、静雄は「そうか」と笑いながら呟き、帝人の細く軟らかな身体を抱きしめた。
──…これで、最後。
 夢の続きは呆気なく刺されて死んだ。あんな微妙なところで途切れたものだから、少しは期待したのだが、やはりそういう訳にはいかないらしい。
「…すみません、ちょっと電話みたいで、外出ますね」
「なんだ、帝人。お母さんか?」
「うるさいな」
「泣くんじゃねえぞー」
 電話ではなく、アラームだ。臨也に此処に来てもらっては困る。


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コメント
2011/01/16 00:05 リンネ
続きが…!!
続きがすごく気になります(>_<)
できればこれはハッピーエンドにしてほしいです。

色々と、頑張ってください。
編集


2011/01/15 19:01 あき

あう…めちゃくちゃ気になります><
ハピエン好きな私はとてもどきどきです(゚゚;)
臨也何考えてるんだよう
静雄さんが優しくてかっこいい…、帝人が切なくて泣きそうです(;・;)

お忙しい中更新お疲れ様です〇┓
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