×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -







17


他の海賊船との戦闘を終え、一晩立った頃、
「シロ!起きろ!!島についたぞ!!」
その声と共に船長が勢いよく部屋にはいって来る。

「ナミちゃん治る?」
「村に案内してもらえる!」
これでナミを見てもらえるからなと私を起き上がらせ、上陸の準備をする。
布団から出ると冷やりとした空気にブルっと震えた。まだ体の冷えは治っていないようだ。

「ルフィさんまって、シロさんだいぶ良くなって来てはいるけど、ちゃんと暖かくしてないとまた倒れてしまうわ。」
しっかり着込んで行きましょうとビビが服を何枚か持ってやってきた。服を受け取とったときに彼女の腕に包帯がまかれているのに気が付く。
「ビビ、腕どうした?」
「船を直していた時に引っ掛けてしまったの」
大した怪我じゃないから大丈夫よとビビは、ナミちゃんの支度を始める。私も渡された服を着こむ、ふと船長のほうを見るとなんだか難しい顔をしていた。
支度を終えたので、準備できたと船長の所へ行く。
「シロお前、雪だるま見てぇだなー」
「あったかい」
半分以上服だろうといわれた格好は、上も下も着込み、湯たんぽも抱えた、万全の状態である。
みんな準備できたなと、船長と共に部屋を出る。
外へ出るとビュウッと冷たい風が吹いてくる、その寒さに思わず目を閉じた。
収まり目を開くと、目に映る景色が白一色で覆われていてキラキラと輝いている。
「綺麗だ。」

*
前方から大きなクマがこちらにやってくる。
「っぎゃあああ!!熊だあああっ!!みんな死んだフリをしろォおお!!!」
ドサリと倒れるウソップをしり目に、村へ案内をしてくれている大きな男の人のアドバイスの通り一礼をして先に進む。
ザクザクと雪を踏みしめてひたすら歩を進めている。歩いても歩いても見える世界は白一色でとても新鮮であった。
歩きながら先ほど言われたことを思い出す、名前のない国。一人しかいない医者。不思議な島だと思っていると、何やら視線を感じる。
顔を上げると前を歩く案内の人が私を見ていた、目が合うとさっと顔をそらされてしまう。何だろうと首をかしげているとようやく村が見えてきた。
見たことのない大きな動物も歩いていており、その間を縫うよう進んでいく。途中で何度も村人に男の人が声を掛けられていた。せんきょというのが良く解らなかったけれど彼が慕われているのはわかる。
そうして、一つの家に到着し中に入れてもらう。
寒さに耐えられるように作られているのか、メリー号の中よりもずっと暖かかった。ドルトンと名乗った男の人からお茶をもらい。一口飲む、この国のお茶なのか体が温まる。だが一息つくのもつかの間
「体温が…42度!!?」
ナミちゃんの様子がさらに悪くてっいたのだ。
原因も対処方法もわからない。サンジが急いでこの国の唯一の医者魔女を呼んでくれと頼むが、
「そうしたくても通信手段がない」と首を横に振られる。
外に見えるドラムロッキーという大きな山のてっぺんに住んでいるらしく。気まぐれでにしかおりてこない。次に山から下りてくるのを待つしかないとのことだが、それまでナミちゃんが大丈夫なのかが分からない。
やっと医者のいる島に着いたのに、こんな問題があるなんて想像もしていなかった。
すると何か思いついたのか船長がナミちゃんを起こす。
「あのな山登んねェと医者いねェんだ山登るぞ」
全員が驚く考えだった。それは誰が考えても無茶苦茶な事だったけれど、
ナミちゃんの「…よろしくっ」の一言で結構することになる。
船長とナミちゃん、そしてサンジの三人で魔女に会いに行くことになった。
私とウソップ、ビビは待機すことにして、外まで三人を見送る。
「せんちょー、湯たんぽ」
気休めかもしれないけど、少しは役に立つかもと、自分の持っていた湯たんぽを二人の間に差し込む。
「シロありがとな!じゃいくか!!サンジ!!!ナミが死ぬ前にっ!!」
「縁起でもねェこと言うんじゃねェ!!このクソ野郎!!」
そう言って走り出していく姿はあっという間に小さくなっていく。
二人の向かったほうを見ていると。ドルトンが寒いから部屋の中に入るように促すが、
「…いいんです…私は…外にいたいから…!!」
「おれも」
「さむくないので」
全員体を震わせながら断ると、彼は苦笑しながら自分も付き合うと腰を下ろした。
そしておもむろに口を開く。
この国の出来事を

たった5人の海賊に消された国とその国の暴君のお話。