時折ひどく自分の癖みたいなものが嫌になる時があって、でもそれは自己嫌悪などとは少し違っていたように記憶している。今から考えてみると、おそらく唯普通の人間というものに憧れを抱いていたのだろうと思うのだが、この世界のどこを探しても普通の人間なんて居やしなく、もしかしたら自分は自分の物語があればいいと無意識に望んでいたのかもしれない。いや、もしかすると、誰かの特別になりたかったのだろうか。家族や友人にとって特別な自分は既に手に入れていたから、もっと全く関係のない人たち、世間の人たち、赤の他人から特別を奪い取ってみたかった。目立ちたくはない。だけど特別に思われたい。そんな子供じみた感情に終始自分は振り回されていたような気がする。










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