munya | ナノ
夜。銀時宅、寝室。
室内気温、31℃
装備品、団扇と扇風機。
オプション。
窓を開けても風が入ってこない。
いやいやいや、こんなオプションいらないいらない。
じめじめした梅雨が明けたと思った矢先に蒸し暑い夜。所謂熱帯夜。(最近では摂氏30℃を超える夜の事を超熱帯夜とも言うらしい。へえ。)
窓を開けても生暖かい空気が入ってきて体にまとわりつく。折角お風呂でさっぱりしてもこれじゃあ意味がない。
因みにクーラーという文明の利器なんてここにはございません。
………。しぬ。
「暑い暑い言ってっと余計暑くなるだろー。ほら、扇いでやるから我慢しろって」
「あ、ありがと…って、我慢出来ねえっつの!30℃越えてるんだよ超熱帯夜なんだよ!?銀ちゃん今年こそクーラー買ってよ!耐えられないよ!」
「うるせーなァ、扇風機があるだろうが扇風機が」
「ちょ、扇風機でこんなくそ暑い夜を過ごせる訳ないじゃん!」
「おま、仮にも女の子なんだからくそとか言わないの!」
「うっさい!暑いんだから仕方無いじゃん!」
べーっと舌出してこれでもかって位睨み付けてやった。
こんなことしたって涼しくなるわけないんだけどさ!わかってるけどね!
暑さでイライラするの!仕方無いでしょ!
「ああもう、折角お風呂入ったのに意味ないし…汗かいてきもちわるい…」
「じゃ、風呂に入った意味のある事でもするか」
「は?」
にっこり笑って当たり前かのように彼が覆い被さってくる。いつものようにするりと頬を撫でる手が、今日は生暖かい上に若干湿り気を帯びていて素敵に気持ち悪い。(百歩譲って大好きな銀ちゃんでもこれは…)
なんなんだろうこの天パ男。暑さでとうとう頭沸いちゃった?
「ちょ、やだ、暑い」
「んー、無理」
「いや私が無理。」
「……熱帯夜をもっと熱く過ごしてみようじゃないか。な?」
「は、ちょ、 イヤァァァァ!!」
熱帯夜の悲劇
「やだやだやだっ!」
「ちょ、暴れるなって…!明日クーラ買ってやるから!」
「え、ほんと?!」
「……あ、ああ、」
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20080719
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