munya | ナノ



「鬱陶しいの、もう二度と構わないで」


冷たくそうあしらえば、貴方は何でもない振りを装いながら悲痛に顔を歪める。
ああ、堪んない、その顔。


「俺だってなァ、好きでお前と一緒にいるんじゃねーんだよ、自惚れんな」

「はっ。じゃあ、なに?なんで盛ってンの?」


きもちわるい。
鼻で笑ってそう吐き捨てればまた歪む、貴方。無理して汚い言葉で私を罵倒するなんて、貴方には容易いことじゃないなんて判ってる。でもね、言わずにはいられないの。秘めたそれは限度を知らなくて。
ぎ、と歯を噛む音が聞こえれば、咄嗟にベッドに押し倒され左手で私の両腕を捕んで、頭の上で固定される。
慣れた行為に驚く訳でもなく、じっと目を見つめ続ければ噛みつくような荒々しいキス。うっすらと口を開けば舌がねじ込まれて、唾液が絡まる。
咥内を這い回るそれが気持ちよくて、受け入れるように目を閉じた。


「っ銀時、すきだよ、は、あ」

「……その手には乗らねー」

「ん、っ」


感情を加えずに視線を交えて言っても眉を顰めて信じない振り。また、歪んだ。なのに愛しそうに私の身体に舌を這わせて痛いくらいに所有印を付ける。
ああ、そんなのじゃだめ、もっともっと、もっと


「あいして、る」


あなたを壊したい。


歪んだ愛情






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20080616








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