munya | ナノ





確か。確かだ。
今日はカガリと一緒に買い物に行く約束をしていて、そろそろ時間だからって着替えようとしていたはず。
ちらりと時計を盗み見るとカチッと長針が動いて11時を指した。本来ならばカガリと合流してショッピングを楽しんでいるはずの時間。
なのに私は何故天井を見上げているのだろうか。否、正確にはピンク色した髪の持ち主の顔なのだが。
恐る恐る視線をあわせれば可愛らしい声で、うふふと笑う。
そんな声とは裏腹に、彼女の目は笑っていなくて、ひっ、と小さく呻いてしまった。
それが気に入らなかったのか、それとも満足したのか、彼女に顔の横で固定され掴まれている両腕にまた力が加わった。
こんなに細い腕なのにどこにそんな力があるのかと驚愕してしまう。
ところでどうしてこんな状態になってしまったのだろうか。理由を考えただけで頭痛が痛んだ。(あ、まちがえた)



「あのー、ラクスさん?」

「はい?」

「つかぬことを御伺いしますが、なぜ私はあなたに押し倒されているのでしょう?」

「さあ、それは御自分の胸にお訊きになってくださいな」

「は? どういう…」

「だから御自分でお考えになってくださいな」



にこり、彼女が微笑む。
それはそれはもう、世界の誰しもが殺到してしまいそうなほどのエンジェルスマイル。
だけれど、今の私には恐怖の塊でしかないデビルスマイル。(ああラクスの背後に黒いオーラが見えるよお母さん…)
でも彼女に怒られるような事なんて一切していない。本当に訳がわからない。と言うか話にならない。
なぜ、どうして、ぐるぐる頭の中で考えたって答えなんて出てこない。
ああもうなんなのよ、この歌姫さまは!



「ねえラクス、本当なにも心当たりがないんだけど…」

「あら、そうですか?」

「うん」

「ふふ、でしたらナマエにはお仕置きが必要ですわね」

「は!?」



またひとつ、にこりと笑えばキャンディのように甘ぁい声で恐ろしい言葉を口に出す。
本当ナマエったらいけない子ですのね、なんて言いながら。
頭上にうふふふふ、と彼女が悪巧みを思い付いた時特有の声が響いたと思えば、地が揺れるような効果音がお似合いだろうどす黒いオーラが更に濃くなって見えた。


え、あれ、私、もしかしてヤバい?













Candy Voice!

「わたくしに内緒でカガリとデートだなんて、いい度胸ですわね、」
「(ひいいい!デートじゃないのにっつか私ラクスのなんでもないじゃないのー!!!)」







20081003

はるき様リクエスト
黒ラクス夢(?)でした
遅くなって申し訳ないですすみません!
ものすごーくわけわかめな内容で本当すみません(平謝り
ええとヒロインに会いに行く前にカガリと会って、今日ヒロインと買い物いくんだ!みたいな事を言われてムッとしたラクスがお仕置きを兼ねてそれを妨害しようとするお話。のつもり。
因みにラクスとヒロインの関係はただの友達、です(笑)







「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -