「シズちゃん、手」
穏やかな朝だ。日は昇りきっているが、昨日は日付が変わって数時間後に寝たからまだまだ寝足りない。
浮上した意識の中で、臨也の声が聞こえたので、望みどおり手を差し出してやる。
すると臨也の細い指が俺の手を掴んだ。

と思ったら、
「おい」

臨也の思いも寄らぬ行為によって一気に覚醒してしまった。
臨也が俺の手に指を絡め、赤い舌が指を這う。臨也が俺の指を舐める。
目の前に広がるあまりにも卑猥な光景にくらくらした。

「どしたの?シズちゃん。」
「どうした、って、お前」
舐めたあとに残る唾液のせいで、指がすーすーする。

「だって俺、手フェチだし。シズちゃんの手本当にドストライクなんだよね。長い指とか、ゴツゴツした骨とか、」

臨也がよくわからないフェチを語りながら、いちいちその箇所を舌でつつく。

「やめろって!」
「やだ、黙ってて」
黙ってて、ってその手の持ち主は俺なんだがと言いたい。
すると、臨也が指を咥えだした。
指に感じるなんて予想外だが、ヤバイ、気持ちいい。

「ふふ、きもちひーの?」
嬉しそうに笑ったその顔が、なんていうか、エロい。
凄く腰にクる。

レロレロと指に舌を這わしたり甘噛みする臨也を見ているとふと疑問が湧いた。

「なぁ、臨也くんよぉ。」
少し潤んだ赤い瞳が、俺本体を捉える。
「なんで俺の指は咥えられて、ちんこは咥えられねぇんだ?似たようなもんだろ」
その瞬間
「な ん で、噛むんだ!」
そのまま歯で何度も噛まれる。ああ、これも結構気持ちいいじゃねぇか、とか変態じみたことを思っていたら、口が離れていった。

「あのさ、シズちゃん。ちんこと指は全然違うから!そもそもシズちゃんのなんか咥えたら、顎外れちゃうだろ!」

臨也が顔を真っ赤にして叫ぶ。その言葉に少しだけ安心した。前に、やってくれと頼んだ時に全力で拒否され暴言吐かれ喧嘩してしまったので、よっぽど嫌なのかと傷ついたが咥えること自体は大丈夫らしい。

さてと、そうと分かれば
「人間何事もチャレンジが大事だよなぁ?」
「は?…ちょっと、シズちゃんなんで起たせてんだよ!この変態!巨根!」
「お前は俺が嫌がったのに指を咥えたんだから、次は俺が嬉しい方を舐めてもらう。これでイーブンだろ?」
「こんなになっといてよく言うよね!あああ、すりつけるなっつーの!」

なんだかんだ言いながらも俺のズボンに手をかける臨也に、まぁ指くらいならいつでも貸してやろうかな、と思った。






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