えむさんへ!
うおおおめでとうございます!






「なぁ、門田。ほくろを数えると増える、って本当か?」
「さぁ、迷信だろ?」
「今度数えてみるとするか。臨也のを」
俺がそう言うと、隣でコーラを吹き出した。勿体ない。噎せているのを見て背中を撫でてやると、落ち着いたようなので手を離した。

「あ、でもアイツ元からほくろあるのか?無いなら数えても増えねぇよな…」
「ん?臨也ほくろあるだろ?」
その言葉に今度は俺がカフェオレを吹き出した。なんでそんなこと知ってるんだよ…。顔にはそんなもの無いし、普段見えるところにも無かったはずだ。臨也の体は足や腹はもちろん髪や爪の先まで隅々見ているはずの俺が知らなくて、門田が知っているってどういうことだ。もとから臨也と門田の関係についてはいろいろ疑問を持っていたが、今の発言でさらに疑いを持ってしまった。門田が大丈夫か?と言ってハンカチを渡してくれた。うん、やっぱりお前男前だな。

「ドッタチーーン!!」
突然門田を例のあだ名で呼ぶ声がした。声のした方を見ると公園の外側で、ワゴンの窓から顔を出して手を振っているのが見えた。

「ドタチンって呼ぶなってあれほど…悪い、静雄。またな」
「おー」
ハンカチを俺に渡したまま門田は車の方に行ってしまった。これ、洗濯して返さないとな。あ、ほくろの話詳しく聞きたかったのに、聞きそびれた。…これは、本人確かめにいくしかねぇな。
門田から借りたハンカチをポケットになおし、カフェオレの缶を握りつぶしてゴミ箱に捨てると、新宿に向かって歩きだした。



「シズちゃん?どうしたの?今日は来るって聞いてなかったよ?」
灰色のパーカーに黒いハーフパンツ姿だということは、今日の仕事は終わったらしい。これは好都合だとばかりに、細い手首を引っ張ってソファーに押し倒す。

「なに?まだ夕方だよ?」
「黙ってろ」
びっくりしたような声をあげる臨也を無視して、足首を持ち上げてさらされたふくらはぎに指を這わす。できるだけ見落としがないようにと、どこかで聞いた「指さし確認すれば見落としてミスしたりしない。」という豆知識の通り人差し指で肌理細かくて、さわり心地のいい肌をなぞっていく。

「無い…な」
両方のふくらはぎを確認して靴下を脱がそうとすると腕を掴まれた。

「なにがしたいの?」
頬を赤らめながら訝しがるように言われ、ほくろ。とだけ言って靴下を脱がせる作業に戻ると、それ以上何もしてこなかった。
右足の靴下を脱がせると、意外にもすぐ見つかった。踝の下に小さい黒い点が一つ。綺麗な肌なのに勿体ねぇな、と思ったがこれはこれで間抜けでかわいい。ちゅ、と口付けると汚いからやめろと怒鳴られた。左足で顔に向かって蹴りを繰り出されたが、避けてそちら側の靴下も脱がして確認し、次はパーカーを脱がせる。タンクトップだったので、腕が確認しやすい。手首を持ち上げてなぞっていく。

「二つ目」
二の腕の裏の柔らかいところに、見つけた。ただでさえ白いのにそこはもっと白くてやけにほくろが目立つ。そこにもさっきと同じように吸いつくと、赤い痕が残った。こいつと違って素直に痕を残してくれることに気をよくして、何度もキスマークをつけると頭をはたかれた。ほら見ろ素直じゃない。顔赤くして睨まれても、全然怖くない。むしろ勃つ。

「恥ずかしいんだけど」
「いつももっと恥ずかしいことしてんじゃねぇか」
そう言ってやると、シズちゃんなんて嫌いだ!と言ってソファーの背もたれに顔を埋めた。…なんなんだこのかわいい生き物は!!理性でなんとか本能を押さえつける。落ち着け俺、俺にはまだほくろを数えるという任務が!…ん?

「お、たくさんあるぞ」
顔を背けたお陰で見えた左耳に二つ並んでるのと、うなじに一つ。耳たぶにある二つはちょっとピアスっぽくてお洒落だし、項のほくろは、なんていうかエロい。顔を近づけると、片手で耳を隠された。

「おい、手離せ」
「やだよ。どうせ、ちゅーするんだろ?」
ちゅーとか言うのやめて欲しい。ノミ蟲のくせにかわいい。耳にキス出来なかった腹いせに、項の方をきつめに吸ってやった。たぶん、二三日は消えない。できれば永遠に消えないキスマークを付けたいのだけど、そんなものは無いらしい。俺の物だ、という印をつけておかないとこの男は簡単にフラフラと何処かに行ってしまう。

臨也がもぞりと動いたのを見て我に帰った。しょうもない考えを頭から追い出し、タンクトップを脱がせた。

「ジロジロ見ないでよ」
「…改めて見ると、綺麗だなって」
「な、」
顔を真っ赤にすると、それを隠すように両手で覆ってしまった。指の間からこちらを窺いながら、てんねんタラシ、と言われたので、お前にだけだと言うと、そういうところがタラシなんだと言われた。俺はお前の方がどうなんだと言いたい。門田にベタベタ新羅にベタベタヤクザのオッサンにベタベタ…
腹筋や胸板に手を滑らせ、腰に手を回して裏返す。さっきも言ったが、臨也はお世辞抜きに綺麗だ。背骨に沿って指を這わすと、小さく声を上げて肩が震えた。指がたどり着いた先に、またほくろを見つけた。ちらっと顔を見ると、頬を赤くして耐えるように目を瞑って頭の下のクッションを握っている。こんな軽い愛撫に感じているのかと思うと、臨也を抱きしめたい衝動に駆られた。でも、ぐっと我慢して臨也が気付く前にそこにキスを施す。すると、腰が小さく動いた。

「ひっくり返すぞ」
「…ん」
上半身を掴んで仰向けに戻すとズボンと一緒に下着も脱がしてしまう。足を閉じようとするのを、無理矢理割り開いて顔を足の間に入れて太股の内側を観察する。右足を見た後、左の方に目をやると、最後の一個を見つけた。

「7つ目、あったぞ」
「どこ?」
「ここ」
太股の限りなく付け根に近いところの、内側にあるほくろを舌先でつつく。ひゃ、とたまにしか聞けない可愛らしい声を聞いてニヤニヤしてしまった。

「なんでそんなとこ舐めるんだよ!」
「お前が足閉じようとするから手が離せねぇんだよ」
「ヘリクツだ!ほら、もう全部見ただろ?どいてよ!」
さっきまで顔真っ赤にしてかわいかったのに、起き上がってぎゃあぎゃあと騒ぎ始めたのにイラッとたので太股を噛むと大人しくなった。

「ところで今までほくろ何個だったんだ?」
「んー足首と腕のの2個のつもりだったんだけど、耳のはドタチンが教えてくれた。だから4つ」
「なんだ耳か…」
もし門田が知ってたのがこの太股のとかだったらハンカチ返すついでに門田を半殺しにするところだった。良かった。

「やっぱほくろって数えると増えるんだな。」
「シズちゃん馬鹿?数えようと探し出してしまうから増えるんだよ。」
「…なるほど!」



「よぉ、静雄」
「うっす。これありがとな」
前と同じ場所に腰掛け、ハンカチとお礼のコーラを手渡す。門田がプルタブを引いたのをみて、俺も自分のカフェオレの蓋を開ける。

「あ、やっぱ数えるとほくろやっぱ増えるぞ。でも、数えようと探すから増えるんだ、って臨也が言ってた。」
そう言った瞬間、ぶっと門田が吹き出した。生憎俺はハンカチなんて小粋なもの持っていなかったが、さっき返したのがあるはずだ。でも、口のまわりを袖で拭って俺の方に向き直った。

「数えたのか?臨也のを?」
「おう。そういえば、よく臨也にほくろがあるって覚えてたなぁ。本人も門田に見つけてもらったって言ってたけど」
「ああ、耳のやつだろ?あれはちょっと前、臨也に膝枕してやったときに見つけたんだ。」
今度は俺が吹き出した。膝枕…?最近…?
門田がまた例のハンカチを差し出してきたが、断って立ち上がる。このままじゃ冗談じゃなくて、マジで門田を半殺しにする気がする。まだ中の入ったままのカフェオレをゴミ箱に投げ捨てて、おい!と言う門田を無視して歩き出した。目的地は言うまでもない。







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