「あっ…あ…やぁ」
動く度にシズちゃんのが奥を掠めて声が漏れる。
「おく、やめ…っ」
小さく懇願すると、もっと奥突いて、の間違いだろ?と言われた。どんなエロ漫画だ、俺はそんなはしたないこと言わない。

ぐちゅぐちゅと卑猥な音と、シズちゃんの荒い息遣いが聞こえる。そろそろ限界が近いのかグラインドが早くなる。
中を擦るスピードが早くなり凄い気持ちいい、ヤバイイきそ―――!
「っく…」
気持ちよさそうに呻く声がが聞こえて、俺の腹の中にシズちゃんの欲望が吐き出される。
いやいや、ちょっと待て。何が…ふぅ。だ!俺はまだイッてない!この早漏やろー!なんであと5回くらい腰振ってから出さないんだよ!いつもよりもかなり早かった気がする。

「シズちゃん!前触ってよ!俺もイキたい!」
「駄目だ。」
その返答にポカンとする。駄目ってなんだよ!さっきだって寸どめ、今だって寸どめ。涙が出そうだ。
恋人が目の前に居るのに自分で慰める、なんて惨め過ぎるが仕方ない。自分の息子に手を伸ば…そうとしたら両手首を捕まれた。

「何だよシズちゃん、邪魔するなって!」
振り払おうとするとシズちゃんの蝶ネクタイで縛られた。はい?

「何のプレイのつもりだよ!外して!ていうかイキたい!」
「嫌だ。」
もはや錯乱状態である。シズちゃんは一回、それも中出しして満足しただろうが俺は寸止め×2だ。
俺が縛られた手を外そうともがいていると、そっと背中に手を回されて起こされた。何するんだ?体面座位?手縛ったままで?と、考えていたが、流石シズちゃんだ、俺の予想斜め以上上をいく。
俺の背中を抱き抱えたまま(勿論入ったまんま)立ち上がるとテレビをつけて幾つか操作をすると、またソファに座る。あろうことかコイツ俺が買ってきた格闘技のDVDを見はじめたやがった!入れっぱなしで。

「ちょ、シズちゃん何見てるんだよ!俺ほったらかしなの!?」
「あのなぁ、ノミ蟲。てめぇはこの状態を10日間にわたり続けてきたんだぞ?」
なるほど、っと思った。シズちゃんは俺が構ってあげなかったら拗ねてるのか。んで、同じ状況を味あわせようと。
…いや、違うだろ!

「全然違うし!どんな状態だよ…」
「ヤりたいけどヤれない、イキたいけどイけない、俺のちんこはお前のケツ無しじゃ駄目なんだよ!」
「どんな告白だ!あああもうなんでもいいから、とりあえずイかせて!」
そう叫ぶと、シズちゃんは「嫌だ」と言ってまたテレビに目を移した。

熱を持て余して、頭がクラクラする。イきたい。今ならシズちゃんが好きそうなエロ漫画並みの恥ずかしい言葉さえ並べられそうな気がする。
…ん?エロ漫画?
あは、いいこと思いついた。

縛られた手をシズちゃんの首に回して、口を耳元に寄せる。
「ねぇシズちゃん」
ありったけの色気や本気やイかせてくれない苛立ちを詰め込んで、甘えるような声をだす。今の声だけで、中にあるシズちゃんの質量が増えた。よし、これは勝ったも同然だな。

「なんだよ」
「俺、シズちゃんのせーえきもっと欲しいなぁ…。」
おお、さらにデカくなった。耳まで真っ赤だけど、まだ一押し足りないらしい。思い付く限りの、シズちゃんが好きそうな言葉を吐き出す。

「臨也の奥…シズちゃんのおっきいのでいっぱい突いて…?」
溜め息まじりに言うと、一気に大きくなった。なんだ、この変態は。俺だったらこんなの聞いたらむしろ萎える自信がある。でも、この雰囲気だととどめとしての威力は十分にあったみたいだ。
早くしろ、というようにシズちゃんのお腹あたりにぐりぐりと押しつける。あっ、これ結構気持ちいいかも、なんて思っていたら。

「あ゙ーーーーっ!」
突然叫びやがった。煩い!

「シズちゃん煩いんだけど。」
「やっぱ無理、ぜってぇ無理、俺が無理!臨也、ベッド行くぞ!」
「うわっ」
そのまま抱き上げられて、寝室へ向かう。(やっぱり入れたまんまで)


「今夜は寝かせねぇからな」なんて使い古された台詞を吐いたと思ったら、本当に寝かせてくれなかった。恐るべし化け物の体力。最後の方なんて最早意識がなかったが、シズちゃんの精液がずっと真っ白なのを見た時は心の底から化け物だと思った。


「死ぬ…」
「自業自得ってやつだな」
「死ね…」
「ぜってぇ嫌だ」


お前が一生童貞なのを見届けるまで俺は死ぬつもりねぇよ、なんて下ネタまじりのプロポーズは初めて聞いた。断じて喜んだりしていない。
返事に「この変態」とだけ呟いておいた。







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初めてのエロ!
エロ難しい…
私には無理っぽい
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