酒は飲んでも呑まれるな
「さて、どーしてこんな状況にあるのか説明してくれないかな?」
私の目の前にはボロボロのジタンが。だがそれよりも私たちの今いる部屋の方がぼろぼろだ。
ジタンは若干涙目になりながらことのいきさつを話した。
「……っつーわけなんだ。」
「なるほど、つまりはお酒飲んで暴れたってことね。」
らしい。
じゃあなぜジタンまでもぼろぼろなのか、と言うと私が大人しくさせたからだ。
言っておくが焦点の合わない暴走していたジタンを止めただけであり、間違っても腹が立ったわけではない。ここは私の部屋だが。
「じゃあなぜ私の部屋にきたの?ブランクかどっかでもよかったじゃない。」
「……ごめんなさい。覚えてません。」
「……あんたにはお仕置きが必要なようね。」
ぎゃあああ!と叫びながらジタンは土下座で頭を地面にすり付けるように下げた。ごめんなさいを連呼してるが、これ、端から見たら私がいじめてるように見えるじゃん?!
「仕方ない、許してあげる。」
「まじか?!」
「まじ。その代わり、」
「まて、代わりって何だ?俺、ここまでボコボコにされたんだが。」
「ジタンの部屋にお酒持ってゴー!」
華麗ジタンの言葉をスルーしながら私は酒を持ってジタンの部屋に向かう。
「ちょっと待って、名前!お前酔っ払ったら寝ちまうだろ!」
「それがどうしたの。」
「その後お前を部屋に運ぶの大変なんだぞ!」
「……重いって言いたいの?」
指をパキパキと鳴らしてみると面白いくらいにジタンは飛び上がって違う違うと言い出した。どうやら先程までの暴れるほどの酔いはすっかり覚めてしまったようだ。ざまあみろ。
「違うって何が違うの?」
「いや、ご、ごめんなさい。」
「認めやがったなこのやろおおおお!!」
ジタンのアホー!と叫びながらジタンの部屋に向かう。こうなったら私もジタンに迷惑をかけてやる。
後ろからジタンの声がしたが華麗に無視し、酒瓶の蓋を外しながら着いたジタンの部屋の扉を勢いよくあけた。
(すーすー…)
「うう…だから大変だって言ったんだ…理性的に……」
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