FF\短編 | ナノ



7月10日(納豆の日)

「納豆食べなさい!」
「嫌だ!」

今日は7月10日、納豆の日。納豆はちょっと臭いがきついけど、栄養もあるし私は大好き。でもジタンは納豆を毛嫌いしている。

「名前はなんでこんなもんをうまいと感じるんだ?」
「だって美味しいじゃない。」

ジタンは目の前の納豆を箸で少し持ち上げながらうえーっと眉間にシワをよせた。
変なものでも見るような目で。

「食わず嫌いなんでしょ?」
「そりゃそうだけど、この臭い…このネバネバ……」

あり得ない、と言ってジタンは箸から手を離した。せっかく納豆の日なんだし、ジタンに食べてもらいたかったんだけどな。

「仕方ない、こうなったら強行だ。」
「は?」

ガシッとジタンの腕をを掴み後ろで組ませその辺にあった布で縛った。
ジタンが目を丸くしている間に椅子に座らせ同様に縛り付けた。

「名前?!何のつもりだよ!」
「こうでもしないとジタン、食べないでしょ?納豆。」

さっきジタンが持っていた箸と納豆のパックを持ち上げるとジタンはバタバタと抵抗し出した。
緑とも青ともつかないジタンの目が大きく開かれた。

「や、やめろぉぉぉおお!!」
「ほら、動かない。じゃないと間違えて鼻に入っちゃうかもよ?」

ウフフ、と笑って見せるとジタンはひきつった笑みを浮かべ汗を流した。
まさにジタンの口に納豆を運ぼうとした時だった。

「名前、何してるの……え?」

ガチャリという音と共にダガーが入ってきた。私達を見たと同時に固まった。それもそうだろうな、今の私達の格好。
ジタンは椅子に縛られ私がその上に乗り上げるような形で納豆を掴んだ箸をジタンに向けている。
なるほど、納豆ね。

どんなプレイだ。

「え、え?名前もジタンもそんな趣味が……え?」
「いやダガー、誤解だよ……!」
「そうだって俺納豆嫌いだし……!」
「バカ!こういうのは嫌いなものでやるものでしょ!」
「な、何?納豆プレイなの?」

きゃああと叫んでダガーは部屋から出ていった。
まずい、変な噂がたってしまう。

「待ってダガー!違うんだってば!」
「ちょ、おい!名前!これ外してから行けよぉぉぉおお!」

ジタンが何か叫んでいたが私の耳には入らなかった。



「(あれ?何か忘れてるような……)」

「おーい、ジタンいるか……え?」
「ブランク…助けて……」

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