memo | ナノ



君が手袋を脱いだので。
2014/11/24 19:37

 彼の手で性器を擦り上げられるとたまらなく気持ち良かった。意思に関係なく漏れてしまう声を抑えようと手の甲で口を塞ぐが、嬌声は涎と共に溢れ出てくる。
「おい、あまり声を出すなよ。さっきの店からそう離れてないんだぜ。見つかったら不味い」
「わかっ……、て、あ、」
 出そう、と呻くと彼は頷いて地面に膝をつき私のものを口に含んだ。口内の熱さと彼に口淫をさせる背徳感で私はより一層昂る。吸いながらやんわりと甘噛みするように刺激されて、彼の口内に精を放った。彼は顔を歪め、こくり、と喉を鳴らす。
「な、の、飲んだのか?」
「飲んだが、それがどうした。孕むわけじゃあるまい」
「いや……気持ち悪いだろう」
 私がそう言うと彼は困ったようなよくわからない表情をした。なぜか咎められているような気になって、私は慌てて言い繕う。
「尿と同じところを流れて出た、排泄物じゃないか、それは」
「体に害はないぜ」
 端的に言い切って京極堂は立ち上がった。
「こんなところに散らしていくわけにもいくまいよ。さっさと仕舞え、帰るぞ」
「あ、で、でも」
 背を向けられつい袖を掴んで引き留めてしまう。一体なんだと不機嫌な目で睨まれて言い澱む。
 今ほど酒を飲んでいて良かったと思うことはない。素面なら絶対に言わないし、アルコオルという言い訳なしには言えるはずもない。
「……さ……最後まで……」
 こんな路地裏ではしたなくねだるなんて、と浅ましい自分に嫌悪が募るが、身体は彼の熱を求めてもう我慢の限界だった。
「うちに帰ったらしてやるって言っただろう? それまで我慢したまえよ」
「今!……ここで……が、いい。君のも舐めるから……な? 頼むよ……」
 縋る目が媚びの色に満ちているのを知っている。それが彼の罪悪感を煽ることも。
 じっと見つめると京極堂は諦めたように溜息を吐き、
「後で文句を言っても聞かないぜ」
と言った。


続きはまた書くかも……そのうち……



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