2012/02/07 21:02 「痛い?痛いだろう?」 いっそもっと苦しめばいい。その苦痛の先に、私だけを感じればいい。彼のすべてを支配するのは、いつだって私なのだから。 小さく呻いた彼が私の前髪を掴んで引き寄せた。鼻先が触れ合う。 「は、痛…僕など甚振って、何が楽し、ぅ…君の、復讐、なのか」 「復讐?───何の話かな」 腰を揺すると彼の手が離れた。切れたところが痛むのだろう、苦しげに顔を歪めて私を睨む。───そんな眸で私を見るなんて。 「君以外に惹かれた僕が───憎いのだろう」 それは自意識過剰というものだ。私はただ彼を支配しているにすぎない。 「君はすべて僕のものだと言ったろう?誰に惹かれようが関係ないよ」 どんな想いも躙って、私のものへと変えてみせるから。 膝裏を掴んで彼の矮躯を折り曲げる。繋がった部分が見えるように、持ち上げてゆっくり抜き挿しして見せた。力無く萎れた彼の男根が微かに震える。彼は元々性慾が薄い───私とは違い、直接触れなければ屹立しない。 だから私はそれには触れない。私と彼との性交に、彼が快楽を感じてはいけないから。 ─────咎を負うのは、いつだって私なのだ。 悔しく成って、彼以外の世界がすべて憎らしく成って、いっそ彼を壊したく成って強く楔を打ち込んだ。 「××××」 呪いのようなその言葉を呟いて、私は彼を抱く。 title by:にやり |