memo | ナノ



バナナ
2012/02/03 21:13

もぐもぐ。
そんな擬音語を背景に書きたくなるような感じに口を動かして、関口がバナナを食っていた。

「どうしたんだそれ」
「貰った。旦那が青木君に貰ったけどいらねぇからやるよって」
「(青→木場フラグ…)」
「何か云った?」
何も、と関口の質問を切り捨て、口元を凝乎と見つめる。

皮を全部剥いて、咥えたままもごもごしている。猿というより、アタマの悪そうな喰い方だ。

「エロい顔」
「ふぃににいあえたうない」
君に云われたくない、か。

「それこそ君に云われたくないよ」
「むがっ」

鼻を摘まんでやった。馬鹿な顔。
ふふっ、と笑うと睨まれた。

「そんなにバナナを喰いたいなら、喰うかい?
 僕の」

自分の下半身を指して云うとそっぽを向かれた。
小さな呟きが耳に届く。

「…変態」
「なんとでも云い賜え。
 喰うのかい?喰わないのかい?」
「喰い千切ってもいいなら」
「…それはやめてくれ。」

云いながら可笑しくなって、二人で笑い出した。



ぴちゃり。
唾液とカウパー腺液が立てる水音。

胡座をかいた京極堂の股間に顔を埋めて、舌と唇で丁寧にそれを愛撫する。

「っ、ふ」
「エロ顔…この淫乱」

関口の顔を上げさせて、くくっと笑う。
眉根を寄せてそれを咥えている姿は、普段と掛け離れてエロティックで。

「ここまで調教するのも、苦労したんだぜ」
するり、と尻を撫でてやる。口の中のモノを噛まれてしまった。

「こら、噛むな。痛いだろう」
「バカ、死ね、へんたい」

関口が口を離して文句を云う。まあ、憎まれ口をたたいたところで、可愛いだけなのだが。



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