クラスコ 寝返りをうって、目の前の腰に手を回す。急なそれに上から非難の視線が突き刺さるが黙殺した。薄い腹に顔を埋め、すん、と鼻を鳴らした。肺いっぱいに匂いを吸い込むように深呼吸をする。 ああ、良い匂い。顔を緩める。 そのうち、彼は諦めたように一つ溜息を吐いた。そして、ほんの少しの遠慮を込めて髪を梳く手。 その優しい感触に目を細めた。 「…スコール、」 「……なんだよ」 今、俺、泣きたいくらい幸せなんだよ。 120413