同じ呼吸で生きるなら | ナノ



 すべらかな紙の表面には光の輪が波打ち、それを封じ込めるように本を閉じた。
 下校の鐘はだいぶ前に鳴った。けれども居残ることを咎める人もなく気付けば瑠璃色から黄色、橙、朱色へと空が斑模様を描いていた。やわらかな輪郭の光に色を溶かすように数頁パラパラと捲り、慈しみさえをも含ませ文字をなぞる視線とは反して、高杉はそんざいに文庫本を開け放した鞄に放り込んだ。
 そこで携帯を机の中に残していたことを思い出す。
 放課後の教室を傾いた西日がこがね色に染めていた。濃く深く、しかし落ち着いた影が複雑に交叉している。前方の窓側の机をくっつけて、何やら論じている人影が二つあった。否、影というには酷く眩い。午後の淋しい濁りを払拭するように乱反射起こす猫っ毛は銀あるいは金と例えるには優しい光を帯びていたし、白やいっそ黄だと片付けてしまうには華やかである。鈍いしろがね、こがねの髪が吹き込む生ぬるい風にあおがれなびき、揺らいだ。それらの風景は一つの完成した作品だった。まるで絵画を見ていた。手を加えるのを頑なに拒む水彩画だった。懐旧の情を纏った彼岸西風だった。静かになったカーテンのはためく音に唸るような欠伸が一つ続く。そこで和らいだ空気に誘われるようにして半開きの扉を引く。ガラガラと古ぼけた呻きが聞こえた。
「なにやってんだァ?」
 全く同じタイミングで顔を上げた二人の白を通り越して透き通る皮膚に柘榴石を彷彿させる瞳が相まって醸し出す神々しさにも似た雰囲気がアルビノによるものだと知って久しい。そしてそんな外見を中身がすべて破壊神の如くぶち壊しているのを悟ったのはその更に前のことである。
「お前こそどうしたんだよ?なになに、チビ杉くんは補習ですか?」
「金時、高杉はもうすぐ高校だってのにまだ成長期が来ねーことにコンプレックスに感じてんだよ。デリケートな時期なんだよせめて晋ちゃんにしとけ。あ、あと進路が決まった後に補習も何もねーから」
 にやにやしながら手を振った金時に寸分違わぬ表情でわざとらしく囁いた銀時に噛みつきたくもなるが、長年に及ぶ(それこそこれまでの人生の半分以上の)経験上ここは喧嘩を買った方が負けだと高杉は黙々と携帯を机から取り出しポケットに収めた。というか、こいつら面白がって弄ってねェだろうな。やりかねないと思い、収めたばかりのポケットから出す。高杉から反応がないのを窺い、金時が会話を続ける。
「わかったじゃあ低杉にする」
「おーおー、俺の弟も気配りってもんができるようになったじゃねーか」
「弟つっても半時間差だけどな」
「あ?」
「いえなんでもないですオニイサマ」
 方向が逸れ始めたのを見て今回は抉らずにそのまま水に流すことを高杉は決めた。明日あたりに万斉やらを巻き込んで鬱憤晴らしにどこかを潰しに行くことも。
 一陣一陣の風が金糸銀糸の髪を撫でて通った。相変わらず減らない口が空気を台無しにしている。そしてそれが何の空気であるか、相変わらず高杉には未だに現すことも例えることもできないでいた。ただ手を伸ばしたくなる衝動を抑える。
「テメェらは何やってたんだよ?」
 口から出たのは他愛もない言葉で、並べてくっつけた机を覗き込むようにしてつま先立ちをすれば二人が一斉に机に被さる。笑ってしまいそうなほど全く同じ反応を、二人は見せる。坂田銀時と坂田金時はしかも顔のつくりまで同じときた。机の影と光の境界線に目が行った。
「ほら、俺達今月で卒業だろ?」
 その紙の工作らしきものを机の中に押し込みながら銀時が確認した。だろ、と銀時に続いて金時が繰り返す。そうだが、それが。促せば今度は金時が含み笑いをこぼしながら、
「だから、可愛い後輩への贈り物」
 お、く、り、も、の、と一文字一文字区切りながら最後に音符でも付きそうな勢いで語尾を上げた。
「なんなんだよ?その贈り物は」
「えー、高杉は可愛い後輩じゃないから秘密」
「別に知りたかねェよ」
 帰らねーの?同時に振り返り、訊ねた二人に今行くと携帯をポケットに突っ込んだ。机の中のものを確かめる気も消えていくような気がした。

 あの喧噪な校庭には人影も物音もなくなっていた。静寂が際立って話したいことも吸い取られたように誰も何も口にしない。代わりに三人分の足音だけが廊下に響く。ジッと二人の背中を見ていた。文庫本の紙に見た光の輪を、水の底、あるいは魚の鱗と見紛う輪郭を思い出す。それも相まって変に空虚なくせに変に満ち足りていて、当たり前の一欠けらの風景の奥そこからよくわからない焦燥が生み出されていた。
 鴉の声を聞いていた。
 哀愁を包み込んでくぐもった声である。つられて鼻の辺りが滲んだような気がして、啜った間抜けな音が茜色に染めあがった空間にしばらく留まってから、溶けた。
 廊下の先で扉が開かれ、教師かと一瞬構えるものの、何やら神妙な顔の桂と坂本が出て、そのまま階段へ向かっていた。深刻な顔で、高杉達にまるで気がついていない。いい度胸じゃあねェか。口端を上げれば既に双子が駆けだしていて、音に気付いて振り返った桂と坂本の引き攣った表情に苛立ちも飛ぶ。ただ純真と邪が掻き混ぜられてできた好奇心だけがむき出しになった。
「待ってくれてありがとよ!」
「ありがとよ!」
 効果音がつきそうなほどに盛大な体当たりをかまし、いっそ爽快なほどに真っ黒な笑顔で拳の骨を鳴らせながら見下ろす。カァと一声鴉が鳴いて、それを合図に桂と坂本が共々後ずさる。
「生徒会は大変だなァ?卒業間近の三月でも学校の面倒を見てるとは本当に、なァ銀時金時ィ?」
「まったく高杉くんの言う通りだよな。友達にも気付かないなんて、な、金時くん」
「そうそう。お疲れ様」
 くるくると髪を指に絡めながら、お二方は公務で忙しいみたいだから俺らみたいな暇人は退散しようなー。金時が白々しく言い、それに時代劇のお代官様も吃驚の悪人顔を浮かべた銀時とクツリ笑った高杉が続く。
「ちょっと待て!これは何らかの誤解だ!ちょ、」
「そうちや!公務がやないきね!」
 通りすぎるのを縋るように手を伸ばすヅラともじゃもじゃが引退したばかりの生徒会会長と副会長ときた。こんな奴がこれでこの学校は大丈夫かと思ったのはもはや一度や二度のことではない。
「仕方ねーな…金さん銀さんは友達想いなので特別に三秒待っていてあげまーす」
「はい、さーん、いーっち!」
「二はどこに行ったちや?!」
「辰馬うっせー。俺は今日から松平先生を手本にするって決めたんだよ。男は一だけ覚えてれば生きていけるってなぁ」
「んの割には三言ってるけどなァ」
「揚げ足取るな厨二病が」
「…ヅラ。最近双子が反抗期だって思わねェか?」
「今に始まったことではなかろう。あとヅラじゃない桂だ」
 それからなんだか可笑しくなって息を吐くように気付いたら笑っていた。空っぽの、恐らくは空っぽであろう校舎で大声を上げて笑っていた。焦燥も何も、その瞬間はどこかへ飛んだ。鴉の背中に乗って行った。

 今年は梅の咲きが遅かった。
 風に揺らされ鳥に揺らされ花がこぼれる。目を閉じればひばりの声が鮮明に届く。そういえば近くに原っぱがあった。しかし瞼を開くといくら耳を澄まそうとも囀りはもう街の騒音にかき消されていた。
 ぶらぶらといつの間にか駅前にたどり着いていたことに気付く。順路である。もとより金時銀時、桂に高杉は家が近所同士で、幼稚園での玩具の奪い合いで大泣きする頃からの付き合いだ。高杉は幼い頃に松陽の家を訪ねたらこどもが二人増えていた日を未だに昨日のようにはっきりと覚えている。固まった末に取った行動が桂を引っ張ってくるということは今でも桂本人に弄られる。今日から私の子たちですと満面の笑顔で紹介された時には高杉も桂も豆鉄砲でも食らったような顔をしていたに違いない。養子なのだと親に聞かされたのはそれよりも後のことだ。当時はそんなことはどうでもよかったのだ。ただこれまで見たことのない色彩に、同じ二対の瞳に、深淵へ誘われる感覚で見入っていた。
 知るということは意識をするということだと誰かが言った。存在を認識していなかったものを意に留めるということは自分の世界が広がるものだとその誰かは言った。ならばその日、確かに自分は新たに知ったのかもしれない。
 坂本が加わったのは中学校に入学した三年前だ。四国かどこかから引っ越してきて、強すぎる訛りもその内抜けるかと思いきや彼が正そうと思う前に自分達が先に慣れてしまった。今となってはこいつ標準語を喋るつもりなんて端からなかったのではないかと疑い、数週間前に訊ねたら悪びれもなくそうじゃと答えられ癪に障ったのでとりあえず高杉と金時銀時との三人で袋叩きにしておいた。
 頭は鳥の巣である上に空っぽだが坂本は面白い人だ。彼は既に知っているとの風体だった。双子のことも、彼らの見た目のことも、桂の長髪のことも高杉が片目をなくした時でも、馬鹿笑いをしながらすべてを理解している様子だった。知るということが新しい概念を取り入れることだとするならば。自分の壁を壊す、またはゴムのように作り変えることであるのならば、坂本の壁は水であった。水でしかなかった。それの器の広さを末恐ろしいとさえ感じてしまう高杉は自分の世界が狭いと、視野が狭いと痛感させられた。
「のう金時金時ー」
 ほら、また笑いながら。そう笑っているうちには深く考える自分が馬鹿みたいに思えてくる。
「金時銀時な。ちゃんとここに二人いるから」
「で、なんだよ」
 こんな風に。泥にはまるような感覚に慌てて純粋の象徴であるような水面の波、夕方の影を思い浮かべるのだが、その形を追って目をつぶればもはや暗闇に混ざるしらすみたいな稲妻だけがそこにあった。
 例えば、と比喩しようとして例えが出てこないという、例えば、そんな状況。自ら何らかの話に参加することもなければ、いつもそんな中途半端なところに心がぶらさがっている。違いはそこか。そこが違いか。己と彼は。納得せずとも、受け入れることはできた。
 唐突に桂が蕎麦屋を発見して謎のパントマイムを始めたのを皮切りに会話は桂弄りに変わっていた。周りなんて気にせずに、騒げる空間時間はあとどれくらい与えられるのだろう。ヅラテメェの髪が当たって邪魔。今ここで俺が直々に斬ってやろうか?いや字が違うそれ髪どころか全身ズバーって行ってる。そんなことを真剣に話しながら、どこか別のところで考える。きっとこの中の誰もがそうだ。別の心か脳かは知らないが、それを幾つも持っている。この風景を愛しいと思いながら鬱陶しいと疎み同時に焦がれて悩む別々の器官だ。それが一つの身体にいくつも、いくつも同棲して、絡み合っていた。
 あ、新八神楽。げ、神楽。
 重なった声に、今度こそは現実に引っ張り戻された。
 慰めのように花がこぼれる。とってつけたよう救いなど、ない方がいいに決まっているのにだ。

 新八と神楽は金時と銀時の後輩だ。となれば高杉の後輩でもあったが、この二人はみょうに双子に懐いている。金時は主に神楽に鼻であしらわれて遊ばれているのが正しいかもしれないが、それでも信頼と親愛には変わりない。
「ほらテメェらの可愛い可愛い後輩が来たぜ?」
 金さん銀さん!長生きで有名なあの、とツッコミの一つでも入れたくなる呼び名は新八発祥だった。ような気がする。どうも地味で覚えていない。
「今日はヅラももじゃも晋ちゃんもいるアルカ?」
「誰が晋ちゃんだ、アァ?」
「遅い下校アルナ」
 人の話聞けよ。叫びたくもなるが桂はリーダーと言ったきり、耳にタコどころか変形でもしてしまいそうなほどに聞き飽きた台詞の「ヅ」の字を言う暇さえ与えられることはなく坂本はただ笑うことしか許されていないと思えば幾分気が楽になった。あれほどにまで慕われている(こき使われている?)双子でさえ一蹴されるのだ。現に神楽が駆けてくれば明らかに怯えた様子で高杉の後ろに隠れた金時がいる。
「で、ほら辰馬さっきの話。なんだった?ほら、さっきの」
 あからさまに話を逸らす様子には少し憮然とした顔が向けられたが、はて、なんの話じゃったか…ああ、あれじゃろうか。そこで視線が集まる。ころころ変わる表情は、高杉から見ても面白かった。
 風車を思い出した。一番星を思い出した。空の彼方を見た。
 何層もの透明で優しい紅さの中にあった。
「ほら、おまさんたちは双子ながやきじゃろう?」
「そうだけど。何を今さら」
「ついでに、一卵性だけど」
 高杉は自分の背中に張り付いたまま一言付け足す金時の髪を何気なく、何気ないように見せて掠った。月かもしれなかった。その色は。そして遠慮もなしに頭をわし掴んで重い、ちゃんと歩けと、そう言った時には全く違う感触だった気がする。
 うーん、と考えていた新八がでも、と坂本が口を開く前に継いだ。
「それで、アルビノでもあるんですよね?」
「前にもう聞いたヨ。覚えてろよこれだから新八はいつまで経っても眼鏡なんダヨ」
 いやなにそれ、僕は新八でもないってこと?言い切ればそうアルナ。もはや人間の原型も留めてねーな新八ぃ。いつ新一になるんだよ新八ぃ。金ちゃん少し声抑えるヨロシ。…すいません。
 とめどめもなく続く応酬に、金時銀時がこの二人を受け入れるのは、そういうところかもしれない。眺めながら、高杉はつくづく思う。桂は高杉のその直感を咀嚼して、言葉にして、流すこともせずに気にもとめずにありのままに受け止めなにより純粋に中身に惚れていると現した。気取るなと笑ったがあながち間違ってはいない。
「ほらほらリーダーにお前ら。話を続けさせろ」
 考察を好む桂だ。興味津々に耳を傾け思考していて、今頃中断されていることに気付いたのだろう、軌道を正した。
「新八くんとぶっちゅう(同じ)方向に考えとったみたいじゃ」
「やっぱりですか」
「えらい確率やき思って」
 今更じゃけんどと、そう頭を掻いて笑った。
「そうか?」
「まず一卵性が千分娩に四組だろう。そしてアルビノが一から二万人に一人の確率だ。二百五十万から五百万に一つの確率だな」
「んだよそれ。奇跡の塊じゃねェか」
「へぇ、そう言われると我ながらすげーな」
「そんで先生が父上なんだぜ?更にすげーよ」
 少し照れくさそうになり、なんだか夕陽でよけいにそう感じられた。確率からすればこの国にもう一組いるはずだが、松陽が保護者で周りに自分たちがいて、とんだ酔狂者ばかりが集まって。それが世界中のどこを探して他があるのだろう。唯一無二ではあるまいか!
 金時銀時。しかもそんなふざけた名前である。誰がつけたのだとふと考える。松陽か、双子にとっては赤の他人同様の親か。親か先生か。先生ならやりかねなかった。ふざけてはいるが、この名前が似合う人など他にはいないと高杉は初めて彼らの名前を呼んだ時、思った。もっともそれが五の歳も数えない頃なので金太郎の本名も金時だなんて知らなかったわけだが。名前は存在の証明であると、これも誰かの受け売りだ。だから果てには建物、橋、雲、風にまで名前を付ける。それもまた誰かの受け売りだ。

「そういえばさっき銀時が今日家に行って食べてもいいと言っておったぞ」
「はぁ?おまっ、俺がいつそう言った?!」
「マジでか!行く!行くアル!」
 何を思いついたか桂がぽつりとこぼし、松陽と自分と金時と時々自分達の胃袋を任されている銀時が反論する隙も与えずに神楽が騒ぎだし、瞬く間になーべ!なーべの大合唱となった。その中には桂のそーば!そーば!も混じっている。お前、それ狙いかというのはもはや今更で、とりあえずじゃあお前ら材料買って来いの号令で新八と神楽が敬礼を一つ、我先にと財布を引っ掴み走って行った。
 なんだそういうことか。たったそういうことか。直感的にいくつもいくつもあるその器官が一緒に動き始め、それがただ単純すぎて気づきもしなかっただけだと高杉は気付いて自分でも阿呆に思えてくる。
「…空にある星を一つ欲しいと思いませんか?か」
「思わない?そんなら、君と話をしない」
 続けられる引用に見やれば坂口安吾だな。また突然どうしたのだ?知らず滲んでいた汗をぬぐいとりながら桂が問うた。坂本が腕まくりしながら、このぬくいがやき、鍋もまた格別やかな。あははははと、誰を笑っているのか何を笑っているのかわからないような朗らかな笑いをこぼした。訊ねようとも、多分、返ってくるのはいや実はわしも知らんとの一言だ。
「いや、なんとなくなァ…」
「それにしても奇跡の塊、かぁ」
 その言葉が気に入ったようで、金時が何度も何度も転がした。奇跡の塊だって、銀時。まぶたを閉じ、ひばりの声と共に耳の中で何度もこだまするのを想像した。そうだみなもの波紋だと、ふと思った。文庫本の光の波である。あれは水面に広がる波紋そのものであった。爽やかに目に沁みるのは春を運ぶと言う彼岸西風に拭われた、白く濁ることもない現実であった。この風が過ぎれば冬の名残は消えるという。
 彼岸より此岸へ吹く風はひどく懐かしく暖かかく寂しかった。
「というか卒業式、来週か?」
「忘れるなよ。来週」
「卒業らぁて小学校ぶりじゃよ」
「そりゃあ、そうだろう」
 花が流れて影が交叉し、みなもが揺れて、鳥がなく。天辺よりの風が一陣吹けばいとも容易く破れそうな幻想じみた現実だ。
 紅が黄になり白になり藍になり紺になり青になりまた橙、赤となり。風車をまた、思い出した。
「卒業卒業言っても同じ高校だろうが」
「そっか高杉来月からもよろしくなー」
「あァ、よろしくしてやるぜ?」
「なんだよお前!」
 そこからは笑わずにはいられなかった。全くもって似合わないと思いながらも、愛しく思わずにはいられなかった。それは雲が流れるような、森が囁くような、磯が薫るような、山が鎮まるような、なんでもない感慨だ。なんでもない風景が切なかった。そこまで考えて、高杉は嗚呼ただこの時間が愛しいのだと簡単に理解した。
 すべらかな紙の表面には光の輪が波打ち、それを封じ込めるように本を閉じた。


 




2013・3/13


引用:坂口安吾『ピエロ伝道者』


――――――
灰高様へ捧げます。
「金時と銀時が双子もしくは兄弟設定の学パロ」とのリクエストでした。
格好いい中二病を目指しました(笑)
とても楽しい設定に想像が膨らんでゆくばかりで、これで高校で真選組と一緒でなんて考えたり、あれもこれもと詰め込んでいくうちにぐだぐだになりそして松陽先生が普通に生きている設定を勝手ながら独断で付け加えてしまいました。
リクエストに添えておりますでしょうか…?
気に入ってくだされば幸いです。





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