行き過ぎて後に[イキスギテアトニ]/あさき



淡く 身辺で行き交う
あきつ震えてる わらしべの空

背丈ほどある稲 かき分け 待ち合わせて
ふたりだけの場所さ

ゆらゆら 照れ笑うふたりなでる 金の散るは
ひゅうるり ひゅるり 風とかけっこさ

愛して 愛されて 明日見え隠れ

からたちの棘 指切り あをあを 両手でげんまん
きれいなお花が咲くころ
お迎えにいくぞ ずっとまってる

愛して 愛されて 光見え隠れ

枯るるもの また 青むもの
日のしずけさを待ち 踊ってる

果てで思いをり


そうだそうだ いいぞ

彼は本日もまた 精悍[セイカン]
あらあら ご立派ですよ 竹馬上手

転ぶ余地なく 並べられて 将棋倒し待つ
遺訓のためだから

その調子

ぐらぐら ふきだまる 落葉[ラクヨウ]越え すすめ すすめ
ひゅうるり ひゅるり ひとりかけっこさ

「見てろよ! そう! 希望に満ちた明日のため!」

小脇に(銃)抱え 日差しまとい弾けて跳んで
炎天の上へ上へと継ぐ足場の上 這いつくばって

勇猛(勇敢)な兵たりし日々 蟻の群れ
迷子の行く先 にわたずみ
浮き沈み自在さ ほら泳げ

風わたるたびに 音割れて空ろ

素晴らしい(腐りきった)この世界で見つけた 素敵な思い出(枸橘[カラタチ]の花)

同じ歩幅の合唱団「ららら るるる」

(きれいなお花が咲くころ)

そうさ いくぞ すぐに いくぞ(いくから)

たたら踏んで 先頭[サキ]にたって!

さあ すすめ すすめ
陽炎[カゲロウ]を積み 残し行く背中に 笑顔(悲鳴)が突き刺さる

ゆびきり あかあか 両手げんまん
並んであきつは歌うよ
(お迎えにいくさ ずっとまってる)

ららら るるる

からたちの棘 雲に突き刺さって
明日の言葉伝えてゆきぬ 間[アワイ] 喧騒[ケンソウ]が埋めて

鳴り止まぬ耳鳴りの中
花びら五枚 ゆびきりげんまん
腐った(照れ笑い)笑みを浮かべながら
ひとりぼっちでくたばって

ららららら

遠くで大きな音がしている
近くで大きな音がしている

いち に さん し ご
あなたとゆびきりげんまん
わたしとゆびきりげんまん
みんなでゆびきりげんまん

こんなはずじゃあなかったか
こんなはずじゃあなかった
おまえはただしいか

わたしはただしい

そうだ おまえはただしい

だからすすむのだ

すすめ すすめ それ すすめ




目次へ戻る
「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -