かなり変な子を拾いました [ 49/90 ]
「ロックス大丈夫?!」
悲鳴の聞こえた方に向かうと、そこは私が向かおうとしていた場所だった。
「く、くろのさま〜…」
扉を開けて飛び込んで来たのは、顔を真っ青にして今にも吐きそう(ギリギリ間に合った!)なロックス…をもぐもぐしている少年だった。
「やめなさい!ロックスは食べ物じゃないの!」
「にく……」
「違います!」
慌ててロックスを取り上げると、少年は親の敵を見るような目で、ロックスを催促してきた。普通に怖い。
「いったい何があったの?」
「にく……」
「君には聞いてないから。」
ロックスから話を聞こうとしたけど、少年の催促のせいで進みそうにないので、冷蔵庫にあった肉製品を適当に放ってみた。
調理してあげたいけど、後回しだ。
「実は……、何か皆さんにお作りしようかと考えていたら、その方が突然入ってきて、僕を掴んだと思ったら振り回して……」
「君は私か!」
「? ちがう」
ロックスの話を聞いた第一の感想(もといツッコミ)を言うと、普通に返された。
少し寂しい。
「そうしたかと思ったら、急に『にく…』と呟いて僕の頭を口に……」
「君は子犬か!」
「ちがう……」
かなり変な子を拾いました。
(なーんか、面倒事の予感だよ……)
(これ、おいしい。もっと)
(君は二歳児か!)