そう頷く君は、何を見てるの 
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「くっ……!」
「おそい…」

少年はサレの攻撃をゆらりとかわしながら、的確に技を当てようとしていく。
が、流石はサレというか、武器を使って受け流していた。

「凄い……」

シング君がそう呟いたのを聞いて、私は立ち上がった。
ぼーっとしてる場合じゃないよ。私だって、戦えるんだから……!

「ファイアボール!」

少年との戦いに集中していたせいか、私の攻撃はサレに初めて当たった。

「やった…!」
「き、さまぁああッ!」

が、サレは血走った目を私に向けて走ってきた。やば……!

「――よそみ、してるばあい?」

そう言った少年の声は、何故か上から聞こえた。
先程まで少年がいた場所を見ると、砂埃がたっているだけだった。

「ぐぁあ…ッ」

サレが叫んだ。
今までにない悲痛な声に驚きながら見ると、少年が身体を捻りながらサレを斬りつけていた。
サレを蹴るようにして、再び宙を舞い、回転しながら地に足をつけた。
まるで曲芸師のような動き……。

「もう、おわりにする?」

そう頷く君
何をみているの。

(貴方は、本当に緋色…?)


 
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