そうして、腕に力を入れた [ 20/90 ]
「クロノ、モフモフ族のこと気に入ったみたいだね」
「うん!モフモフだよ!」
カウンターの奥でラッコのような生き物が首を傾げた。
キュ?と言っている彼らはモフモフ族と言うらしい。
「モフモフしていい?モフモフしていい??」
キラキラした目で見つめると、つぶらな瞳を向けられた。
「ふぁああモフモフしてるよぅうう!モフモフーっ」
「キュキュ〜っ!」
くすぐったいのか身をよじるモフモフさん。
ああ可愛いーっ!
何だかんだで、ぬいぐるみとか好きな緋色も、彼らに会ったら歓喜するんじゃないかな!
(早く、見つけてあげるからねっ)
そうして、腕に力を入れた。(…………あれ、クロノ?)
((絶対見つける!))
(キュ…ゥ……)
(きゃぁあああッ!キュッポーっ!)