刀と主
設定。
刀剣達が歴史修正主義者達と過去で戦ってる間、現代で何かしらあっても可笑しくないよね?
って妄想から産まれた産物。
2200年、刀剣男士と審神者が過去で戦っている間に現代でも、修正主義者たちが歴史を改変した結果、その歪みが形を成し、『鬼』と呼ばれる存在が生まれ始める。
『鬼』とは妖物のような存在の為、霊感や霊力が無いと見ることが出来ない。
『鬼』は審神者としての能力がある者を襲っていくので、政府が危険と判断。(戦力が減るため)
しかし、まず見ることができないため討伐は不可能に近い。
かと言って過去で戦う審神者達を呼び戻してしまっては意味が無い。
しかも2200年現在、過去で刀剣男士として戦っている刀達の本体は抜くことが出来ず、審神者の力を持ってしても顕現することも出来ない。
そんな中『鬼』に襲われたある青年が絶対に抜けないとされていた石切丸を抜いて応戦。
その事例により、現代で抜けないとされてきた刀剣達は持ち主を選んでいることが石切丸本人により判明。
結果現代では様々な場所に保管されている刀剣本体の回収が始まった。
それから数年。44口見つかった刀剣の中で顕現されたのは31口。(その後も新しく実装されたことで増え続けている)
さらに過去にいる審神者の所でも鞘を抜けない刀剣が発生。
それはどれも既に現存しない刀だった。
政府はその刀剣を回収し、刀剣の主と成り得る者を探している。
・刀主
刀剣に選ばれた者の名称。
もともと霊力のある者もいれば、
選ばれた事によって刀剣男士の神気が流れ込み、霊力が目覚める者もいる。
選ばれる基準は特に無く、神様の気紛れ。
一番多いのは刀剣自身がその者を守りたいと思うこと。
刀主になると、身体の一部にそれぞれ刀の紋が浮かび上がる。
更に刀主になるには、刀剣男士に自分の真名を教えないといけないため、大変命懸け。
・刀剣男士
姿形は本家のまま。
ただし今回は戦闘出来る程まで実体化するのは刀主の霊力をかなり消費しないとならないため難しい。
よって現代では、刀主が生身で戦う。
但し、霊体としては存在しているため、霊感さえあれば一般人でも見ることができる。
刀剣男士は刀主の真名を握っている所からもわかるように、審神者(主)と刀剣(従)の関係とは違い、肉体的には刀剣(主)と刀主(従)の関係となる。
とは言っても刀の性質上持ち主に使われたいと思っているため、精神的には刀主(主)と刀剣(従)となる。
刀剣は刀主が死亡すると、共に折れてしまう。
てことで登場人物
*鶴峰 奏
鶴丸国永の主。
通称『戦場の赤』
毎回、真っ赤に染まって帰ってくるから。
ずば抜けて強い訳ではないがその分努力家。
(とはいっても周りが強すぎて目立たないだけ。一般的に見れば十分強い)
戦い方は基本に忠実な為、応用が利き、サポートが上手い。
普段は真面目だがたまに鶴丸と悪戯を仕掛けるお茶目な一面も。
実は初期メンバーの一人で古株。現在高2。
古株の割に総合成績が中の上程度なので新人政府職員にはよく馬鹿にされる。
が、他の古株メンバーは紅の努力も実力も知っているため鼻で笑っている。
演練の成績より実践の成績の方が良い、少し特殊な子。
三日月宗近の主とは先輩後輩の仲。
左の脇腹に紋がある。
『努力を止めたらそこまで。それ以上の成長はないよ』
『鶴さんの悪戯舐めちゃいかん』
『鶴峰、いざ参る!!』
*月霜 輝夜 (ツキシモ カグヤ)
三日月宗近の主。
『かぐや姫』
その美しさと名前から。
総合成績1位の実力者。
かなりの美人で、三日月と並ぶともう見れない。
戦い方は美しく、無駄が無い。
奏のサポート能力を買い、毎回チームを組んでいる。
この人も奏と同時期に選ばれた古株でついでに奏の中学時代の先輩。
項の少し下辺りに紋がある。
いつか三日月と縁側でお茶を飲むのが夢。
『あまり私の小鳥を虐めないでくださる?』
『いつか平和な世界で三日月と縁側でお茶を飲みながらお話したいわね』
『月霜、参ります!!』
とりあえずここまで。
因みに女性の刀主は31人中5人だけ。(今はもう少し増えてそう)
ついでに紋の設定はヤってるときにそこに口付けしてたら萌えるよねっていう妄想から産まれました。てへぺろ。(そもそも神様と交わっちゃあかんな)
あと刀主はなぜか刀剣の名前の一部が苗字か名前に入ってます。
・・*・・*・・*・・*・・
私は八年前両親を亡くした。
そんな私を引き取ってくれた祖父もつい先日、天寿を全うし静かに息を引き取った。
これで完全に私は一人になったのだが今は祖父の遺品整理の一環で蔵の整理をしている。
さて、このタイミングでどうかとも思うが私には昔からこの世の者でない者を見ることができた。そして、今その事を大変後悔している。
『ひっひひひひひっ』
目の前には三体の異形の存在。
これは死亡フラグとやらでは…と固まっていると異形が持っている刀を振り下ろした。
「くっ」
なんとか見切って回避するもこのままでは埒があかない。
必死に打開策を考えていると、ふと、さっき奥の方で綺麗な太刀を見た事を思い出した。多少は刀の扱いに学はあるが扱いきれるかは微妙なところだ。
しかしここで死にたくはない、となれば選択肢は一つだろう。
近くにあった燭台をはっ倒して隙を作り、走って太刀のところへ向かい、太刀を鞘から抜く。
すると白い刀身がさらに白く光り輝き、手から重みが消えた。
「よっ、鶴丸国永だ。俺みたいのが突然来て驚いたか?」
驚きました。
目の前には白く儚げな印象を受ける人が揺らめいていた。
しかも見た目と性格の不一致感が半端ない。
ポカンとしていると、鶴丸さん?の顔が険しくなった。
「随分と厄介な奴らがいるな」
「…力を貸して頂けますか?」
「勿論」
そう言うと彼は私に刀をもたせた。
「俺が言う通りに動け。大丈夫。君なら出来る」
ポンポンと頭を撫でられた。
息を吐きながら刀を構える。不思議と恐怖はなかった。
耳元で作戦を囁かれ頷く。
「今だ!」
鶴丸の声に一気に駆け出し、一番手前にいた、小柄な異形の首をはねる。
その間に近づいてきたもう一体の攻撃を避け、突っ込みながら柄の部分で腹を殴り、それで出来た隙に首をはねた。
そして、振り向きざまに背後に立っていた最後の異形の首を狙うも防がれた。
「ちっ」
舌打ちしながらバックステップで距離を取り構え直す。
(取り敢えず急所を狙えって…適当すぎない?)
そう思いながらも隙を探る。そして遂に相手が動いた。動きが読めれば…いける!
「はあぁぁぁぁぁっ!!」
懐に入り込み心臓を突いた。
「こりゃ、驚いた」
ずるりと刀を抜き取り、血を振り払う。
「っ…はぁ…」
詰めていた息を吐き、蹲る。
「お疲れ様…だな。よく頑張った」
ぎゅっと抱き締める力に肩の力が抜ける。
「さて、久しぶりに目覚めたが随分と嫌な空気が流れてるな」
やはり、ただの霊体では無いようだ。
「…あの、あなたは?」
「ん?さっき言った通り鶴丸国永。今君が持っている刀のつくも神さ」
「…神様?」
「驚いたか?」
「驚きました」
素直に返すと笑われた。
「素直で良い。やっぱりあいつの孫だな」
恐らく祖父のことなんだろう。
「さて、それではここで君に二つの選択肢だ。
一つ、俺を使い自分の身を守る。二つ、俺を使わずあの異形に怯え続ける。
因みに一つ目を選ばないと俺は君を守れない。
さぁ、どうする?」
目の前の鶴は笑っていた。
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