巡りゆく輪廻




※エウ゛ァQアナザーストーリー・もしも13号機のエントリーの壁がなかったらこうなっていたであろうカヲシン




「カヲル君っ!!」
手を伸ばすとその手はカヲル君の腕に届いた、僕はカヲル君の首にあるチョーカーを掴もうとする、けど、周りにある機械のせいで触れることが出来ない。
「なんで外れないんだよ!?外れろよ!外れろ…っ」
「シンジ君…」
カヲル君が僕の名前を呼び、そっと僕の頬を撫でる。
「カ…カヲル君っ、外せるんじゃないの!?早く外そう!?ねえ、カヲル君っ!!」
ガッ、とカヲル君の肩を掴み揺する、取れないのはわかってる、どうしようもないのも分かってる、でも−
「カヲル君が…死んじゃうなんて…そんなの…そんなの…っ」
カヲル君にしがみついたまま、僕の目からはぽたぽたと涙が零れる、一緒に連弾していた時も、星を見た時もカヲル君は笑っていて、真実を目の当たりにした僕に道を敷いて、手を引いて一緒に歩いてくれたのはカヲル君だった。カヲル君は僕の心の支えで、僕の−僕の−…
「…好き」
「!?」
「カヲル君…僕はカヲル君の事が好き…」
連弾で触れていた時から、何だか顔が熱くなったり、話しているとふわりと軽い気分になった、ああ、これが好きっていうのかな、って気付いたのはさっき手を繋いだときだった。僕はカヲル君の事が好き、だからお願い…どうか…
「置いて行かないで…何処へも行かないで…お願いだから……傍にいて…!!」
「シンジ…君」
困ったような顔をしながら、カヲル君は僕の背を撫でた。
「…大丈夫、大丈夫だよ、シンジ君…またきっと会えるから」
その顔は笑顔に変わり、もう一本のカヲル君の手が僕の涙を掬う。
「だから、そんな顔しないでよ」「カ…ヲル…君…っ!!」
「大丈夫だよ、希望はまだ残ってる」
そう言ってカヲル君は僕を抱きしめると、顔を近づけてきた。
「カヲル君…?−−−っ!!」
「ありがとうシンジ君、僕を愛してくれて−」
二つの唇が重なり、離れた時のカヲル君の笑顔は、はかなげで、でも、とても綺麗で、とにかく僕は一生忘れないと思う。
「っいやだ!!行かないで!!行かないでよ−−カヲル君!!!!」
そうして僕の叫びも虚しく、カヲル君は−

「うわあああああっ!!」

残された13号機の中央部、プラグからは、一人の少年がたくさんの返り血を浴び、首のない亡きがらを抱えて泣くこともできず…ただただ怯えていた。




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Qみてすぐに勢いだけで書いたカヲシン捏造小説。
カヲル君は生きてると信じさせてくれ!!って叫びながら書いてました。

「なんてね、冗談だよシンジ君」
とか言いながらくすくす笑って再登場するカヲル君に泣きながら抱き着くシンジ君なカヲシンを下さいシンエヴァで。無理な気しかしませんが。




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