piège-2 | ナノ


「はーい残念でした。こっち集中しようなー」
「ひぅっ、や、やだ…っ、あ、あぁあっ」
「なーなー、しゅうちゃんと最後にしたのいつ?」
「うっ、あ、や、あぁ、やぁ…っ」


先走りに濡れた自身と布が擦れてグチャグチャと音を立てる。
止まらない強い快感に、嫌だ、と頭を左右にゆるゆると振っていると、聞いてんのかよ、と頬を叩かれた。大したことのない強さだったけれど、不安と恐怖がないまぜになった状態の俺はそれにすら大きくビクついてしまう。答えろ、と低い声で言われると怖くなって口が開く。


「…っ、お、おととい…っ、ふ…、あ、」
「へー、思ったより最近だったわ。」
「マジでラブラブ。妬けちゃうなー」
「なぁ、どうせだしベッドでヤろうぜ」
「あー、それいい。興奮する。」
「……っ!」


恐ろしい提案に身を竦めていると、案内してよ、と腕を引っ張られて廊下へ引きずり出された。廊下の奥にあるはずの玄関のドアがとても近くにあるような錯覚に陥った。逃げられるかも、という気持ちが頭によぎった瞬間、俺の腕を握っている男の力が強くなった。脅迫のような痛みに唸りながら、リビングではない方の扉の前まで這いずる。男たちの手で扉が開けられ、早く、と髪を引っ張られながらベッドまで移動した。1人が枕元のリモコンを操作して部屋を明るくする。
へぇ、いつもここでセックスしてんだ、と言いながら男たちは掛け布団を床に落とすと、俺をベッドの上に放り投げた。抵抗する間も無く下着を脱がされ、丸裸になった下半身に茶髪が顔を埋める。


「あ、やっぱあった、ローション。」


ベッドの近くのチェストを漁っていた黒髪がローションボトルの蓋を開けながらこちらにやってくる。キャップを外して手のひらに大量に落としたかと思うと、すぐに俺の穴に塗りつけて中に指を入れた。


「っ、う゛ぅ、」


逃げ出したい衝動を押し殺して、腕で顔を隠して目をキツく瞑っても、現実が変わるわけなんてなかった。中を無遠慮に掻きまわす指は修ちゃんのとは全然違う。パニックになりかけた頭で必死に考えても、この2人を追い払う術が全く見つからなかった。



「おね、おねがぃします…っ、やめて、やめて…っ、二人のこと、だれにも、いわない、から…っ、ぉね、がい…します…おねがぃ…っ」
「なんかグダグダうるさいからもういれちゃっていい?」
「いーよいーよ、ローションこんだけあるし非処女なんだからそんな慣らさなくてもいけるっしょ。ほら、後ろ向いて奏多さん」
「ひ、いやっ、やだぁっ!ぅぐっ、んんんッ」


必死の懇願もあっけなく撥ね付けられ、うつ伏せに押し付けられた枕からふわっ、と修ちゃんの残り香がした。嫌だ、と思うと同時に入り口にピタ、とぬるついた熱いモノが押し付けられた。


「ン゛、ぅ、んんん゛ッ!!」


鼻腔を掠める修ちゃんの香りに、涙が止まらない。穴を指で左右に開かれてるのがわかる。わずかにあいたそこに捩じ込むように侵入されていく。いつも修ちゃんが時間をかけて優しく解してくれるそこは、ほとんど何もされていない状況ではとてもじゃないけれど人間のモノを受け入れることなんかできない。先端が少し入っただけで激痛が走り体が勝手に暴れ回る。


「キツ…っ、やっぱもうちょい慣らさなきゃ無理か」
「いやイケるイケる。ほら押さえとくから一気にやっちゃえよ。入ればこっちのもんっしょ」
「んんんん゛ッ!う゛ぐっ、ン゛ッ!!」


ペニスから逃げたくてシーツを掴んで前に這いずろうとする俺の頭と背中を茶髪が、震える腰を黒髪が力強く掴み押さえる。
少しずつ確実に中に入ってくるモノに、痛い、痛い、痛い、と頭の中でそれだけがグルグル回っていた。グポ、という音とともに尻にゴワゴワした陰毛と男の肌の体温が触れた。それはペニスが全て俺の中に収まりきったことを表している。茶髪の手が俺の体から離れると、酸素を求めて顔を前に上げ浅い呼吸を繰り返す。


「はぁ゛、あ゛ぅ、いだぃ、い゛たいぃ…っ」
「全部入ったねー。」
「動くぞ。」
「い、やぁ゛っ、いたぃ、あ゛、あぁあ゛ッ!」


腰を強く掴まれ揺さぶられるままに、ペニスがいったりきたりを繰り返す。まだ馴染んですらいない状態でのピストンに激痛が走り続け、ぼたぼたと枕に涙が落ちていく。


ピコン、


突然、場違いな軽快な音が耳についた。音の方を向き、目を見開く。茶髪がスマートホンのカメラをこちらに向けていた。さっきの音は録画開始の音だろう。後ろの激痛で頭に登っていた血が一気に引いていくのがわかった。


「や……ッ!!やめ、て、やだぁ゛っ!!」


咄嗟に顔を枕に埋めても、すぐに髪を引っ張られて横を向かされ、カメラに顔を晒してしまう。そのまま上から押さえつけられて頭を動かせなくなった。こちらを向き続けている黒いレンズに発狂しそうになる。


「いや゛ッ、とめて、やだぁ!!」
「奏多さんの初レイプ記念だよ?ちゃんと撮らなきゃ勿体ないじゃん」
「大丈夫だって。別に彼氏に送りつけたりするわけじゃねーから。」
「そうそう。個人的にあとで楽しむだけだから、ね?」
「や゛ーッ!!はな゛してっ、やだ、いやぁあ゛ッ!」
「チッ、声うるせぇ。近所迷惑だろ。」


黒髪がバタバタ暴れる俺の尻を叱るように手のひらで叩き、腕を引っ張って仰向けに転がした。結合部が捻れて悲鳴が漏れると、今度は頬をビンタされた。左手にスマホを持った茶髪の右手で口を塞がれながら、黒髪に膝裏を掴まれて正常位で揺さぶられる。


「ん゛ぅ、んんん゛、う゛っ、」
「どうせ口塞ぐならちんこの方がいいか。ちょっとカメラ交代。」
「へいへい。」
「ぷはっ、あ゛っ、いや゛…っ、ん、ん゛ーッ!?」


カメラを黒髪に渡すと同時に、口を塞いでいた手が離れた。横を向かされ、酸素を吸おうと大きく開いた口に間髪入れずに茶髪のペニスが一気に挿入される。息苦しさと不快感に舌で押して吐き出そうとすると諌めるように乳首をキツく摘まれた。


「んぶっ、ふぐっ!んんン゛ッ!」
「噛んだら撮ってるやつ彼氏に送るから。…ちょっと奏多さん下手くそすぎない?彼氏にフェラしてあげたことないの?」


そんなの何回もある。だけど大好きな人のモノを舌で愛撫するのと、レイプ魔のモノを無理矢理口に突っ込まれるのは全くの別物だ。ありがとう、奏多。とフェラの後に頭を撫でてくれる修ちゃんのことを想うとこの男たちに対する不快感と嫌悪感と恐怖心が増大する。茶髪の腹を両手で叩いたり爪で引っ掻いたりして引き剥がそうとすると首に手をかけられた。グッ、と軽く握り込まれ慌てて手を腹から離すと、膨らんだ頬をいい子いい子と撫でられた。
近くで聞こえるぶちゅぶちゅという水音と、遠くで聞こえるパンパンという肌がぶつかり合う音が混ざって、酔ったのか目が回って吐き気がこみ上げてくる。胎内のヒリヒリした痛みは感覚が麻痺してきたのか鈍くなってきた。
途中から痛みで萎えていた俺のペニスを黒髪が悪戯に弄り始めると、少しずつ快感がこみ上げてきて硬くなり、それを茶化され笑われた。


「あー、イきそう…、ちょっと体制変えるわ。」


黒髪は再びカメラをもう一人に渡すと、俺の膝裏を持ってそのまま顔の横に押し付けた。腰から下が宙に浮き、立ち上がった自分のものが顔に付く。屈辱的な体制に目をキツく瞑るとズドン、と重たい埋没に腹の奥が痙攣した。ほぼ真上から暴力的にペニスの出し入れを繰り返され、喉から悲鳴と呻きが突いて出る。汚い水音がすぐ間近から聴こえて気が狂いそうだった。


「ひぎっ、うあ゛っ、あぁあ゛っ、あ゛!」
「ちょ、いきなりそんなんして大丈夫?壊すなよまだまだ使うんだから。」
「んぁ゛っ、やぁあ、ひ、ッ!!」


一際大きく抜き差しをされた瞬間、グリ、と抉られたそこは、随分前から自覚しているナカの性感帯だった。亀頭の先端がそのしこりを押した途端、全身に快感が走り、目の前がチカチカした。いやだ、と思った時には俺は自分の顔にドロドロした白い液体を吐き出していた。ほとんど同時に黒髪の低い呻きのような吐息が聞こえ、腹の奥が濡れていく感覚がした。
嘘だ。無理やりされてるのに、気持ちよくないのに、なんで。


「あれ…、奏多さんもしかしてイった?」
「…っ、ぅ、ひぐ…っ、」


中からズルリとモノが抜かれ、浮いていた腰がベッドに沈む。自分の出したものがかかったドロドロの顔を見られたくなくて、腕で隠そうとするとすぐに捕まり剥がされてしまった。顎を掴まれカメラの方を向かされる。


「セルフ顔射エロ


精液を指で絡めとり口の中に押し込まれた。口に広がる青臭い匂いと苦味、そして後ろの穴から体液が垂れてくる感覚に、情けなくて悔しくて嗚咽が止まらない。


「しゅうちゃんに謝らなきゃ。ほら、カメラに向かってさぁ、『他の男のおちんちんでイっちゃってごめんなさい』って。」
「いや…っ!や…っ、う、うえぇ…っ」


腕を掴む手を振り払うと、あっさりと拘束が解かれる。口の中に入った精液を吐き出そうとえづくと、唇の端からポタポタとシーツの上に落ちた。


「も…っ、おわ、っ、から…っ、ひっく、帰って…帰ってください…っ!!」
「は?何言ってんの?俺まだしてないじゃん。ていうか一人一回で終わると思ってる?」
「いや、いや゛っ、」


茶髪がカメラを持ったまま、黒髪とポジションを交代して俺の足を開く。ドロドロになった穴に指を入れられた瞬間、俺の精神が限界を迎えた。


「ひっ、もぉやだっ、やだぁああッ!!しゅうちゃ、修ちゃん゛ッ!!」
「………」
「なん、で、助けてくれな、の…ッ、もぉやだぁあッ、たすけてっ、助けてよぉ゛…ッ!しゅうちゃ、う、うぁあ゛…ッ!」



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