Cage 3-3 | ナノ


只事じゃない気配に焦った様子の黒田がドアを叩いて優を呼んだ。


「うぁ゛、んぐ、んん、や、やぁあ゛っ!!」
「おい、佐倉!!」
「あ゛っ、くろ、〜〜〜ッ!!や、やだ、あ、たす、たすけ…………っ!!」



たすけて、と悲鳴をあげる直前で優の口を手で塞ぐ。ピストンを止めて耳元に唇を寄せ小声で囁いた。


「助けて?いいの?こんな格好黒田に見られても。優がいいって言うならドア開けようか。」
「ーーーーーーッ!!」


言い終わる前に優の口から離した手をドアノブの下の鍵に伸ばすと、優の体が今まで以上に激しく暴れ出した。無駄だとわかっているはずなのに、体全体を使って手錠を外そうと躍起になる。ガタガタと派手に音を立てるドアに黒田も声を荒げた。


「佐倉ッ!!」


バーーカ。誰がテメェなんかに見せるかよ。こんなに可愛くてやらしい優を俺以外に見せてたまるか。声を聞かれてるだけでもイライラしてるっていうのに。
鍵を開ける気なんてさらさらなかったけれど、俺がノズルを摘んだ瞬間、優が叫んだ。



「ッ、帰れよ黒田ッ!!!!」



悲鳴のような甲高い絶叫に、黒田が面食らったのがドア越しでもわかった。



「さく、ら……いや、でも」
「だい、じょ、ぶだって、言ってるだろッ!!しつこいんだよ!!!かえれ……っ、かえれぇ!!!」



涙と涎を撒き散らかしながら、激怒したような声色で叫び、頭を数回扉に打ち付けた優は、黒田の声が止むと、ぜぇぜぇと肩で息をしてうなだれる。しばらくの静寂の後、廊下から低く申し訳なさそうな声がした。



「………ごめん。」



その言葉だけを残して黒田の足音は遠ざかっていった。



「はぁ……っ、あ、……」
「優、よくできたね」



鍵から手を離し優の頭を撫でてあげると、堰を切ったように声をあげてまた泣き出した。



「うぇぇん…っ、ひっ、う、うぁぁああ…えぅ、ひぐっ、……っ」
「そんなに俺以外にえっちなとこ見られるの嫌だった?ほんとにかわいいね、優は……」


繋がったまま優の体を背後から抱えてドアから離れると、廊下の床に倒す。顔を床にべちゃっとくっ付けて泣く優の上半身に自分の上半身を上から重ねて、顔中の涙と涎と鼻水を舌で舐めとった。その体勢のまま腰だけを動かしてギチギチに狭い優の直腸を犯していく。無理矢理に挿入したにもかかわらず、すでに俺のペニスはすっかり馴染んで動かしやすくなっていた。中を突くリズムに合わせて細かい喘ぎ声が響いた。


「ぅあ゛っ、あっ、や、ひぅ、うぅ、やぁぁ…」
「やーじゃないでしょ」
「あ゛ーーっ、あっ、あん、もぉ、い、いぁっ、あ゛ああぁ゛……っ!!!」



上半身を起こして優から一度離れ、両手にかかった手錠の鎖を引っ張って持ち上げる。弓なりになった優の背中やうなじにキスをしながらピストンのスピードを早めた。前立腺は腹側にあると知ったのは大分前だった。最近はネットでなんでも調べられるのでとても便利だ。抉るように中から腹を突くと優の声はますます大きくなる。
ドアにもたれかかっていた時ほどではないにせよ、ここもなかなか外に声が漏れやすい場所だというのに、そんなこと頭から抜け落ちてしまっている様子の優は喉を反らせて乱れる。立派とは言い難い目の前のドアと鍵だけが、外の世界と俺たちとの間を切り離す存在だった。肌と肌がぶつかる音に遮られてしまわないように、優の耳元に唇を寄せる。


「優…、はぁっ、優、優……っ」
「っふぐ、うあ、あっ、あ、やぁあっ、あっ!」
「優、ねぇ、子ども作ろうか、ここにいっぱい種付けしてあげるから、さ、赤ちゃん、産んでよ、ねぇ、二人の子ども、優もほしいよね?」
「ひっ、ひぃ、い、いぁっ、いやぁぁ!!」
「赤ちゃん、つくろう?優も子どもも大切にするから…ね、産んでよ、っ、優……」


今まさに中をグチャグチャにされている優の下腹部を、手のひらで優しく撫でた。薄い筋肉のついたソコは中を突き上げるたびに痙攣を起こしたように震える。首を左右に振る優の顎を掴んでこちらを向かせると、俺の言葉がよっぽど嬉しかったのか、顔も目も真っ赤にして号泣していた。


言いながら、なんで今まで気づかなかったんだろう、と思った。そうだ、子どもを作ろう。天涯孤独な優に、新しい家族を作ってあげよう。
優を抱くのは今日が三回目だけど、一度もゴムなんてつけたことは無い。おまけに毎回中に出してる。妊娠しない方がおかしい。二人の愛の結晶ができたら、どんなに幸せだろうか。さっき優の口に出してしまわなくてよかった。これから俺のザーメンは、一滴残らず優のお腹の奥に注いであげないといけない。思わず腰の動きも速まっていく。


「あんっ、んんぅっ!!やぁ゛っ、やぁあぁぁっ!!!」



こんなに夏休みに胸躍ったのは生まれて初めてかもしれない。学校に行かず、毎日優と一緒に過ごせるなんて夢のようだった。ここには俺たちを邪魔するものは何も無い。夏休み中に子どもを作ろう。そうすればきっとなにもかも完璧だ。



「頑張って赤ちゃん産もうね、優、」



優しく言葉を耳に流し込みながら射精すると、胎内がぎゅうぅ、と狭くなった気がした。俺にはそれが優の返事のように思えて、ひどく嬉しかった。




end.
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