ange | ナノ
天使/微リョナ/輪姦/暴力






「どうしよう…どうしよう…」


冬の寒い日、人で賑わう繁華街の脇の路地裏で一人の少年が蹲っていた。人間で言えば13〜14歳程度の体に金と白の中間ほどの色をした髪、肌は雪のように白かった。目鼻立ちはハッキリしていて西洋絵画の中の人物のようだが、長いまつ毛に縁取られた目は丸くどこかアジアの子ども風な感じもする。道ゆく人は当たり前のように全員コートを着ているのに、少年だけはシルクの布を一枚、申し訳程度に体に纏っているだけだ。
何より特筆すべきは背中に生えた大きな羽根。肌との境目はハッキリとせず、羽根と背中はごく自然に繋がっていた。肌触りの良さそうな上質な羽根だが、一部は禿げ、本来純白であるはずのそれは全体的にくすんでしまっている。



「さむい……」


少年は天界から間抜けにも落っこちてしまった未熟な天使だった。人間界に降りて仕事をするまでに学ぶ様々なスキルを全て習得しきっていない学生天使で、人間に対する姿の消し方はまだ習っていない。羽根の生えた自分が人に見つかればきっと大騒ぎになってしまうだろうと、落ちて着地したこの路地裏から動けずにいた。おまけに落ちた時に羽根を痛めたのか飛んで戻ることもできず途方に暮れてしまう。
期待できるのは仲間が自分が落ちたことに気づいて助けに来てくれるか、しばらく休んだら自分で飛べるようになるまで羽根が治るかの二つだけだ。
体を小さく折り曲げて、天使はじっと耐えた。何も纏っていない手や足が先の方からの冷えて痛みだした。人間並みに感覚器官の発達した体が今回は凶に転んでしまったようだ。
優しい母親と二人の兄に可愛がられて育った天使は根っからの末っ子気質で、こんな困難に直面するのは初めてだった。心細さに涙が滲むのを手で拭う。


大通りの喧騒が嘘のようにこの路地裏は静かだった。横幅が特別狭いわけでもないが建物と建物の間の狭いスペースには店から出たゴミが積み重ねられたり、室外機が置いてあるだけで人通りが殆ど無い。




「…ぃゃ…!やめてください…!たすけてっ」
「……?」


目を閉じて膝を抱え座っていた天使の耳に女性の声が届いた。誰か来たのかな、と慌てて姿を隠そうとするが、よく聞くと女性の声は悲鳴混じりだった。こっそり声のする方を覗くと、5〜6人の男が一人の女性を取り囲み体を撫で回していた。
純真無垢で下界のことにまだ疎い少年の頭に強姦などという言葉はなかったが、女性が嫌がっていることは明らかだった。助けなきゃ、と震える体に鞭を打って走りだし、男たちのもとに躍り出ると、少年は声を振り絞って叫んだ。


「…あの!や、やめてあげてくださいっ」


全員の視線が天使に集まる。その現実離れした容姿に男たちは驚きの声を上げ、女性はその隙に逃げ出して大通りに消えていった。


「うわっ、何コイツ!?」
「なんだよ、仮装パーティでもあんのか?」
「つーか女逃がしてんじゃねーよ!」


男たちがわらわらと少年の周りを取り囲む。自分より遥かに体格のいい男たちに見下ろされ、本物の人間と対峙するのは始めてだった天使は狼狽えた。それでも女性を逃がしたことを責められているのははっきり感じ取った少年は震えながら謝罪する。


「あの、あの…っ、ぼく、…ご、ごめんなさい…」
「どーしてくれんだよ、せっかく捕まえたのによぉ」
「でも…女の人嫌がってたから…」
「ったりめーだろ!これからレイプすることだったんだからな」
「れ…ぃ、ぷ?」

聞いたことのない単語に頭を傾げると男は「ガキにはわかんねーか」と鼻で笑った。いつの間にか両腕を捕まれ逃げられなくなってしまった天使の羽根を不躾に触り観察していた男が感嘆の声をあげる。


「つーかこの羽根ホンモノじゃん、背中から生えてんだけど!」
「マジかよ!?」


促されて全員が羽根の生え際をべたべた触り、それが背中から直接生えていることを確認した。デリケートな部分を好き勝手に触られて少年は少し気持ちが悪くなった。透き通るような白い肌や浮世離れした容姿にも視線が突き刺さる。


「うわ、マジだわ」
「俺ファンタジーは信じない主義なんですけど」
「これってつまり…天使?」


コクコクと頷いて男たちを見上げる少年の目に嘘はなかった。羽根までじっくり見られた以上もう言い逃れはできないと覚悟を決め、しどろもどろになりながら今の自分状況を説明しようと必死に口を動かす。一人でいるのは心細いが柄の悪い男たちに囲まれているほうがよっぽど不安で、逃げ出したい衝動に駆られた。


「あの…空から、おっこちちゃって…、だから、あの…」
「なにそれ、ドジっ子天使?」
「萌え萌えー」
「つーか女はどうすんだよ、溜まってんだけど」
「じゃあもうコイツでいいわ、とっととやろーぜ」

腕を掴んでいた男たちが地面に少年を叩きつける。衝撃で羽が数枚抜けて周りに散ってしまった。困惑して男たちを見上げる天使の背中や肩を靴の先が突ついた。


「おら、さっさと股開け」
「えっ…あの、え…?」
「さっさとしろよ!!」
「ひっ、あ…っ、ごめんなさい…っ」

男の怒号に体を跳ねさせ、恐る恐る足を左右に開いて様子を伺う。男たちはしゃがみ込んで天使の体を囲い、すべすべな手や足、腹を撫で回した。


「この布だけか?」
「コイツ下着つけてねーし」
「楽でいいじゃん」

唯一体に纏っていた布を剥ぎ取られ、全裸にされると怯えているだけだった少年も、何か恐ろしいことをされると察知し手足をバタつかせる。

「やっ、いや!やめてくださいっ!」

布を握りしめ取り替えそうともがいても争奪に敗れ体を隠すものが無くなってしまうと、周りから身を守るように体を丸め固く目を瞑る。


「やだぁ、な、なにするんですか…っ?」
「何って、セックスだよ」
「せっ…!」


まだ未成熟な天使もその単語には聞き覚えがあった。種族が子孫を残すために体と体を重ねることだと習ったことがある。しかしそれはあくまで子を宿すための神聖な行為で、快楽だけを追い求めた異種間での性行為は重罪だ。人間や悪魔、動物と交わった天使は神の裁判にかけられ厳しく罰せられてしまう。天使の目に焦りと恐怖が宿った。


「やだやだやだっ、やめて、やめてくださいっ!だめ、だめです!」
「ダメじゃねーよ、やるんだよ。ほら、足閉じんな」
「いやっ、いやぁ!!」


一人の男に背後から羽交い締めにされ、男たちの手が無遠慮に体を這い回る。群がる男たちを跳ね避けようと手足を激しく暴れさせるが人数の多さに抑えられた。四方から伸びた手に揉みくちゃにされ、乳首を執拗に摘ままれる。


「女みてーな体だなァ」
「性別曖昧なのかも」
「でもちんこはちゃんと付いてんのな」
「やだっ、はなしてくださいっ!ひっ…」


小ぶりなペニスに手が伸び体が固まる。羽根を大きく羽ばたかせて男たちを払い除けようとしてもすぐに押さえつけられ、脅すように折り曲げるふりをされると恐怖に慄き力が入らなくなった。
気づくと一人の男が天使の顔の前に仁王立ちになり、ペニスを口元に押し付けた。


「おら、口開けろ」
「ひっ、いや、うぐっ、んぅ、んんんんん゛っ!!」

無理やり口の中に不浄なものを捻じ込まれ苦味と青臭さに嫌悪感と不快感が高まる。天使が拳で男の腹を叩いて抵抗すると頭を小突かれた。


「ちゃんと舐めろよ、これが今からお前のケツに入るんだからな」
「んんんぐっ、ひぐ、うっ、いぁっ!」


頭を振り乱してペニスから逃れても顔の周りでスタンバイしている他の男たちのペニスがすかさず侵入し口内で暴れた。息つく間も無く次から次へとフェラを強要され天使は頭が上手く回らなくなった。逃げ出さないといけないのに弱った体はいつもの半分も言うことを聞かず男たちにいいようにされてしまう。
口からあぶれたペニスたちは自分を慰める箇所を探し天使の身体中を彷徨った。一人は手に握らせ扱かせ、もう一人は髪に擦り付け、更には両方の羽根をくっつけ重ねてその間にペニスを挟み抜き差しを繰り返して楽しんだ。熱くてぬるぬるのペニスの感触に鳥肌が立つ。


「すごくね、コレ。羽根コキ」
「羽根コキとか!うけるわ〜」
「んぶっ、うぇ、ひぐ、んんぅ、んん゛ー…ッ」
「しっかしフェラは下手くそだな、もう突っ込むか」

男たちが天使の口や手からペニスを引き抜き、苦しい圧迫から開放される。
天使は息つく暇もなくうつ伏せに押さえつけられ一人に腰を抱えられた。男がペニスを扱きながら近づき、先端をアナルにぬるぬると擦り付けているのに気づくと半狂乱になって天使は暴れた。
おとなしくしろと頬を殴られ尻を叩かれても、痛みより犯される恐怖が上回り抵抗は続いた。泣き叫び悲痛な声をあげて制止を訴えても興奮して猛った男のペニスが離れる様子はない。


「お願いしますッ、だめ、いやっ!!か、神様がっ、見てる…っ」
「見てもらえよ、人間に犯されるところたーっぷりな」
「いやっ、いやーーっ!!おかさ、ないれ、いれな、いや、いぁぁあああ゛ッ!!」


人間に犯されたら自分は天使でなくなってしまうかもしれない。天界にいる家族や友人たちの顔が頭に過った。激しい抵抗に拘束の力が強くなり、羽根も動かないように背面に固定される。ずぶりと後ろに刺し込まれる感覚に喉が痙攣して悲鳴をあげた。


「やだぁあぁぁああ゛あ゛!!」


空気を切り裂くような天使の絶叫に男たちは顔を顰めて耳を塞いだ。


「うっせーな、黙って腰振れよ」
「あぎぃっ、いぁ゛っ!!」


体を傷つけないため適応に特化した肉体は後ろの穴を限界まで広げ男のペニスをすんなり受け入れてしまった。
体の芯を汚される感触に腰が抜け倒れそうになるが男はそれを許さず、よりしっかりと腰を抱えて深くまで雄を埋没する。
熱く溶けてぐねぐね蠢きペニスを締め付ける中に刺激され、男は快感を高めながらピストンを繰り返すが、禁忌を犯したショックで顔を真っ青にして震える天使にこの行為から快楽を見つける余裕はなかった。


「はひっ、はう…っ、あ、あぉ゛…っ、」
「ほらちゃんと腰振れ」


地面に頬を擦り付けて粗い呼吸を繰り返して酸素を必死に取り込む。ぱくぱくと大きく開いて喘ぐ天使の口に砂や埃が入りじゃりじゃりと音を立てて脳みそに響いた。涙やよだれで濡れた顔にも土が付き純真無垢だった桃色の頬を汚す。


「あっ、ひぃッ、う、うぅぅ゛!!」
「すっげー…中ぐちょぐちょ。女みてーだな」


身を守るために中からぬるぬるとした体液を生み出し滑りをよくする天使の肛門内は女の性器によく似ていた。体を内側から激しく突き上げられ揺れる天使の体躯からせり上がったような悲鳴に似た喘ぎ声が路地裏に木霊する。


「ぁ゛あ゛ッ、やだぁぁ、ぬい、ぬい゛でぐださぃ゛っ、いや゛ぁあッ!!」
「おい口塞げよ、うるさいんだけど」
「オラッ、これでも咥えてろ」
「んんん゛ぉ、じゅぶ、んぐぅぅ!!」


髪を掴まれ力任せに持ち上げられ、地面に伏せていた顔が上を向く。すかさず口にペニスが捻じ込まれ悲鳴がくぐもった呻きに変わった。
上半身全体が持ち上がるくらいに強い力で引っ張られ頭皮がひどく痛んだ。
体を支えるものを求めて手を伸ばし、男の腰に縋るように抱きつく。後ろからの突き上げに揺さぶられながら口の中を男のペニスに犯され、鼻水と涙が混ざった液体が顎を伝って地面にボタボタ落ちて染みを作った。

「あー…、やばい、奥突くとすげー締まる…」
「んぐっ、ぐッ、ふぎっ、〜〜〜ッ!!!」
「…痛っ、おい!!噛んでんじゃねーよ、殺すぞ!!」
「うあ゛っ、ひぎゃッ!!い゛あ、ぁぁああぁあ゛!」


中を一際激しく抉られた衝撃に天使が思わず歯に力を入れてしまい、男のペニスに噛み付くような形になってしまった。怒った男がペニスを引き抜き天使の腹を力いっぱい蹴り飛ばすと、中に挿入されているペニスのせいでうっすら膨れた腹が痙攣して直腸もヒクつく。蹴られたショックで口を大きく開けて絶叫する天使に向かい、それまで肌にペニスを擦り付け自慰をしていた一人が精液を大量に吐き出した。


「っ!?やだっ、なに、これぇ…ッ!!ひぃい゛っ」
「ザーメンだよ、ザーメン。今ケツの中にも注いでやるからな…ッ」
「ひぅ゛っ、やぁーッ!ぅぁあぁぁああ゛ん゛!!」


男がブルブルと震えて胎内に射精するとようやくペニスが引き抜かれた。地面に這いつくばるように倒れた天使は全身からの不快感にえづくが口からは何も出ず、乾いた呼吸の音と肛門から垂れ流しになっているドロドロの液体の感触だけがリアルだった。羽根も力なく萎びてピクリとも動かない。


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