スダテ(R18)


目を開けると見覚えの無い天井が視界に入った。
確か自分は前線で主と共に魁として戦っていたはずだった。
それがなぜ呑気に寝ているのか・・・。

「よぉ、お目覚めかよ。」

突然掛けられた声に佐助は瞬時に身を起こし、部屋の隅まで跳躍した。

「ぐっ・・・・。」

肩口に鋭い痛みを感じ、思わず声が漏れ出る。
見ると肩には布が巻かれ、血が滲み出ていた。

「あんまり動かさねぇほうがいいと思うけどな。」
「あんた・・・」

佐助は声の主を見て、意外な人物である事に驚く。
それは奥州の独眼竜・伊達政宗であった。

「なんだってこんな所にいるんだよ。」
「Ah?単なる気まぐれだ。」
「・・・・ふーん、味方でもない忍を助けるなんて酔狂だね・・・。」

佐助の皮肉を交えた言葉を政宗は笑い飛ばす。

「俺の目の前に転がっていたから拾ったまでさ。」

政宗の発言を聞き、佐助はまだ若干ぼやけている思考を働かす。
確か自分は敵勢の忍と混戦していたはずだった。
やっと最後の一人を倒した時に、不覚ながらも肩に傷を負ってしまったのを思い出す。
それが只の傷なら問題ないのだが、相手の刃には毒が塗られていたようだった。
しかも普通の毒ではなかったらしい。
あらゆる毒の耐性ができている佐助の体だが、新種の毒にはやはり太刀打ちはできない。
ある程度の防御はできても、意識を保つまではできなかったらしい。
しかし、今は傷口の痛み以外体に異常は見られなかった。

「独眼竜、もしかして・・・手当をしてくれたのか?」
「・・・・・HA、気まぐれだ。」

政宗の答えに佐助はなんとも言えない気持ちになった。
実はそういう気持ちになるのは初めてではない。

敵として相見える時も、主・幸村と一騎討ちをしているのを傍らで見守る時もそういう事になったのは何度かあった。
その感情が何なのか、佐助自身分かっていた。
だが、それを拭い去るようにわざと反対の行動を取るようにしておいた。なのにこの男は―――――――。

佐助は観念したように深い溜息を吐いた。

「どうした?そんなに俺に手当されたのが屈辱か?」
「・・・いや、そんなんじゃない。」
「だったら何だよ。盛大に溜息吐きやがって。」

「独眼竜。」

佐助は立ち上がると、ゆっくりとした足取りで政宗に近付く。
目の前まで来ると、その場に膝を付いた。

「何だよ・・・。」

政宗は佐助を訝しげに見つめた。
佐助は何も言わず隻眼を見つめる。
その瞳は灰色だが青みがかかっているようで、宝玉のような輝きを放っていた。

そして自然と佐助は自分の気持ちを口に出していた。

「好きだ。」

「・・・・・・・・What・・・?」
「俺はあんたが好きだ。」
「なっ・・・・。」

佐助の突然の告白に政宗は心底驚いた表情を見せた。
その様に佐助は軽く吹き出す。
滅多に見られない表情を見て儲け物だと思った。

「か、からかうのも大概にしろよ!」
「からかってなんかないよ。忍だってたまには本音を言いたくなる。」
「・・・・・・・。」

佐助の言葉に政宗は動揺を隠しきれず頬がほんのり紅くなる。

「ま、そういう事だからさ、あんまり俺様に優しくすると調子に乗っちゃうよ?」
「・・・・。」
「手当してくれて感謝するよ。このお礼はいずれ。じゃあ俺様は旦那の所に戻るよ。」

佐助はそう言うと、出口の方に歩き出す。
すると政宗が口を開いた。

「・・・・wait・・、待てよ。」

背後に聞こえた低い声に佐助はゆっくりと振り返った。
見ると政宗は先程の焦った表情とは違い、やけに好戦的なものに変わっていた。

「テメェの気持ちだけ勝手に喋ってとっとと帰りやがるとは、いい度胸じゃねぇか。」
「・・・・へぇ・・。」

佐助は興味深そうに目を細めた。
政宗は勢いよく立ち上がると、ずかずかと佐助の目の前まで近付きぐいっと胸ぐらを掴んだ。

「”次”なんざ無ぇぜ。礼をしたいなら今すぐしていきやがれ。」

そう言うやいなや、噛みつくように唇を重ねた。



薄暗い部屋に布擦れの音が響く。
佐助は政宗の重装備を難なく解き、残りは下帯一枚になった。
佐助も肌の色は白い方だが、政宗の方はさらに白くまるで新雪のようだった。
誘われるように首筋に口付けをし、舌を這わせる。
政宗の体が小さく跳ねた。
下帯の端に指を掛け、ゆっくりと剥ぎ取る。

「嬉しいねぇ。ちゃんと反応してくれて。」

政宗のものは若干頭をもたげており、それを佐助は軽く撫で上げた。

「る、せぇ。」
「相変わらずの口ぶりだなぁ。」

政宗のものを握り込むと上下に動かし始める。

「ぅ・・・あっ・・!」

手の中のものは一気に硬さを増し、程なくすると先端からは透明なものが滲み出てきた。
それが佐助の手の中に滑り込み、摩擦で生じる音が政宗の耳にやけに響く。
切なげに眉を寄せる政宗の表情は佐助をさらに昂ぶらせた。
手の動きが一段と早くなる。

「お、おい!そんな・・・あっ・・・したらっ・・・!」
「いいよ、一回出しときなよ。」
「あっ・・・くっ・・・」

強すぎる刺激は政宗を一気に高みへとのぼらせる。
しばらくすると佐助の手の中にある政宗のものは一際大きさを増した。

「・・・・あっ、はっ・・駄目だっ・・・!」

政宗は小さくそう呟くと、全身を強ばらせ勢いよく吐精した。
白い滴が佐助の手と辺りにぱたぱたと散らばった。
全てを出し終えると政宗は息も絶え絶えになり、全身から力が抜ける。
佐助はそれを片手で軽々と支えた。

「て、テメェ・・・ずっと俺の顔見やがって・・・。」

肩で息をしながら佐助の顔を鋭い隻眼で睨む。
佐助はさして気にもしてない風ににへら、と笑った。

「だってあんたの表情があまりにもいやらしいからさぁ。」
「HA・・・、そういうアンタは獣のような顔してたぜ。いつもは嘘くせぇ笑顔貼り付けてるくせによぉ。」
「獣、ねぇ。優秀な忍にそういう顔させたのはあんたのせいだよ。」
「そうかよ・・・。」

政宗は満足そうにニィと笑い、佐助の首に腕を回して啄むような口付けをした。
こちらが攻めているのに少し負けたような気がする佐助は、自分の手の中にある政宗の欲を少し乱暴に後孔に塗りつける。
政宗は突然のあらぬ所への刺激に唇を離し、隻眼を見開いた。

「お返し〜♪痛かった?」
「・・・・チッ、問題無ぇ。」
「そんな不安そうな顔しないでよぉ。ちゃーんと優しくするからさ。」
「ばっ・・!いい加減な事言うな!いいからさっさと続きをしろ!」
「はいは〜い。んじゃ続けるよ。」

政宗の額に一つ優しく口付けを落とすと、二本の指の腹でゆっくりと入り口を解していく。
佐助の肩をぎゅっと掴むその手がいじらしい。
だいぶ柔らかくなったところでいよいよ指を入れる。

「ぅ・・・・」

ぴくりと体が動き、小さく呻き声を出す。

「大丈夫?」

佐助の問いに政宗はこくりと頷き返した。
政宗の中は思いの外熱く、きゅっと指に絡み付く感触が絶え間なく感じる。
一本で丁寧に解し、続いてもう一本増やす。
異物感が大分収まったのか、政宗の口からは時折快楽の声が小さく漏れ出ていた。
顔を覗き込むと耐え抜くように目をきつく瞑り、頬を紅潮させている。

(やばいなぁー・・・)

普段の勇ましさと反する表情に、佐助は焦燥に駆られる。
それを察したのか、政宗は佐助の耳元に顔を近付け囁いた。

「いいぜ?・・・来いよ。」

その声はこの上なく妖艶で、思わず息を呑む。

自分の心が見透かされているようで頬に熱が集中した。
佐助は無言のまま自身のものを取り出すと政宗の後孔に宛がった。
ちら、と政宗の顔を見ると相変わらずの表情で、なんだか癪に障る。
佐助は奥歯をぎりりと鳴らすと、有無を言わさず腰を押し進めた。

「・・・・・ぅ・・・」

傍らに脱ぎ捨ててあった陣羽織を握りしめる指が白くなる。

「あ、・・・・・ッう・・・・、ぁ!」

ようやく奥まで行きあたり、佐助は息を漏らす。
――――少し乱暴だったか。
未だ苦しそうな表情を浮かべる政宗を優しく抱きしめた。

「大丈夫?やめようか?」
「・・問題無ねぇ・・。それに、やめろって言ってもアンタはやめねぇだろ?」
「・・・・・ご明察。」
「だったら早く俺をよくしてみやがれ。」
「じゃあ俺様頑張っちゃおうかなー。」

佐助は笑顔で返すと、政宗の中心に手をのばす。
まだ先程の余韻が残っているのか軽く熱を持っていた。
そのまま撫でるように指を絡め、ゆっくり律動を開始する。

「あ、・・・・い・・・・」

苦しげに掠れた声を出すが、佐助にはそれさえどんな媚薬よりも興奮した。
今すぐ滅茶苦茶にしたいのを抑えながら、傷つけないように動く。
その行為に佐助自身驚く。
正直今までの相手にこんな優しさを含んで抱いたことは無かった。
そこまでこの竜に惚れているのか―――――。

(忍が聞いて呆れるぜ・・・。)

佐助は自嘲気味に口端を上げ微かに笑った。
すると下から腕が伸び、耳を思いっきり引っ張られる。

「イタタタタタタタタっ!!ちょ、何すんの?!」
「うるせ・・ぇ。考え事するとは・・いい度胸じゃねぇか。」
「え・・・何・・・?」
「・・・・・チッ・・。」

政宗は舌打ちだけすると何も言わずにそっぽを向いた。
これはもしかして・・・。
政宗が言わんとしている事が何となく分かり、佐助の指に力が入った。
無性に愛しくなり、深く口付けをする。

「んっ・・・・ふ・・・・」

鼻から抜ける甘い声に背筋が粟立つ。
舌を絡め、擦り合わせるように歯列をなぞり、また絡めながら薄い唇を舐めた。
唇を離すと政宗は短く呼吸を繰り返している。

「ホントやめて、そういうの。」
「・・・Ah?」

「俺様の頭の中はあんたで一杯だってこと!」

佐助はそう言うと、腰の動きと政宗への愛撫を再開した。

「ッあ、ん、あ・・・あっ!」

堪らず政宗から嬌声が漏れる。
それは確実に甘さを含んでいた。
中が伸縮を繰り返し、やけに熱い。
最奥の手前部分を佐助の先端がかすった時に政宗の体が大きく跳ねた。
その反応に佐助は思わず下唇を舐めた。
すかさず同じ場所を何度も擦りあげる。

「あっ!!・・・んっあっ!」

やはりそこは弱い部分だったようで、政宗は一際大きく喘ぐ。
前への愛撫も重なり、急激に快楽が頂点に近付いてきた。

「・・・・あ!ッあああっ・・!!」

びくり、と体が震え、佐助への締め付けが強くなる。
そして二人の腹を熱い液が濡らした。

「・・・・・・・んっ・・・・ッ・・・!」

収まらない絶頂の脈動が伝わり、佐助も程なくして息を詰めた。

「・・・・くっ・・・」
「んん・・・!」

政宗の中に熱を注ぐ。
何度か体をひくつかせると、ふっと息を吐いた。
そしてそのまま政宗に覆いかぶさる。
お互い浅く呼吸を繰り返していた。
肩口に顔を埋めると政宗の匂いが鼻孔をくすぐる。
得も言われぬ充足感が佐助を包んでいた。

政宗が不意に口を開く。

「俺も・・・・」

「ん・・?」

「俺もアンタが好きだった・・・。」

その言葉に佐助は目を見開いた。
そして政宗の顔を覗く。

「好きだ・・・佐助・・・。」

そう言いながら微笑む竜を見て、忍は息が止まりそうになった。


とがき

リクエストは「甘くて破廉恥でハッピーエンドの佐助×政宗か家康×政宗」といただいていたので、サスダテを選ばせていただいたのですが・・如何だったでしょうか・・・?(ビクビク)
極力リクエスト通りに努めたんですが、所々私の趣味を入れ込んでしまってすいません(;´Д`)ビタースウィートみたいな感じ・・ですかね?・・・なんのこっちゃ。
私の中のサスダテはいがみ合いながらもお互い大好き、なイメージがあるのですよ。
なので今回はそんな風なサスダテに仕上げてみました。
もしお気に召さないようであれば、遠慮無く管理人に(#゚Д゚)ゴルァ!!と仰ってくださいね。ぜひ書き直しをさせていただきますので・・・。
あと「家康×政宗」ももしかしたらこっそりアップしているかもしれません。
と言ってもまだイメージしか出来てないのですがね(ノД`)

13000hitsキリ番ゲットしていただきありがとうございました!
また遊びにきてくださいね〜(´∀`*)ノシ


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