保健室のふたり


ミルリル学パロ
名前のみオリフェ登場






「すいませーん、治療お願いしまーす」
俺が保健室の戸を開けると、そこに先生はいなかった。
そのかわり見慣れた人物。
「わかりました…あ、ミルモ様」
「り、リルム…?なんでいるんだよ」
「私は保健委員なので、今日は当番なのですわ。先生は今用事で職員室の方に…」
「へぇ…」
そういえば春に決めてたな。
「怪我ですか?」
「ん、まぁ…」
「もうすぐ先生戻ってくるはずですわ。それまで問診表を書いていてください。」
「おう」


椅子に座り、問診表を書きながら、横目でリルムを見る。
思えば小学校の頃から一緒だった。
ここ最近は部活で忙しくて、あまり話すことがなかった。
「部活での怪我ですか?」
「え、ああ」
「サッカー部、このあいだの練習試合勝ったんでしたね」
「まあな」
「約束したのにすいません、見に行けなくて。でも勝てたのは部長のミルモ様のおかげですわね」
高校で俺はサッカー部に入部した。
リルムからは「試合には応援に行きますわ!」と言われ、試合にはいつも応援に来てくれた。
「いいよ別に、そっちも吹奏楽のコンクールで忙しいんだろ」
「はい」
リルムは吹奏楽部に入部したらしい。
吹奏楽部は休日練習はあまりないからか、応援に来れたのだろう。
今年、有名なコンクールに出場することになって毎日時間いっぱいまで練習している。
「そういや、部長なんだろお前も」
「はい。私はラムダさんの方があってると思ったんですが…」
「あいつ生徒会長してるからな。…なんであいつが生徒会長なのかわからねえけど…」
俺がため息をつくと、リルムがクスクスと笑っていた。
「どうした?」
「いえ、こうしてミルモ様と話すのも久しぶりで…」
「…そうだな。…今週末だっけ、コンクール。」
「ええ、日曜日に」


「部活休みだし、今度は俺が見に行くよ…。」
「本当ですか…!?」
リルムが期待した目で見つめてくる。
「そのクラシックとかあんまよくわかんねえけどよ…」
リルムは嬉しそうに頷いた。
「お待ちしておりますわ!」

それから、保健室の先生も戻ってきて、リルムは部活に戻っていった。
戻ろうとするリルムの腕を掴んで、小声で聞いてみる。
「…その、今日久々に一緒に帰るか?終わるまで待ってるから」
「私も待っていますわ、楽しみにしてますわ」


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