「あーもう!いい案浮かばないじゃん!」
「叫んだっていい考え出てこないだろ」
今日も楓を倒すため、作戦を考えたが確実と言えるものは思い浮かばなかった。
「落ち着け。コーヒーでも淹れてきてやる」
「ありがと」


淹れたてのコーヒーを二つ手にし、ラットはキッチンから戻ってきた。
アクミが一口飲むといつもより少し甘い味がした。
「あれ、いつもと味違うな」
「ちょっとアレンジしてみたんだよ。蜂蜜入れてみた」
「へえ、アタイこのコーヒー好きかも」

アクミが飲んでいく中、ラットは笑みを浮かべながら眺めていた。
「なあ、なんでさっきから見てるんだよ」
「…ちょっとな。さっき蜂蜜入れたって言っただろ」
「ああ。ってまさか変な物入れたんじゃないだろうな…?」
アクミは慌てたようにコーヒーを見つめる。
「そうじゃない。媚薬って知ってるか?」
「媚薬…?」
「惚れ薬としても使われるけど、催淫剤。…つまりは性欲とか性的快感を高める薬」
「はぁ!?」
「コーヒーに蜂蜜を入れると媚薬効果があるから、試したくなってな…。
そろそろ効果出てくる頃かと思って。身体熱くなってきたか?」
「で、…出るわけないだろバカ!なってないし…」
「へえ、じゃあ作戦もう少し考えるか」



再び作戦を考えていく。
しかし、アクミは先ほどの媚薬の事を気にかけていた。
「アクミ、そろそろ効いてきたんじゃないか?顔赤いぞ?」
「効いてきてない…」
そう答えたが、身体が熱く火照ってきていた。
ラットには気付かれないようごまかす。
「そうか。今日はこれで終わりにするか。」
「…う、うん…」
アクミは立ち上がり、ふらふらと震える足で帰ろうとしていた。
しかし、ラットが後ろから抱きしめてきた。
「本当に効いてないのか?」
耳元で低い声で囁かれ、アクミの顔が赤くなる。
先ほどよりも、身体が火照ってきているようだった。
「き、効いてないってば!」
「へえ…」
ラットは手を伸ばして、アクミのスカートの中をまさぐる。
「ひゃっ!」
下着ごしに指で秘所を刺激されてしまい、思わず声が出てしまう。
「さわってないのに、もうこんなに濡れてるな。効いてないんじゃなかったか?」
「っ…いい加減に…!」
「わかった、…じゃあ帰るか?」
「…えっ?」
そのまま続けてくるかと思っていたアクミは、驚いていた。
「嫌なんだろ?だったらやめるけど」
ラットは身体を離し、アクミの答えを待っていた。
「…嫌じゃ…ない…」
小声で呟く。
「だったらどうしてほしいかちゃんと言ってみろ」
普段なら恥ずかしくて言えないが、今アクミは身体の火照りを収めたかった。
「…だ、抱いて…ください…」
段々声が小さくなっていく。
ちゃんと聞こえたのか軽く触れるだけのキスを落とす。
「よく言えました」



ベッドに運ばれて、下着を外される。
「っ…」
「もう欲しいのか?…だったらベルト外してくれ」
ベルトをぎこちなく外していく。
アクミは、すでに膨らんでいるモノを見て顔が赤くなってしまう。
「トランクスも」
「…う、うん」
ラットに言われて、トランクスも下す。
反り返っているモノを見て、未だに慣れなかったが今は気にならなかった。
「じゃあ、口でしてもらおうか?」
「口…って」
「アクミから言ってきたんだろ?だったら少しは気持ちよくさせてもらわないとな」
アクミの頬に自身を当て、笑みを浮かべながら聞いてくる。


今回が初めてというわけではないが、アクミは口でするのが苦手だった。
ラットもそれを知っていて時折頼んでくることはあったが、無理やりしてくることはなかった。
「どうするんだ?ちゃんと出来たらいれてやるよ」
優しい声で囁かれ、アクミはラットのモノを咥えた。
「…いつもより積極的だな。媚薬の効果か?」
歯をたてないように小さい口でいっぱいに頬張る。
先端を舌で舐めたり、裏筋を舐め上げ、先走りを吸っていく。
「んっ…ん、むっ…」
「っ…はぁ…」
ラットは熱い吐息を吐く。
「(気持ちよくなってるのかな…?)」
いつもなら嫌な苦みだったが、ラットが気持ちよくなっていることが嬉しかった。
舐め上げながらラットを見上げる。
普段は冷静なラットが顔を歪めていて、目は熱を持っていてアクミを見つめていた。
「アクミ、その顔、ヤバい…」
ラットは荒い息遣いをしながらアクミの頭を優しく撫でる。
もっと気持ちよくしてあげたい。
口に入りきらない根本の部分を手で擦る。
「っ……出すぞ…!」
撫でていた手に力が入り、アクミの咥内に白濁液がぶちまけられる。
「んんっ…!ゲホッ」
アクミは辛そうに咳き込む。
咥内に入りきらず、口の端からも白濁液が垂れていた。


先ほど出したばかりだが、すでに勃ち上がっている自身をアクミの秘所に押し付ける。
「約束だからな。ちゃんと最後までしてやるよ」
アクミの腰を掴み、ゆっくり自身を沈めていく。
「あああっ…!」
身体の奥を貫かれ、アクミの身体が痙攣し中はきつくラット自身を締めつけた。
「くっ…キツイな。もうイッたか?」
その言葉にアクミは顔を赤くし、そっぽを向いた。
だが、ラットもいつもの余裕はなかった。
普段ならアクミに合わせてゆっくりと律動していっていた。
「あっ、ああ…は…」
強く抜き差しされ、アクミは嬌声を上げる。
「ああっ、ぁ…」
アクミは手を伸ばし、必死にラットにしがみついた。
「やだ、ラット。アタイ…おかしく…なる…」
「っ…ちゃんとつかまってろ」
アクミの爪がラットの背に食い込む。
ラットもアクミの最奥をつき、一層激しく攻め上げていく。
「あ…っ、あっ、ああああ――!」
アクミの身体の奥に熱が吐き出され、二人は同時に絶頂を迎えた。






行為後、シャワーを浴び、ベッドの上にアクミが寝転んでいた。
「媚薬効果か…」
「どうしたんだよ」
「っ…す、少しだけよかったし…コーヒー自体も美味しかったから…」
アクミは目をそらしながらブツブツ小声で呟く。
「また飲みたい?」
「う、…うん」
「媚薬…ねえ…」
今度はラットが目をそらしながら呟いた。
「何だよ?」
「いや、言い伝えみたいなものだから、ここまで効果あるんだなって…」
「ど、どういうこと?」
「媚薬効果あるって聞いたけど、アクミにそう言って飲ませたら効果あるんじゃないかもって…。
 ほら、偽薬効果ってやつみたいに媚薬の効果出るかもって思って…」
少しの間沈黙が流れる。
「じゃあ嘘ってこと?」
冷たい言葉でアクミが聞く。
「…た、たぶん…な」
「覚悟はできてるんだろうな?」
見たことのないような笑顔で微笑まれ、思わずドキリとしたラットだった。
しかしすぐに頬に強烈な平手打ちをされ、キャラメル一週間分と当分の間行為禁止令がラットに下された。
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