温泉旅行 ラトアクR18




「温泉にでも一緒に行かないか?」
作戦会議の終わり、ラットから声をかけられた。
「アタイと?」
「ミモモショップでくじ引きやっていて、ペア旅行券当たったから」
ラットはアクミに旅行券を見せる。
一泊二日の旅行券。
「まあいいよ。アタイも疲れてるし…たまには休むか」
二人で段取りを決め、準備していった。



そして約束の日。
最寄駅を降り、十分程歩いて旅館へと向かう。
旅館は海の近くにある歴史ある温泉旅館。
戸を開けると仲居が出迎えてくる。


仲居に部屋を案内され、簡単な説明を受けた。
「近くに温泉街があるんですよ。」
「温泉街か…」
「いいじゃん。まだ時間あるし行くよ!」
「…行くか。でも先に荷物片づけるぞ」


荷物も片づけ、二人は浴衣に着替える。
アクミは洗面所へ、ラットはそのまま部屋で着替える。
アクミが部屋に戻ると浴衣に着替えたラットがぼんやりと窓の外を眺めている。
その姿が似合っていてアクミは声をかけるのを忘れていた。
「ちゃんと着れてるんだな。行くか」


仲居が言っていた温泉街へと向かう。


土産の饅頭を買い、日も暮れてきたので旅館に戻ることにした。

「射的もあるんだな」
「へえ、今時珍しい物あるんだ。行くぞ…」

「う、うん…」
アクミは射的が気になっているようだった。
「…何か気になるもんでもあるのか?」
「あのネコの人形…。でもアタイこういうの苦手だし戻ろ」

「…猫の人形でいいんだな?」
「え?う、うん」
ラットは財布を取り出し、料金を店主に渡す。

ラットの撃った弾は見事に人形に当たり、パタリと倒れる。
「お、上手いじゃねーか」
と店主が褒める。
残っていた弾は全弾それぞれ別の商品に当たった。

「ほら、これ欲しかったんだろ?」
ラットがアクミに人形を手渡す。
「あ、ありがと…」
「っ…いいから戻るぞ。そろそろ夕飯だろ」
ラットは照れ隠しからか、恥ずかしそうに歩いて行った。
アクミも慌ててラットの後を追う。



旅館に戻り、一息ついていると夕食が運ばれてくる。
地元の特産品が使われており、とても豪勢な食事だった。

「美味しかったな」
「アタイもこんなの作れたらなー」
「いや、それはやめておけ…プロだろこういうのは」
帰って寝込むようなことはしたくない。
ラットは慌ててアクミの行動を止めた。
アクミが不満そうにしていると仲居が夕食を下げに来る。
「布団の準備をしておきますので、それまで温泉でもどうですか?」

仲居も夕食を下げ終えたので、二人で温泉に入ることにした。





ラットが温泉から戻るとすでに布団が敷かれていた。
しかし隙間はなく、ぴったりとくっ付いている。
「…くそっ…」
まるで初夜を思わせるようだった。
アクミとは何度か行為はしたことがある。
しかし最近は忙しく出来ずにいた。
一泊二日の旅行。
何事もないまま終える自信はなかった。

「あれラット先に戻ってたんだ」
アクミがいつもの三つ編みではなくポニーテールのように髪を結っている。
その姿に思わずラットは見とれていた。
「今日は疲れたし、とっとと寝よー」
アクミはくっついた布団は気にしていないようだった。
「…ってお前浴衣の着方間違ってるぞ。昼は着れてただろ」
「え、これじゃないのか?」
「右と左が逆になってる」
「ややこしいな…」

アクミはラットに背を向け着替えなおす。
いつもは見えないうなじが見える。
「これでいいか?」
アクミが振り返ってラットに聞いた。
今度はちゃんと着れたようだった。
しかしラットには、着れたことよりも別の事に意識が向いていた。
風呂上りで火照った身体。
いつもと違う髪型。
布団の上に座っているアクミの妖艶な姿にラットの理性は崩壊した。


アクミを乱暴に布団の上に押し倒す。
「いっ…ラット!いきなり…」
文句を言おうとするアクミだったが唇を重ねられ言うことはできなかった。
「んっ…」
一瞬開いた口の隙間に舌を滑り込ませる。
「ふっ…ん、あ…」
一度唇を離すとアクミが熱を帯びた表情でラットを見つめる。
「いきなり何すんだよ…!」
すぐに我に返ったアクミが先ほどの文句の続きをラットにぶつける。
「せっかくの泊まりだしこういうのないとでも思ってたのか?」
ラットは手早くアクミの上半身を起こし浴衣を上だけ脱がしていく。
今アクミは浴衣を腰に巻いているだけの状態だった。
「着なおしたのに…」
アクミがふてくされたように言う。
「悪い悪い」
ラットが適当に謝りながらアクミの首筋に唇を寄せ軽く吸い上げる。
「んっ…あ…」
白い肌に赤い痕を場所を変えてつけていく。
その間アクミの胸を揉み解すように刺激を与えていく。
「や、だ…」
「嫌?感じてるようにしか聞こえないけど?」
ラットはアクミの胸の突起を弾く。
「あっ、ん…!」
今度は突起を口に含み軽く歯を立て、攻め立てる。
「んっあぁ…」
片方の手を下腹部へと滑らせる。
「ひゃっ」
そこは既に、うっすらと水気を帯びていた。
「や…だ、ああっ……」
「また嫌か。この状態でお預け喰らいたい?」
アクミの蜜壺へ指を突き立てる。
指で内部を掻き回すと愛液が零れ出ていく。
「あっ、あぁ…!んぁ…」
「どうする、やめたいか?」
音を立てるように指を動かしていき、陰核を刺激していく。
「っ…!やめちゃ、やだぁ…」
目に涙を浮かべながらねだってくる。
時折見せる大人びた表情。
「悪い、ちょっとからかいすぎたな」
軽くキスを落とし、指を引き抜く。
アクミの太腿を開かせて、既に硬化している自身を秘部に押し当て、腰を進める。
未だ慣れない痛みに耐えるアクミを気遣いつつ、ずぶずぶと自身を飲み込めていく。
胎内は柔らかく、きつく締めつけていき、最奥へと衝突する。
「あっ…あああっ…!」
何度も奥を突かれ、アクミは喘ぎ声をあげながらラットにしがみつく。
「っぁあ!ああっ…!」
「――くっ…!」
アクミが果てて、ぎゅっと絞られる。ラットも律動を止めて最奥に白濁を吐き出した。







「泊まりだからってまさか本当にするとか思わないだろ…!」
二人で部屋風呂に浴び終え、布団に潜り込んだアクミが文句を漏らす。
「そのうえ、さっきも…お、お風呂で…」
その後汗を流すため、部屋風呂に入ったがそこでも行為をしたことに文句があるらしい。
「しょうがないだろ。最近忙しくて出来なかったし」
「…その、人形のお礼ってことで今日はいいよ…。アタイは寝るからな…!」
恥ずかしそうにアクミはラットに背を向けて眠ろうとした。
「わかったよ、お休み…」
アクミの髪を撫で、ラットも眠りについた。








終わり
温泉旅行話
お土産はワルモ団とかダアク様に送りました

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