「今日は楽しかったなー」
「…そうだな」
疲れているのかラットは口数が少ない。
リルムが遊園地のチケットを貰ったのでダブルデートをしよう。と提案してきた。
リルムはミルモを、アタイはラットを誘った。
色々アトラクションやショーを楽しんだ。
日も暮れてきて、最後に観覧車に乗ろうとリルムが提案した。
ふと上を見上げると、前に並んでいたカップルが見え、その二人がキスを始める。
「…と、隣行っていいか?」
ラットはその二人には背を向けているから見えないよな…。
「…どうしたんだ?」
「なんでもない…!あ、海見えるぞ」
一周20分程と書いてあった。
つまりその間ラットと二人きり。
嬉しい反面恥ずかしさもあったからごまかす様に景色を見た。
少し話をしていると頂上につき、ゆっくりと下降していく。
「(あと、10分か…)」
「なあラット…」
再び話をしようとラットの方を見るとラットの顔が近づいた。
そう思っていたら唇を重ねられる。
「…い、いきなりなんだよ」
「今日あいつらとずっと一緒だったからな。今二人きりだし…」
そう言っているラットの顔も赤くなっている。
「ラットったば顔真っ赤になってる」
アタイが思わずからかう。
それがラットにとって気に食わなかったのか、再びキスをされた。
今度は舌を侵入させて、アタイの下を絡みとるように。
「お前こそ顔真っ赤」
今度はラットにからかわれる。
アタイが反論しようと思ったら、ゆっくりと押し倒される。
「えっ、ちょっと…!」
「…流石に最後までやるわけじゃない」
「さ、最後までって…!」
服の中にラットの手が入ってくる。
アタイが目を閉じると、ラットはため息をついた。
「…もうすぐ着く」
アタイが外の景色を見るともうすぐ地上に着くというところだった。
「お疲れ様です。足元に気を付けてください」
スタッフか扉を開けてアタイたちは観覧車から降りる。
後ろからは一緒に乗ったミルモたちも降りてきた。
「じゃあそろそろ帰りましょうか」
出口ゲートを出て、ミルモがめんどくさいと愚痴を言いながらもリルムを送っていく。
「…どうする、家に来るか?」
先ほどの続きとでも言いたいのかラットは耳元で囁いた。
アタイはラットの言葉に頷いた。