溢れた想いは何処にも無かった。
追いかけたかった、夢。
叶えたかった、願い。
伝えたかった、想い。
そんなモノ達が溢れて。
ココには留めて置けなくて。
どこかへ流れさっていくのを、
ただ、見ていた。
見つめていた。

−溢れた想いは何処にもなかった。

夢を見た後の現実程、酷なものはない。
ソレが、幸せな夢なら尚更。
あの人がそんなことを言わないなんて、目に見えてわかっていたのに。
−わかっていたはずなのに、こんなにも心おどる想いをするなんて。
何度、想っただろう。
何度、溢れていっただろう。
その度に、溢れた想いは消えていった。
流れ去った。
追いかけても、追いかけても。
願っても、願っても。
伝えても、伝えても。
想いは流れ、消えていった。
俺は、ソレをただ見ていることしかできなくて。
見つめていることしかできなくて。

最近は、想いが伝わらなくてもいいかもしれない。
なんて、思っていた。
ただ、傍にいられたら。
ただ、いさせてくれたら。
それだけでも、十分幸せを感じられるから。
それなのに。
夢を見た。
とても、幸せな夢。
あの人が言ってくれた言葉。
夢が醒めて、現実を見てみれば
そんなことがあるはずもなく。
単なる夢でしかなく。
ただ、悲しいだけだった。














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