放課後の教室には赤い光が差し込んでいる。そんな教室にひとりで私はいた。何故こんな所に居なくてはいけないのか。その原因は2時間前にあった。 ――――― 「なあ!白石くん告られたんやって!」 『また?聞きあきたんだけど……』 「今回はいつもとちゃうねん、な?」 「ねー!」 "白石くん"とはウチ、四天宝寺の男子テニス部部長をしている実に爽やかで美形な好青年である。頭もいい、運動もできる、そして顔もいいときたもんだから当然、女の子が放っておくわけがない。 そんな訳で彼はあっちにこっちにひっぱりだこである。なのに違いもなにもないと思うんだが……。 『何が違うの……』 「……告ったの、男テニのマネージャーらしいねん」 マネージャー?男テニにマネージャーなんかいたっけ……。なんて考えていたらどうやら顔にでていたらしく関西弁の女の子、由紀が教えてくれた。 「ほら、河崎さんや。1組の、めっちゃかわええ子」 『ああ、思い出した。』 「渚は忘れっぽいね」 アハハ、と笑う彼女は神奈川からの転校生、颯奈である。 「やって渚やし」 『酷くない、それ』 「……渚ってさ、恋愛したことないでしょ。」 『まあ。』 「じゃあ白石くんに教えてもらえば?」 『は?』 「いいやん!それ!」 『……え?』 「ってことで行ってらっしゃい!渚!」 その後手紙を勝手に書いて白石くんの机の中に入れていた。もちろん、私はそんなつもりがないので紙を回収しようとしたが運悪く白石くんがきてしまった → モドル |