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「いらっしゃいませー!お一人様でしょうか?」
咲希は笑顔で、客に接待していた。
ここは、とりたてて普通のファミリーレストラン。
両親もなく、頼りになる親戚もない咲希は、自分の生活費を自分で稼ぐしかなかった。
だから、高校には行かず毎日働いていた。
こんな咲希にも、姉が一人。
たった一人の大事なお姉ちゃんだ。シスコンと言われようとかまわない。
姉への愛を叫べと言われたら5時間だろうが1日だろうが叫び続けるだろう。
それほど、大好きらしい。
そんな彼女には酷な知らせが・・・
今日、届いた。
「咲希ちゃん!手紙着てるよ!」
「はーい?」
店長に呼ばれ、咲希は首をかしげながら裏に行った。
手紙なんて、送ってくるような間柄そうそういない。
いるのは1人。姉である夢菜だけ・・・。だけど、手紙なんて1ヶ月に送ってくるので精一杯のはず・・・だった。
「・・・・・えっ・・」
届いたのは・・・
夢菜が死んだと言う不幸の手紙「う、嘘・・・・」
何度読み返しても、「死」という文字が目に入る。
「嘘・・・
嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘・・・・嘘だぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
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