[ 主人公+ソーマ/絡みなし ]







「.....さあ、終わりだ」



目の前でコンゴウが奇声をあげながら倒れる。

その周りには何体ものコンゴウが倒れていた。

小さく息をつくと共に戦った仲間、ソーマを見遣る。



「帰るぞ」



一言声を掛ける。

相手は何か考え事をしているようだ。

相手に背を向けて、アナグラへ帰る準備をする。



「...お前は、」



「..ん?」



相手が何やら呟いた。

振り返って相手を見る。



「..お前は、俺をどう思う?」



真っ直ぐ、それでいて何処か怯えている。

そんな目で此方を見つめる。



「....お前も知っていると思うが、俺は半分アラガミだ。周りの人間は皆気味悪がって、俺に近付こうとすらしなかった。なのに、お前は....」



きっと苦しかったのだろう。

やっと、ソーマの本心が聞けた気がする。

表情こそ変えないが、言葉からそう感じる。



「.....だから何だよ」



息を吐き出しながら、そう呟く。

相手は意外そうな表情を見せる。



「俺はあんたが何だろうと、周りがどうだろうと関係ない。俺は俺だ」



じっと相手を見つめる。

相手は不意に視線を逸らす。戸惑っているようだ。

俺は相手に歩み寄り、左手で相手の頬をそっと撫でる。

ソーマは驚いたように此方を見る。



「......温かい。あんたは人間だ」



そう言えば、左手を離して相手に背を向けて歩き出す。

背後で、「ありがとう」と聴こえた気がした。









その温もりは生きている証

( その温もりが冷めてしまう前に、手を差し伸べて )















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