[ アマイモン→メフィスト/嫉妬 ]







つまらない。



先程まで生きていたモノの上に腰を降ろす。

内臓まで外に飛び出している血まみれのソレは、

自分が座った事によってぐちょりと何ともグロテスクな音をたてた。



兄上や父上が夢中になっている奥村燐という人間が

どんなものかと見に行ってみたが、期待外れだった。

何故、兄上はあんなやつに夢中になっているのか。



腹立たしげに周りに転がっているモノを踏み潰す。

ぐちゃりと音をたてて、血と一緒に内蔵らしきものが出る。



何故、兄上は僕を見て下さらないのか。

何故、何故?



口に入ってる棒付きキャンディーを噛み砕く。

飴の部分が砕かれ、棒だけになったそれを真っ赤な血だまりに吐く。



僕は兄上が好き。

好きで好きでたまらないのに、兄上は僕を見て下さらない。



何故?



―それは、あの奥村燐がいるから。



奥村燐に、兄上は夢中になっている。

僕に夢中にならずに、兄上は奥村燐に夢中になっている。



――僕より弱い、可愛い可愛い僕の弟に。



ぎりぎりと歯を食いしばる。



兄上が僕に夢中になるにはどうしたらいい?



簡単な事だ。



―――――奥村燐を消せばいい。



その考えに気付いたアマイモンは、にやりと口角を

上げてほくそ笑んだ。





夢中になる理由

( 僕だけを見て )















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