情報屋と何でも屋B
(会話文のみ)
「やあ、良い天気だね…ってどうしたのそんな死にそうな顔して。」
「…四木さんに子どもが居るって聞いてこの世界に絶望してるの。」
「…前に会ったのって一週間前じゃなかった?」
「そうだね…多分。」
「だからここ最近仕事してなかったんだね。」
「私のことなんて放っておいて…。」
「かなり重症なようだ。」
「折原君は人ラブな変態だけど、私は至って普通だから、好きな人に子どもが居たらすぐに受け止められないんだよ。」
「変態は余計だろ。…なら仕方ない、なまえの愛はその程度だってことさ。」
「…何それ。」
「本当に好きなら、子どもも愛せるはずだろう?」
「…それは…。」
「いつもみたいに反論しないの?」
「…折原君なんて嫌い。」
「酷いなあ、俺はなまえのこと好きだよ?人間の一人としてね。」
「折原君に好かれてもこれっぽっちも嬉しくない。」
「ちょっと元気出た?」
「全然。」
「はぁ…仕事の依頼したいんだから、その顔どうにかしてくれないかな。」
「どんな顔をしていても、人間なら良いんじゃないの?」
「…いや、今本当に酷い顔してるよ?さすがの俺でも受け付けられないくらいにね。」
「…何とでも。」
「…一体どうすればその顔じゃなくなるのかな。」
「…さあ。」
「…。」
「…。」
「…分かったよ。」
「…何が。」
「…この前、四木さんが女の子を連れてたんだ、って言ったのは確かだよ。」
「…だから何。」
「でも、俺は一言も四木さんの子どもだなんて言ってないんだけど?」
「…え…?」
「その子どもは粟楠会の会長の孫娘だよ。四木さんはお迎えでもしてたんじゃない?」
「…。」
「これで誤解は、」
「ガセネタ掴まされたー!」
「いきなり大声出すなよ。別に四木さんの子どもだって言ってないじゃないか。」
「折原君なんて嫌い!馬鹿!何が素敵で無敵な情報屋だー!」
「元気出るようにしたらこれだよ、まったく。」
「誤解するような言い方した折原君が悪い!」
◆160930〜191230
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