05


【"黄巾族"って、ずっと前から池袋に居たんですか?】

《ええっと、本格的に現れたのは、3年ぐらい前ですよー。》

【へえ。】

《当時はもっと大人しい集団だったんですけどねー。青×青…"ブルースクウェア"っていうチームと揉めたときに、結構大変だったみたいですよー。》

【抗争ってやつですか。】

《ええ、ニュースとかでは表沙汰にならなかったんですけど、その、黄巾族のリーダーの彼女が攫われて大怪我したりして…いろいろと大変だったみたいですよ。》

【いろいろとって。】

《結局それで黄巾族が大人しくなったんですけど…何年か前に、別のチームが大規模な抗争を起こして逮捕者が出て以降、カラーギャング自体が消え始めたんですよ。で、ブルースクウェアはクスリとかを結構扱ってたんですけど…なくなっちゃいました。》

【やっぱり警察に?】

《そのへん詳しく教えてあげますから、今度お礼に何かプレゼントくださいー。》

内緒モード《ここから先は情報料を頂くよ。五千円で良いよ。》

【…やめときます。】

《ちぇぇーっ。ちょっとぐらいおねだりしたって良いじゃないですかぁ。》

《もういいです、ぷーんだ。》

ーー甘楽さんが退室されました。

【ああ、なんかもうどうしようもないぐらい駄目人間ですよ甘楽さん!?】

【でも、結局…黄巾族だけは残ったんですねえ。】

【その、ブルーなんとかが居なくなったからですかね?】

ーーザ・甘楽さんが入室されました。

【ザ、と言われましても。】

《ふふん、心機一転ですよ。》

《で、その黄巾族なんですけどね。》

内緒モード《…あれだよ。ブルースクウェアは死んではいなかったのさ。》

内緒モード《黄巾族のリーダーが、抗争に嫌気が差してチームを離れた後…彼らは、残された黄巾族に取り入ったのさ。》

内緒モード【つまり、合併したってことですか?】

内緒モード《まあ、単純に言えばね。》

内緒モード《互いの組織に誰が居たかなんて、リーダー格の人間を除けば、いちいち調べたりしてないだろうからねぇ。青い服を脱げば、後は黄巾族に入りたいですって言えばそれでOKなだけさ。》

内緒モード【でも、それって辞めたリーダーの人は…。】

内緒モード《知らないだろうね。自分の恋人を病院送りにした連中の仲間が、昔の自分の仲間達とつるんでるなんて。》

内緒モード《複雑な気持ちにもなるだろうねえ。教えてやるのも面白そうだけど。》

内緒モード【やめましょうよ、趣味の悪い。】

内緒モード《うん、やめとくよ。じゃあこの話は一旦お終いね。》

《実は私もよく分かりませんー。》

【思わせぶりな!】

《とにかく、黄巾族は昔とはいろいろ変わってるんですよー。》

《そこにきて、この前の斬り裂き事件ですから。本当に、気を付けた方が良いですよー。》

【近付かないようにします。】

内緒モード【ダラーズの皆にも、刺激しないようにメールを回しておきます。】

内緒モード《それが良いだろうね。ただ…君は知ってるかどうか分からないけれど》

内緒モード《ダラーズと黄巾族、掛け持ちしてる奴も居るみたいだから、気を付けなよ。》

内緒モード【…気を付けます。でも、だからこそ…僕達が関わりないってダラーズの中に回せば、その人から黄巾族に伝えてくれるかもしれませんし。】

内緒モード《本当に、ダラーズの仕業じゃなければね。》

内緒モード《ダラーズに規則は無いし、君も全員の行動を管理しているわけじゃない。》

内緒モード《君の知らないところで…ダラーズの一部が、斬り裂き魔になっているのかもしれないよ。ダラーズのシステムさ。このまま君が"こっち側"に居るつもりなら…その辺は覚悟しておいた方が良いよ。》

内緒モード【…肝に、銘じておきます。】

【じゃ、今日は私はこの辺で。いろいろありがとうございましたー。】

ーー太郎さんが退室されました。

《はーい、おやすみなさいですー☆》

《ちょっと脅かしすぎちゃいましたかねー。てへへ。》

《じゃ、おやすみなさーい。》

ーーザ・甘楽さんが退室されました。

ーー現在、チャットルームには誰もいませんーー





◆161026







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