束ねたラブレターが埃を被る 氷が涙する針葉樹 私の体に興味がないとは言わせない なんだか虚しい月曜日 美術館を彷徨う何か 造花サクリファイス 紛い物と呼ばれて 試験管ベイビーは笑う 親殺しを罪としないままに 地球という果実を一口 あなたの横顔を見るのが怖い 幸せといいながら泣く 殺人者は微かに朝を咎める 暗殺者は静かに息を秘める 婚約者は密かに眉を顰める 当事者は確かに私を殺める サンタマリアの名のもとに 女の指を持つ男 手折った恋心、そして花籠 個性を気取る愚か者 花のベッドに人魚が眠る 鼓膜に細工をしたから 過去の隠蔽、洋梨の香り 白い指先硝子細工 スクエアボタンの行方 夢悔いのバク 人間の卵をあたためてるの 魔法を使う為の五冊の本 灰色のままで 月夜にひとつのボタン 小鳥の一声 ここは酷く雨が冷たいから 宇宙の地図はできたかい 彼は踏み外しました 歪んだ背骨、折れるまで指折り 億の星の名付け人 空を追って地平線を跨ぐ 雨宿りの口実 ただただ"yes" 木馬に眠る記憶 関連づけるのが困難なだけ 故郷初冠雪にて 合図してよ、紛らわしい 私を啄むカラスについて思考を一つ −５階からの転落（そして暗転） あなたの溜め息は紅茶に溶けた 姫林檎と柘榴 流星群をつかむ 午後に現れた私の本性 爛々と生は光る 神頼みだなんて都合がいいね ロウは皮膚でなく心を焼くの イヤホンは24時間私に死ねと言う 穢れる前におねむりなさい 手帳に愛と書いたら家族が死んだ ファック、地獄が見たいのか 音無き深夜のプール 毒を塗ったカップのふち 猫と翡翠色したビーズ 真っ赤な苺のタルト インディゴの海に心臓音 純白の真珠が滑る肌 ゆらめく生成のカーテンレース 深緑に浸かる森の声 青い鳥のくわえる四つ葉のクローバー 鈍色した壁が行く手を阻む 燃えるような紅葉と散歩の音 艶めく星空に夜鷹が鳴く 一面を覆う桜色 君が眠るライムグリーンの丘で 片目は悪魔にくれてやった 命乞え 熊型アンドロイド (人が人型を作りたがるのは何故) 魚眼レンズの解析 猫眼レンズの記憶 虫眼レンズの駆動 似て非なるもの 世界で唯一枯れない花 毛布はいい、××を隠せる 波止場に留まる意味 顰み始まるアンケート 悲話なんて聞いてられない 怪盗に奪われたトランキライザー 姦淫シェリー 壷中の神域 明瞭な個人像を持つな 展望台から魔女は飛ぶ 不思議な小石 風切り羽を欲する兎 無人遊園地と裸足の子 あなたは私にワインを浴びせる 破瓜の痛みを俺は知らない じー、っとファスナー 針海を漂う鱗 100の疑問に答えるフィルム 毒辣なる双子座 あの紙切れが世界を救う鍵とも知らず 不幸を招け、赤い首輪の黒猫よ 右右右左右左左私の足跡 人間サイズの殺人兵器 |