抱きしめた地球儀の軽さ 四つ羽のフェアリー 整列した食器を数えるの 流線型の憂鬱に振り回されて たゆたう髪の感触 指紋採取(マイコレクション) さあ手拍子を頂戴 雪解け水の透明度は一体 文字盤を血で汚す 小瓶に詰めたい思い 木目に沿って まだ序盤じゃないの 天井に潜むなにか このあしはだれのあしなの 地面に突っ伏して何を聴く 真っ赤なストール巻いたマネキン あなたのあたまとわたしのあたまを きりばりきりばり ムーン、貴方の裏側に 双頭のガゼルは滅される この壁の染みに見覚えがある レースの向こうの異世界 たくしあげたスカートの中に 薬指は私の舌のうえ PS.また会えるよね？ 僕は今地獄にいる おおぶりピアスの憂鬱 背中に編み上げリボン ベリータルトにフォークをぶすり 貝殻が宝物だった頃 断末魔の記録 手乗り銀河 細胞の中の宇宙 上目づかいでうそをつく 道路の真ん中に立つ君(お嬢さん、危ないよ) 褪せない思い出に鍵をかけて 脳髄を溶かすこの香り 嵌らないピース 風力0 取り残された少女はよく言った 描く君の心電図 そっくりそのまま 見えないものに怯える日々 せかいはくるってる 骨の音にも聞こえるね 罪です罪ですそれは罪です 猫は愛撫がすき 無垢なものを汚す喜び つまりはラストダンス 三番目の棚には何を入れたかしら 妊娠44か月目 イエスタデーシルエット ちいさいお花のピアス この指と指の隙間に シュレーディンガーの猫箱 馬鹿は死んでも馬鹿 今夜伺う 胎動の旋律譜 俺は来世でお前を轢き殺す 魔羅を受け入れた 噛みつけ抗え息をしろ 胎児の声は耳障りなりや 屋根裏部屋の秘密 あのことかげふみ (はて、あのことは?) 切り取られた世界像 音も不要にて レースの繊細さに嫉妬する 79番目のキーはすぐそこに しおりがわりにこの爪を かすれて読めないアイラブユー あなたは本当に知ってるのか 雨月の葬に目を腫らし 這ってくるの、女の人が 九重に鍵をかけて不可侵の砦を築け 奇麗に砕いて魅葬 あなたの言葉が本当だから私はこんなにも取り乱して泣き叫んでそして 腕が疼く夜が来た 爪鱗 死語を慎め 恋殺す 史書の厚さは人間共に比例するか 鼻先で触れた春に 人間は別のものになりたいと思った時にはもう別のものになれないとわかっている 新緑の柱が無数に建つ森 魔力の面影を猫眼に見る 声にならない声 孤高な事を恥じるな 永遠の放課後が始まる もう一度リボンを結んであげる 耳鳴りにより導かれたのだ 詭弁よ地獄に誘うか まやかしのミルキーキス 首筋に犬歯の痕 あの時手をとるという選択肢はなかったのか 甘い雨水 |