電気は点けていないし、外は曇っている。だから自ずと部屋は薄暗いのに一松の姿だけはやけにはっきりと見えた。俺の下でちいさく喘ぎ続けている一松ははじめて早々に上も下も全部ひん剥いたからなにも身に着けていない。比較的日に焼けていない肌は白いのにしている事がしている事なだけに全体的にほんのりと赤くなっているのがなんとも言えない。数えきれないくらい見てるのに何度見ても興奮する。
 腰を引くと既に一度吐き出している精液とローションが混ざった液体がこぷりと溢れるのがわかる。俺は一松を見るのに夢中だから実際そこがどうなってるのかわかんないけど、一応腰の下にひいた俺のパーカーが受け止めてくれているはずだ。そうでないと困る。カーペットの後処理よりもパーカーを手洗いするほうがずっと楽だ。かんたんに流してから洗濯機に突っ込めばいいだけだし。そしたらあとはおれじゃなくって松代の仕事だもん。
 引いて、戻して。決して早いスピードじゃない。寧ろゆっくり。入り口から奥まで、全部を楽しむみたいに。あっつい体内がもっとってねだっているような気がするけど今はまだだぁめ。それよりもっとたっぷり俺のできもちよくなってほしい。今はそういう気分。
 すっかり感じる場所になってしまったそこは大抵の事なら快楽として受け取るし、それは一度達した今なら猶更だ。身体の外も中もびくびくしてる。かわいい。汗ばんで滑りやすくなってる足を抱え直して奥にぐっと押しつければもっと大きく身体が跳ねた。声もおっきい。
「な、奥こーやってされんのと、全部万遍なくとどっちがいい?」
「あ、っふ、どっちも、やだ、ぁ」
「え〜? そんなめちゃくちゃにされたいの。もおちょいいいでしょ」
「ぜったい、ちょっとじゃな、あ、あッ」
 選んでもらえなかったから俺の好きにさせてもらっちゃお。全部はやったばかりだし、折角奥に押し付けてるんだからこっちかな。抽送とは違う反応なのもかわいーんだよね。やっぱ同じきもちいいでも違うのかもしれない。俺だって中に突っ込んでるのと口でしてもらってるのじゃ違うもん。まあそれは視覚的な意味も大きい気がするけど。
 一番奥、そこに強めに押し付けるとそこがひくりと動く。頻繁にではないけれどそこを越えた先にだって突っ込んだ事があるし回数で言えばそれなりだ。そうされる事を意識してしまってるんだと思う。ほんと、えっろい身体になったよなあ。俺のせいで。
 さて、どうしよっかな。正直このままもっと奥に進めるのはそんなに難しい事じゃない。俺はね。一松はもうちょっと体勢もキツくなるだろうし暫くはきもちいいってだけじゃない。乱れっぷりを見るに最終的には結構イイみたいだけど。うーん、ああいうぐちゃぐちゃになってる感じも最高なんだけど今はちょっと違う気分なんだよな。ぐちゃぐちゃよりもとろとろって感じ。うまく言えない。期待してるみたいだけどごめんなあ、また今度いっぱい突っ込んでやるから。
「っ、ふ、奥、使うのかと思った、ん、」
「なんか、そーゆうんじゃねえんだよね、っ」
「ん、っあ、あ、は…! なにそれ、あ、ん」
 ぐりぐりするだけじゃワンパターンだし適度にとんとんするような動きも織り交ぜつつ。とにかく奥ばっかり執拗に責め続ければどんどん一松の声は上擦っていく。あーあ、そんな悠長にヤってられるわけじゃないのに。少しずつ余裕がなくなってくのがかわいくて全然やめられる気がしない。今は誰もいないけど誰がいつ帰ってきてもおかしくないんだけどなあ。こうなったらシコ松看板を見て空気を読んでくれんのを祈るしかない。
「ッもお、それ、やだっあ」
「そのわりにはちんこどろどろだけどね」
「ひ、っあ、だめ」
 イきっぱなしになってるわけじゃないけどもうずっと、絶えずに液体が零れ続けてる感じ。イく寸前ってくらいかな。反り返って晒されてる裏筋をほんの少しひっかいただけでおっきな滴が零れて落ちていく。本気で扱いたらあっという間にイっちゃいそう。ぎゅうって締まる体内がすげーきもちよかったけどもう一度触るのはなんとか我慢した。俺的にまだとろとろ具合が足りない。
「あ、っまた、それ、あ、っん、」
「まだ余裕ありそーだ、な、って?」
「そんな事、んん…!」
「は、ほんとだ。軽くイってんね」
 腕に爪が立てられたけど感覚がおかしくなってんのか全然痛くない。寧ろどっか気持ち良くさえ感じる。多分俺も頭ん中がとろとろになってきてるんだと思う。しょーがない。だってこんな気持ちいいんだもん。一松はめちゃくちゃかわいいし。おかしいだろ、なんでこんなかわいんだろ。同じような奴が俺含めたらあと五人はいるのに他のやつには全然そんな風に思わない。
 無防備な白い首筋に舌を這わせたたらしょっぱい味がした、けど、やっぱりおかしくなっている頭は甘さも一緒に拾う。甘いわけないってわかってるのにわかってない。もお駄目だなこれ。甘さに誘われるままに歯を立てれば身体ん中がひくりと大きく動いて、力をゆっくりとこめればそれに応えるようにひくひくする。痕残っちゃうかなこれ。
 本格的にイくのはまだ早い、って事で動きたいのをぐっと耐えて全部収めてから腰を動かすのをやめた。恨めしそうな目で睨まれたけれど目許どころか頬も赤い、目は潤んでる。そんな状態で睨まれたって勿論逆効果なだけだ。はあ、ぞくぞくする。ほんとなら俺だってこのままぐちゃぐちゃにしたいんだよ?ほんとほんと。
 少し落ち着いたのを確認してからゆっくりと動きを再開して、引いて戻す。
「っ、ん、もお、あッ」
「かぁわい…ほんっと、たっまんない」
 唾液でぬるぬるになった唇に噛みついて舌を絡めてく。こっちもゆっくり。あんま激しくしたらしんどそうだし?今更か。重力もあって俺の唾液が一松のほうへ移動して、飲み込まれなかったものは唇の端っこから溢れていってしまう。なんせ一松はそれどころじゃない。絡めるのだって殆ど一方的だ。首に腕絡めてくれただけでよしとしよう。すげー爪立てられてるけども。
「あ、っもお、」
「えー…どおしよっか、な、」
「っあ、あ! なに、きょう、はあ、あっしつこい、」
 キスはやめても腕は絡んだまんまだから距離は近い。潤んだ融けた紫色に自分が映ってんのがわかるくらい。我ながらひっどい、やべーかおしてんなと思う。一松に夢中ですって感じ。事実今こいつしか見えてないもん。かわいいとか、えろいとか、そういうので頭の中がいっぱいになってる。
「…俺さあ、おまえが俺の咥えてきもちよさそうにしてんの、好きなんだよねえ」
「あ、っだからって、こんな、」
「ふ、めちゃくちゃかわいーよ」
「しゅみわる、あ、ぅ、あッ?!」
 本気でいくらでも見てられるんだけど流石に一松も、俺も限界だ。えろい意味で泣いてるのはいいけど本格的に泣かれちゃっても困るしね。ぐっと上半身を起こしたけれど完全に起こす事は一松の腕によって遮られてできなかった。ええ、これでもできっけどさあ。そこそこきついんだけど?まあいいか、ちょっとでも肌が触れあってるのはきもちいい。
 早さを増せば増すだけぐちゃぐちゃ粘着質な音も大きくなっていく。あっつい、なかもそとも。ぱたぱた落ちる汗は全部一松の上に落ちた。一松の肌の上を滑って落ちる、そんな様ですらやらしいってどうなの、最中のフィルターってすげーな。
「んっあ、あ、も、」
「なに、限界? はやく、ね、え?」
「散々焦らしといて、あっ、よく言う、あ、あっ」
 それもそっか。一度終えて、その後にたっぷりじっくり突っ込まれてんだもんな。しかも軽めにイったりもしているわけで。俺が想像してたよりもちょっと早い、何の問題もないけどね。かわいーのもきもちーのも変わりはない。
 自分がヨくなるよりも一松がヨくなるのを意識した動きをすればあっという間だった。肌に爪が立てられて中がぎゅうって締まる。それから声になってない喘ぎ声。なんとなく予想出来てたけどメスイキってやつ、だ。身体の中も外もびくびく痙攣してるのがわかってるけど生憎腰の動きは止めてやれそうになかった。
「は、あー…きもち、」
「ばっあ、あ、!」
「ん、もおちょい付き合って」
「ぅあ、も、ア、っ」
 ぼろぼろ涙が白い頬の上に零れてくのはほんのり痛々しさもあるのにそれをかわいさややらしさが圧倒的に上回る。たまんないなって、思ってしまう。すきなこの涙に興奮するってどうなんだろ、いっかべつに。
 後ろでイった故にまだ勃ったままの一松のに触れてそのまんま上下に扱く。前と後ろ、両方からの強い刺激のおかげか中がすんごい。おかげで俺もすぐに限界が見えてきた。ガンガン迫り上がってくるそれに身を任せて精液を一度目と同じように一番奥で吐き出した、のと殆ど同時。どろりと俺の手や一松の腹を一松の精液が汚していった。多分。手はともかく、見てないから腹は予想だ。
 なんでかわかんないけどお互い目を合わせたまんま。乱れた息を落ち着かせるために荒く息を吐き続ける。変わったのは距離位だ。もう距離をとる必要はないし。くっついてた方が気持ちいいもん。下敷きになる一松はきもちいだけじゃ済まないだろうけど許してほしい。
「…さっき、言ってたじゃん、あんたの咥えてヨがってるおれがかわいいって」
「あ? あー、うん、ほんとにかわいーかんね」
「おれに、突っ込んできもちよさそうにしてるあんたもかわいいよ」
 両頬が一松の手に包まれて、ちゅって音がなるようなキス。どろどろに溶けた笑顔つき。そんなのさあ、だめだって。いいわけないでしょ。わかってんの?まだ挿ってんだよ?今完全にいろんなものが刺さった。あの、漫画とかだったらハートに矢が刺さるみたいな、そういう絵が俺の横に出てたと思う。
「…ちょっと」
「…今のはおまえがわるい」
「いや、意味、っん、」
 噛みつくように口付けて、腰を引く。今のですっかり大きくなってしまったから責任をとってもらわないと。今度は焦らしたりしないからへいきへいき。
 ちょっとは抵抗されるかな、と思ったけれど案外そんな事はなくて。それどころかノリノリで腕や足が俺の身体に絡む。なにそれ、かわいい。最高。じゃあ、遠慮なくいただきます。
 時間が経ったせいで部屋の薄暗さははじめた時よりもずっと増していたけれど、やっぱり一松の事ははっきりと見えた。



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