「たまには寝る場所を変えて見ようとおもいまぁす!」
唐突にそんな事を言い出したおそ松兄さんに5人分の視線が集まる。
もう既に布団は敷き終わっていて、各自枕を置くだけの状態だった。
そんな状態なんだから当然みんなもう睡魔に襲われているわけで。
正直めんどくさい。
それに今の場所に不満があるわけでもない。
隣のカラ松も寝てる分には痛くないし。
「くじには番号がふってあります。1はいつも一松が寝てる場所、2はカラ松。以下略」
「ほんとにやるの?」
「やる」
ああ、これ言い出したら聞かないやつだ。
無視して寝ようとしても全力で妨害してくるやつ。
それを全員感じ取ったのか、仕方なくひとりひとりくじをひいていく。
「おれ5番ー!」
「あ、隣だね十四松兄さん」
隣同士になったことできゃっきゃしてる弟達を微笑ましいなあと思いながらくじを確認する。
1番。
あれ、これいつもと同じ場所じゃん。
まあ端は端で気楽なのは間違いないからいいか。
「一松」
呼ばれて顔をあげれば、ひどく楽しそうにおそ松兄さんが笑っていた。
見せ付けるように向けられたくじに書かれていた数字は2番で。
それだけでこのくじが仕組まれたものだと理解した、既に嫌な予感しかしない。
「隣はカラ松と十四松かあ…まあ十四松は慣れてるし、カラ松は静かだしいいか」
「子守唄が必要ならいつでも声をかけろよ…いくらでも歌」
「あ、結構です」
「はい場所わかったらさっさと寝ようなー」
「あんたのせいで寝るの遅くなったんだけど?!」
渋々だったわりにはみんなどこか楽しんでいるようだ。
けれど時間が時間だったせいか、電気を消してしまえば小声での会話は徐々に寝息へと切り替わっていく。
おれはといえばまったく寝れる気がしていなかった。
なんていうか、隣がいつもと違うという違和感がすごい。
いつもおそ松兄さん隣で寝ることがあっても、炬燵でだとかホテルでだとか。
こんな風に他の兄弟が寝てる傍ではない。
「いちまつ」
そんな違和感からおそ松兄さんに背を向ける形で寝転がりながらぐるぐる考えていたせいか距離が縮まっていたことに気が付かなかった。
するりと腹の前に腕がまわって、逃げる間もなく抱きしめられる。
「な、に…」
「俺、ずっとやってみたかったことがあるんだよね」
腹の前に置かれていた手が明らかな意図を持って動く。
パジャマのボタンが、ひとつ外された。
続けてふたつ、みっつ。
あっという間に全開だ。
「こんなところで、」
「こんなところだから、だけど?他のやつらが寝てるのと同じ布団で、ってやってみたかったんだよねー」
右手が胸元へと伸びて、乳首の周りを指先でくるくると撫でた。
同時にうなじに何度も口付けられて、否応なしに高められていく。
「なあ、一松」
「いや、だ…って!ばれたらどうする、」
「おまえが声ださなきゃばれないよ」
「あ、そんなこと言って、あんたは協力してくれないんだろ…!」
「うん、まあ俺はおまえの声聞きたいから」
最低だこいつ…!
かぷりと肩口を甘噛みされて身体が跳ねた、それで鳴る布のこすれる音にさえ過剰反応してしまう。
誰かひとりでも起きたらおわりだ。
「無理しないほうがいいと思うよ、俺は。だってほらもう、おまえも勃ってる」
胸を弄っていなかったほうの手が股間に伸びて、反応し始めていたそれを撫でる。
それから逃げるように腰を引けば、今度は兄さんのが尻に当たるわけで。
もう硬く熱を持っているそれに、布越しとはいえ触れてしまえば、もう。
「……加減、しろよ…」
「できたらな」
あ、してくれないなこれ。


「ん、っんん、ふ、ン…ッ」
「いつもより敏感じゃない?興奮してんの?」
いつのまにかパンツもズボンも脱がされて、辛うじて袖を通している上着だけ。
その上着だって袖を噛んでるせいでもう袖は唾液でぐちゃぐちゃだ。
けどそうしないと耐えられそうにない。
さっきまで焦らすように周りを撫でていた指は乳首をこねくりまわしているし、右手はおれの先端をぐちぐちと弄っている。
どっちも少し痛いくらいなのに気持ちがいいからこまる。
もうそういう身体になってしまっている、誰かさんのせいで。
「は、ッんん」
「かーわいい…でもやっぱ声聞こえたほうが楽しいんだよなー。ん、閃いた」
なんだか耳元でよくない言葉が聞こえた気がする。
指に翻弄されてぼーっとしてきた頭じゃしっかりと判断できないのがくやしい。
両手が離れていった、かと思えば今度は身体を転がされて仰向きにされる。
おそ松兄さんは覆いかぶさるように一度体勢を変えて、そのまま重心を後ろにして腰をおろした。
なにかから蓋が外される音と、ねちゃねちゃとした音にそちらを見れば兄さんが掌でローションを温めているところだった。
いつも使っているのをわざわざ小さいボトルに移し変えたらしい。
「さて、一松」
「なに…」
「今から慣らすわけだけど、俺はこのとおり。手が使えません」
「はあ…?」
左手があいてるだろ、とは突っ込んじゃいけないんだろうか。
ずっとボトルを持っているわけじゃあるまいし。
「だから、自分で足、持って広げてられるよな?」
「…?……はあ?!ば、馬鹿じゃねーの…?!」
「一松」
「っ、う」
別に不自然でもない、おそ松兄さんの笑顔。
でもなぜか逆らえない。
それどころか、下腹部がうずく。
こんな反応をしてしまったらドエムと言われても否定できない。
けれどそうなるような事をされてきただけだとおれは思う。
元々そういう気質があったとしても、それをしっかりと覚醒させたのは間違いなくおそ松兄さんだ。
「できるだろ?」
「…やる」
「うん、一松はいいこだな。あとでご褒美をやろう」
ごほうび、ということばに期待でこころがはねる。
おそ松兄さんのご褒美は本当にご褒美だ。
おれが欲しいものを的確にくれる、だから言う事を聞いてしまう。
持って、広げる。
寝転がっている以上足を持ち上げないといけない。
膝を立ててから裏に手を添えて、上半身のほうへ引き寄せる。
唾液で濡れた袖がつめたい。
「よくできましたー、暗くてあんまり見えないのが勿体ないから今度は明るいとこでやろうな」
「変態…」
「おまえも興奮してるんだからお互い様だろ」
浮いたスペースにタオルをひかれて、やっぱり左手は使えるんじゃないか、と思ったけどつっこむのはやめた。
元々適当に言っているだけなのはわかっていたし。
ローションでどろどろになった指が穴の淵にふれた。
そこにローションを塗りこむように丁寧に動く。
基本的に慣らす作業を雑にされたことはない、いつだって傷がつかないように、ゆっくりと触れてくれる。
中出しは平気でしてくるくせに。
「挿れるよ、息吐いて」
正直指1本くらいなら、痛みはない。
散々それより太いものをつっこまれたそこはなんなく飲み込んでくれるけれど、未だに慣れない。
独特の違和感、というか。
「ん、ぅ…」
「本当慣れないね、おまえ。そういうとこも可愛いけど」
暫くすると違和感はなくなり、徐々に気持ち良さへと切り替わる。
このくらいならまだ大丈夫だ、声は抑えられる。
ただ特定のポイントに触れられなければ、だ。
当然その場所は兄さんに知られているわけで。
そしてそこに触れようとしているのも、動きでわかってる。
いつ、触れられるか、心臓がうるさい。
「…期待してる?大丈夫ちゃんと前立腺も触ってやるよ」
「う…期待なんかじゃ、」
「はい嘘ー、すんごい目してるよ」
「してな、あっ?!」
「うん、いい声」
わざと喋ってる時に触りやがったな…?!
しつこく何度もそこをいじられて、一度開いてしまった口が閉じられない。
「あっ、いやだ、あ、んぅ、にいさ、あ」
ローションが足されて、粘着質な音が部屋に響く。
これじゃ声を我慢したって意味が無い、いや我慢できてないけど。
抑えなければとおもうのに、手は塞がっているしどうしようもない。
とどまることなく零れる声と、響く粘着質な音にいっそここがホテルだったらよかったのにと思う。
本当にホテルだったらこんなものじゃ済んでないか。
「一松、いま何本でしょーか」
「えっ、あそんなの、しらなっあん」
「何本でしょーか?」
「ん、はぁ、あ、に、ほん…ッだから、そこやめッあ」
「せーかい」
穴が拡げられて、なかに空気が触れた。
足されたローションがなかから流れる感触にぞくぞくする。
指の動きが感じるところを避けてゆっくりになったのでなんとか息を整えるために息をすって、はいて。
あつい、なんかもう、どうでもいい。
これもうみんな起きてるだろ…。
「おそまつにーさん…」
「んー?」
「…もっと」
ぴたりと指の動きがとまった。
それに万一隣で寝ている兄弟に見られないよう、誰もいないほうへ向けていた顔をおそ松兄さんに向ける。
多分いまおれはものすごくだらしない顔をしていると思う。
対するおそ松兄さんは完全に雄の顔で、あー、ぞくぞくする。
「…もーちょい慣らすから待って、おまえよがらせんの楽しくてひろげる動きあんましてない」
「ん、はやく」
「おまえのそういうキモチイイことに従順なとこ結構好きだよ」
浅いところにいた指が奥へとねじこまれる。
拡げる動きにさっきみたいな強烈な気持ちよさはないけれど、これはこれで気持ちがいい。
でも、足りない。
一度そう思ってしまったらどうしようもない。
ぐにぐにとなかをいじられ続けて、暫くすると指が抜かれた。
「一松、足おろしていーよ」
暫くぶりに触れたシーツは冷たい。
パジャマ越しで緩和されて伝わってくるのが疲れた腕には心地いい。
ぼーっとおそ松兄さんを見ていると、小さなピンク色がポケットから取り出されて少し驚く。
普段は使わないくせに。
「ゴム使うんだ…?」
「後片付け考えたらこっちのがいいだろ?俺だけじゃなくておまえも付けような」
ああ、なるほど。
わざわざローションを移し変えたり、ゴムやタオルを用意したり一応いろいろ考えているらしい。
いつもはタオルがあればいいほうだ。
「ああそうだ忘れてた」
覆いかぶさられた、と思ったすぐあとには口を塞がれていた。
深いものではない、ただ触れるだけのキス。
「ご褒美」
見事なまでのどや顔。
けれど欲しかったものなのは間違いないので文句は言えない。
まあ、多少割りに合わない気もするけれど。
「にーさん」
続きをねだるように首に腕を絡めて舌をだせばすぐに応えてくれる。
絡んで、吸われて。
とにかくひたすらに気持ちがいいのは、おれがこの人のことを好きだからだろうか。
それとも単に上手いのか、おれにはこの人しかいないからわからない。
キスの最中に脚を抱えられた、そしてすぐにあなへと薄いゴムが触れる。
誰かさんが毎回ナマで突っ込んでるせいで逆に違和感があるだなんてどうかしてるな。
唇が開放されたのとほぼ同時、ゆっくりと、熱が入ってきた。
「あっ…!ん、ん―――ッ」
「っはー…きもちいー」
ゆるゆると腰が動く。
ただなかの感触を確認するような動きなのにきもちいい。
どこもかしこもあつくてどうにかなりそうだ。
この熱を開放する方法なんてひとつしかない。
「も、へーきだから…はやく」
「はいはい、お待たせしました、っと!」
「ひう、っあ!」
はやく、とは、言ったけど。
初っ端から一番奥を思い切り突くとか本当に容赦がない。
あーもう、いま軽くいった。
それは勿論ばれているらしく、兄さんはわらう。
最中にしか見れない、おれのすきなかお。
ぞくぞくする。
「もー、そんなやらしいかおすんなよ、歯止め利かなくなる」
「あっ、や、あんたに、言われたく、ンっな、い」
「ん?俺もやらしい顔してるってこと?」
「ふ、ッぜんぶ、あっあ、たべられ、そ、っあ!」
頭のてっぺんから足の先まで、全部。
いっそ食べられてしまいたいけど、今はまだだめだ。
食べられたらなにもできなくなってしまう。
キスだってセックスだって、もっと、ちがうことだって。
ただ一緒にいることだってできなくなってしまう。
いろいろ一緒にして、すごして、最後に行き着く先が、そこなら。
「…食べてやるよ、いつかね。でも当分は性的な意味で食べたいからだーめ」
いつか、いつか、って、いつだろう。
ものすごく曖昧な言葉だ。
でも食べてくれるのなら、きっとおれはいつまでも待てる。
揺さぶられながらそんなふわふわした事を考えた。
「おっと」
ぴたりとやんだ動きに、離れていく上半身。
首に絡めていた腕が伸びきるくらいの距離、といっても離すのは嫌だったので触れたままだ。
おそ松兄さんは片手で自分のパジャマのボタンをひとつだけ外すとにやりと笑った。
少しだけ息が乱れているのに余裕を感じる。
おれはもうぐずぐずなのに。
「一松さあ、気持ちよすぎてここがどこだか忘れてない?」
ああ、そうだ、ここは。
2人分の荒い息に混ざって聞こえる、静かな4人分の寝息。
確かにここに他の兄弟がいて、その場で行為に及んでいるという現実。
「っ、ばかいきなりしめんなよ」
「せ、っかく忘れてたのに…!」
「うん、でももう思い出しちゃったな?どうかなー、もう起きて空気読んでる寝たフリしてるやつもいるかもよ?」
聞きなれているはずなのに、聞こえてくる寝息じゃ判断できない。
一度は開き直ったものの、そう言われてしまうとまた気になりだしてしまう。
おそ松兄さんの関係は知られている、とはいえ最中の声なんて聞かれたくもないし見られたくもない。
逆にあっちだって自分と同じ顔の男が喘いでるのもよがってるのも見たくはないだろう。
「いっそ見せ付けてみる?」
「なに言って、あッああ!や、だまたっそこぉ!」
「一松は前立腺、ごりごりされるの好きだもんな?」
「んう、あっやだ、あっもっあっん!」
せめて口を押さえようとした手は兄さんの首から移動させようとした途端につかまって、シーツへとしっかり縫い付けられてしまった。
指が絡められた手があつい。
それを力的な意味でも精神的な意味でも撥ね退けることなんてできない。
強すぎる快楽を少しでも逃がしたくて、思い切り握る。
相当痛いだろうにやっぱり手は繋がれたままだ。
「にいさん、あっおそま、つ、ッんああ!にいさ、んッ!も、っおむ、りぃ!」
「あ、なにいきそう?いつもより早いじゃん。やっぱ見られてるかもって興奮すんだなー」
「はぅンぐ、ん、んんッ」
酸素も声もぜんぶ持っていかれそうな噛み付くようなキス。
冗談ぬきでぐらぐらする、でも多分意識を飛ばすことは許してもらえないだろうし、おれ自身飛ばすつもりはなかった。
縋り付くように手を握って、出来るだけ舌の動きに応える。
おれだけじゃなくて、この人もできるだけ気持ちいいと感じてもらえるように。
ちゃんと効果があるのか、おそ松兄さんの腰の動きが奥を突く動きにかわった。
どうやらあっちも余裕がなくなってきたらしい。
「は、いちまつ、」
色の乗った声もさっきと比べたら余裕がなくて。
普段聞くことのできない音はダイレクトに腰にくる。
それこそなかをしめてしまうくらいには。
そしてそれに耐える兄さんの声でまたやられると。
「あっ、あ、い、くからぁあっ!」
「ん、もー、いっちゃえよ、ほらっ」
「ぅあ、あ、あッー…!」
そうなるよう促されたとおり、達するのはかんたんだった。
兄さんが達したのもゴム越しに感じて、これだと物足りないだなんて感じるようになってしまったのは本当にどうにかしてほしい。
もう手遅れか。
自分が付ける分には精液が飛び散らないのは便利でいいなあ、なんて考えていたら頬をべろりと舐められた。
「うわ、なに」
「ぐちゃぐちゃだからきれいにしてやろうかなって」
「いやならないでしょ…」
とはいえ押しのけるのも達したばかりの身体では億劫で好きなようにさせておく。
はいったままで動くのも面倒なことになりそうだ。
舐められようが舐められなかろうがどっちにしろ顔は洗うんだし。
「…重いんだけど…」
「わりーわりー、ついでに抜くな」
ずるりとなかから抜かれて、改めて一息つく。
とりえあえず他の兄弟が動く気配はない。
一応、聞こえてくるのも規則正しい寝息だ。
そういえば近いせいで兄弟のことしか頭になかったけど、両親には聞こえてなかったんだろうか。
クソニートで同じ顔をした息子がセックスしてるのなんて聞こえてきたら頭を抱えるなんてレベルじゃない。
「一松ぅ口あけて」
声色からろくなもんじゃないな、とは思ったけど素直に口をあけた。
ふつうにキスだったらしたかったし。
まあ残念ながら案の定ろくなものではなかったわけだけど。
視界にピンクが入って口を閉じようとした時にはもう遅い、顎はしっかりと固定されてしまっていた。
咥内に流し込まれたのは間違いなくさっき吐き出されたばかりのおそ松兄さんの精液で、ああもう、さいあく。
飲むのはだいぶ慣れたけれど、不意打ちはよくない。
全部舌の上に落ちきったのを見て、ごくりと飲み込んだ。
それを見せ付けるように舌を出してやれば兄さんは満足げに目を細めてわらう。
わるいかおだ。
「悪趣味」
「褒め言葉」
ほぼ空になったゴムと、中身がつまったゴムをまとめてティッシュでくるむとゴミ箱へと投げる。
きれいに中に入ったのはいいけど、そもそもそれをここに捨てておいていいのだろうか。
漁らなくても誰かぶちまける可能性だってあるのに。
「あーっちい、風呂入りいこーぜ一松。俺ここ軽くかたすから、下おりて湯張っといて」
「それはいいけど…おれにこの格好で降りろと」
「え?だっておまえ、パンツぐちゃぐちゃだし、ノーパンでズボン履く?」
「…母さん達に会わないこと願ってこのままいく…」
上半身を起こして、脱げかけだったパジャマを着る。
前を閉めたところで焼け石に水なのでボタンはそのまま。
誰にも会わない、会わないから問題はない。
両親とも鉢合わせないし兄弟だって誰も起きてない、きっとそうだ。
そして誰かさんの前で恥らう意味はない。
「やだえっちー、また勃っちゃう」
「どうせ風呂場でもやるつもりなくせに」
「ばれてたか…」
「あんたが一発で満足した記憶がない」
いつしかの母さんとの面接で精力が一番強いのは誰だ云々で真っ先につっこみを入れてたが、多分一番はおそ松兄さんだとおもう。
他の兄弟のそういう事情なんてしらないけどそうとしか思えない。
おかげでおれは毎回しにそうだ、いろいろな意味で。
これで道具とか使うのも好きだっていうんだから始末におえない。
めちゃくちゃ興奮する。
「じゃあ先降りてるから、着替えとかも持ってきてよ…」
「はいよー、待っててハニー」
「……はやくしてよねダーリン」
くだらないやりとりをしながら部屋から出る。
くだらない、と思っているのに口端はあがっていた。
今日は何時に寝れることやら。


「…さて」
一松のズボンとパンツ、ひいてたタオルを回収して、簡単に布団が汚れてないか確認する。
とりあえず明日全員起きたら即洗濯機につっこめばどうにかなるか。
避けていた掛け布団も元に戻してしまえばぱっと見これで問題ない。
換気のために少しだけ窓を開けて、最後に大事な確認をして終わり、っと。
まず隣に寝ていたカラ松。
そしてチョロ松、十四松、トド松。
うん、ぐっすりだ。
一松は全員とっくに起きていると思っていたみたいだけど、そんなことはない。
まあ、あれだ。
一服盛らせてもらった。
わかりそうなもんなんだけどな、俺があいつのそういう声を簡単に聞かせるわけないって。
声だって嫌なのに、万が一でも見られたら、と思うともう。
キスでとろっとろになってるくらいならいいんだけどなーセックスでどろどろになってるのは駄目だ、あれは俺だけ。
見られたら、うーんどうすっかな。
実際そういう事があったら考えよう。
もしほんとに見られたらあいつどんな反応するんだろう、と思わなくはない。
こんな起きてるかも、って状況じゃなくて、がっつり見られている状態。
すげー乱れてくれそうだから見たくないといえば嘘になる。
いやだとかそういう言葉を吐きながらぐちゃぐちゃに泣いて乱れるのは絶対に可愛い。
性癖を考えれば間違いなくお互い興奮する。
けど見せたくはない。
どうしたものか、マジックミラーがある部屋にでもいけばいいのか?
兄弟全員連れて?
いやいや無理だろ、連れ出す理由も難しけば場所もない。
部屋に設置するもんでもないし。
金もないしなー、とりあえず現実的にハメ撮りがしたい。
よし、近々それやろう。
資金は一発パチンコか競馬当てればいける。
その前に今晩だ、どうやら一松もやる気満々みたいだし?
あんまり待たせると拗ねるしそろそろ行くか、拗ねてるのも可愛いけども。
微妙に膨らんでる頬をつつくのは楽しい。
洗い物をまとめて持って、階段を半分くらい降りたとこで気がついた。
着替え忘れたわ。


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