先発優先提言とは、
オリジナルジュネ小説(現在の大きな枠で言うとBL小説)サイトにおいて「被り」が起きた際、(パクリか偶然起きたものかにかかわらず)作品をWeb上に先に発表したほうの意思を尊重しましょう、というものです。

一見もっともらしい提言のようですが、これは真っ当に創作活動をしている人がパクラー(平然とパクリをやってのける人)に利用されてしまう危険性を孕んでいました。また、その提言の裏には何の罪もないAさん(創作者)を陥れようとする思惑がありました。

当時の騒動の顛末と関係者間の混乱について、詳細は「先発優先宣言」集い跡地「お互いのオリジナリティを尊重します」とは何かを参考にしてください。

この提言の発信者はすでに間違いを認め謝罪していらっしゃいますが、現在においても注意しなければならないことについて。私が問題視するのは、

・他人の意見を鵜呑みにして集団で個人を攻撃すること

・何でもかんでもパクリ認定をすること

の是非についてです。

他人の意見を鵜呑みにして集団で個人を攻撃すること、というのは、

最近では特にTwitterにおいて。
情報の整合性、ソース(情報源)をろくに確認せず、ある人を貶める・攻撃する文面を安易に拡散してしまうことについてです。

先発優先提言は、その「作品をWeb上に先に発表したほうの意思を尊重しましょう」という提言が、わかりやすく、一見被り・パクリについて円満で迅速な解決をもたらすものと思わせがちです。

しかし、実際には偶然の被りにおいて後に作品を発表した方の表現の自由を侵害しかねないものでした。また、一方が実はパクリだった場合、更新記録を書き換えすることによって「先発優先」を掲げて正義を振りかざすこともできます。

当時のこの提言がどれほどの影響力をもたらしたかは私は知る由もありませんが、仮にもこの時代にTwitterのような情報拡散ツールがあったとしたら……Aさんは当時よりも大量の批判を浴び、身に覚えのない罪で中傷されて疲弊していたでしょう。
まぁ、その場合は反対意見が出るのも早かったのかもしれませんが。

情報が素早く伝達されることは便利なことですが、きちんと咀嚼されず正しい状態で伝わらない(間違った情報が簡単に広まってしまう)ということは、誰かを傷つけることにもつながるんですね。


何でもかんでもパクリ認定をすること、これもそうです。

先人が目新しいアイディアをあらかた発表してしまった現在、1から10まで全てをオリジナルでまとめられる人はプロの世界でもそう多くはありません。創作者が誰の影響も受けずに独自の世界観を創造できるものではないですよね。

ましてや同人界では「テンプレ」が重宝されやすいです。とりわけBLでは『男同士の恋』というのが最大の障壁となりうるからか、物語の大枠は割とベタな展開になりやすい気がします。
(その安定感・安心感が腐女子さんの嵌る所以なのかもしれませんね。)

それに対して「パクリだ」とケチをつけていればキリがありません。どこまで遡ればよいのかと。

もちろん私はパクリを容認しているわけではないのです。誰かの小説の登場人物の名前と語尾だけちょっと変えてストーリー丸写し、他人の撮った写真を無許可でトレースしたイラスト(これはちょっとパクリとは違うかもしれませんが)、これはいけません。

しかし、何でもパクリ認定するのはいかがなものでしょうか。中には「糾弾すること」自体が目的というか、正義のヒーロー気取りで楽しくて、躍起になっている人もいます。

自分の目で見て、頭で考えて。

しかし、自分が必ずしも正しいとは限りませんよね。ならば、自分をちょっと疑ってみる。

もし、何かの提言や意見を見て、同調しようと思ったとき、反論を探してみてください。

「ちょっと待って」
真っ向からの対立意見でなくても構いません。「ここは良いと思うけど、ここはちょっとおかしいんじゃない?」そういった意見を踏まえたうえで、もう一度、自分の考えを導き出してみてください。

ネット上にはいろんな人がいて、自分より遥かに頭の良い人から新しい意見を貰え、目からウロコな出来事もたくさんあって楽しいでしょう。

しかし、その中には間違いだってあるかもしれないのです。ある人にとっては正しいと思うことでも、ある人にとっては間違いかもしれません。

Twitterにおいてはリツイートであっても結局は他人の意見を借りた「自分の意見」となってしまいます。

自身の発言に責任を持ちましょうね。

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