「うわぁ!どれも可愛いですねぇ」
私には好きな人と夢の国に来たら必ずやりたいことがあった。
それをなっちゃんに叶えてもらうためにやってきたお土産屋さんで、なっちゃんは楽しそうに周りを見渡している。
「うーん、やっぱり王道でミッキーかなぁ」
私たちが買いに来たのは、キャラクターの耳がついたカチューシャ。
勇気を出してなっちゃんに一緒につけたい!と我儘を言ってみたら、なっちゃんは「もちろんです!」と笑顔で答えてくれた。そういうところが、なっちゃんの良いところだと私は思う。普通、男の子って恥ずかしがったりして、こういうの乗ってくれる人少ないから。
うん、さすがは可愛いもの大好きななっちゃんだ。
とりあえず、ミッキーの黒い耳に青い帽子のついたカチューシャを手に取ってみた。
「せっかくだから女の子のキャラクターにしたらどうです?」
「うーん、」
もちろんミニーちゃんの耳はとっても可愛いから是非ともつけたいけど。
「でもこんな大きな赤いリボンついてるの、私似合わないよー」
耳をつけたいと言い出したのは私のくせに、なんて我儘なんだろう、と思われているかな。
でもこんな大きなリボン、やっぱり恥ずかしい!
可愛い子ならまだしも、自分にはとても似合うとは思えない。
「だめです」
「なっちゃん」
「あなたはお姫様なんですから。女の子の耳じゃなきゃだめですよ。それに、とってもお似合いです!」
そう言ってミニーちゃんの耳を私の頭にかけてくれたなっちゃん。僕はミッキーの買いますね!と嬉しそうに笑ってくれたから、心がぽっと温かくなった。
二人でカチューシャを買って、手を繋いで歩く。
ミッキーとミニーみたいに、お似合いに見えているかな?
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