4人でカラオケに行ったようです


「今度一ノ瀬くんと紗矢ちゃんと4人でカラオケに行こ!」

笑顔でそう誘ってきた莉子に連れられ、やって来たカラオケボックス。

一ノ瀬とたまたまオフが重なり、4人で行こうという莉子の提案は思っていたよりすぐに実現した。

「というか、いつの間に仲良くなったのですか」
「…あぁ、本当にな」

この二人の接点と言えば俺達くらいなものだ。
互いに紹介したことも無かったと思ったが…。
そんな疑問を彼女達に投げかけたら、一ノ瀬の彼女の紗矢(一応一ノ瀬から名前で呼ぶ許可をもらった)が、
「女子には女子特有のネットワークがあるの!」
と自慢気に話していた。む、そういうものなのか。よく分からん。


入口で案内された部屋へ入ると、4人用ということもあり広々としている。カラオケという場所はあまり行ったことがなかったが、なかなか快適そうなものだ。

席に座って一息つく俺と一ノ瀬の横で、莉子と紗矢が二人できゃっきゃっと機械を操作している。


「莉子〜!一緒にオリジナルレゾナンス歌おうよ!」
「えー?本人たちの前で歌うのー?」
「本家のは後で聞くの!」
「じゃあ私真斗のパート歌うね」
「ハモリできるー?」
「多分できる!いつもいっぱい聞いてるもん」

…なんだか楽しそうだな。
一ノ瀬も同じことを思ったのか、目が合った。まぁ可愛いから良いのだが。うむ。

聞き慣れたイントロが流れ、二人が寄り添ってマイクを握りしめ、楽しそうに笑顔で歌う。


「「おりじなるれぞなんすっ」」
「「((あークソ可愛い))」」


自分たちのものより高いキーで歌われる曲。頑張ってハモろうとしている様子や、その歌声が何とも可愛らしい。にやけが抑えられているだろうか。


「はい、次真斗の番だよ」
「む、そ…操作が分からん、」
「じゃあ私が聞きたい曲入れるね。恋桜がいいなぁー」

慣れた手つきで次々と操作していく莉子の手元を目で追っていると、あっという間に画面に俺の名前と曲名が表示された。

「あ、PVだー!」
「本人映像も流れるのですね」
「今はね、結構多いんだよ」
「しかも聖川さん、本気で歌ってますね」
「さすが本家…こぶしが違う…」
「(真斗かっこいい…)」

カラオケも、たまには悪くない。



  
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