▼ 用途A目を隠す
「あれ…トキヤ、早かったね」
「ただいま帰りました」
撮影が終わった後に、紗矢に電話をして今日家へ行って良いか尋ねた。
時間を指定してきた彼女に、少し意地悪かと思ったが早めに帰宅してみれば、驚く紗矢だが、優しく出迎えてくれる。
「お仕事お疲れさま」
「ありがとうございます」
しかし、肝心の格好には一切触れてこない。
女性がスーツが好きという説は、彼女には当てはまらないのだろうか。
「ごめん!ちょっと散らかってて…」
「いえ、私も突然来てしまったので」
慌ててテーブルの上を片付ける、紗矢の手元に、見覚えのある紙がでてきた。
「紗矢」
「あっ」
「これ、どうしたんですか」
それは丁度今日撮影してきたスーツ店のチラシ。ST☆RISHのメンバーが写っている。
今日の撮影とは別に、以前撮ったもの。
「まだ店頭にしか置いてないと聞いていましたが」
「あ、う…だって、」
「まさか、わざわざ店舗まで行ったのですか?」
新聞の折込に入るのは来週からと聞いていた。それに先駆けて店頭には置いているらしいが、それがここにあるということは。
そのことを指摘した途端、紗矢は一気に顔を赤らめた。
「う、あの…」
「素直に言えばいいものの。今日も反応が薄かったので、紗矢はスーツに興味が無いのかと」
何も言わない紗矢に、わざとらしく溜息を吐きながらジャケットを脱いだ。
皺にならないよう丁寧に畳んで、椅子にかける。
ベッドに腰かける紗矢に近付きながら、片手で首元のネクタイを緩めた。
「…格好良いと思ったもん。ドキドキして、言えなかっただけだもん」
「素直じゃない紗矢にはお仕置きですね」
顔をゆっくり近付ける。目を閉じてキスを待つ紗矢に口付けはせず、解いたネクタイを目に巻いて隠すように縛った。
「えっ…やだっ…トキヤ、どこ…?」
「ここです」
わざと背後に回り、耳元で低く囁く。
びくんと肩を揺らす紗矢の後ろから抱きしめ、そのまま胸をゆっくり揉みしだいた。
「ひゃっ…あ、」
「柔らかいですね…あぁ、でもココだけ固いですよ。何故ですか?」
「言っちゃ、や…」
服を捲りあげて、直に胸の突起を擦る。固くなったソコをピンと弾けば、面白いくらいに反応する。左手はそのままに、右手を滑らせて秘部に触れてみれば、くちゅりといやらしい音が響いた。
「音、聞こえますか?もうこんなに濡れてるのですよ」
「ふぇ、あ…」
視覚を塞ぐとその分聴覚が敏感になると聞いたことがある。
こくこくと素直に首を縦に振る紗矢にわざと音が聞こえるように、激しく指を出し入れする。部屋に響く、紗矢の喘ぎ声と水の音。
「腰、上げられますか」
「えっ…ん、っやぁ!なにっ…」
背面座位の状態で、一気に奥まで自分のモノを挿入した。目を隠されている紗矢は自分の身に何が起こっているのか、ようやく理解したようだ。
「あっ、やっ、だめ…みえないっ…からぁ、」
「はっ…キツイですね、締めつけてきますよ」
「んっ、あ…やっやっ…」
「目を隠されて感じているのですか。いやらしい女性ですね」
「やだっ…ときやぁ…」
律動を繰り返しながら、紗矢の耳を甘噛みする。その動作にすら、大きく反応する紗矢が可愛くて仕方がない。
ほぼ同時に達した後に、ゆっくりネクタイを解けば、こちらを睨みつけてくる紗矢に、意地悪と怒られた。
そんな顔でさえも可愛いと思ってしまう私は、どうやら心の底から彼女を愛しているらしい。
▼ ▲