ネクタイの用途について考える


「スーツってそれだけでエロくない?」

今日はST☆RISHの7人でCMの撮影があった。
若者向けメンズスーツのイメージキャラクターに起用された私達は、各々のイメージに合った衣装を来て撮影し、今終わったところだ。


「ぶっ!」
「何を言ってるんですか音也」
「えろい?えろいとはなんですか?食べ物ですか?」
「セッシーは気にしなくて良いからね」

飲んでいた水を吹き出す翔に、愛島さんの耳を手で塞ぐレン。
聖川さんに至っては興味津々に「ほーう」なんて言っている。

「な、ななな…馬鹿じゃねーの音也!」
「だって女の子ってネクタイを緩める仕草とかに興奮するんでしょ?この前何かの雑誌で見たよ」
「そうなのか、その情報は確かか」
「食いつかないでください聖川さん」

身を乗り出して音也の話に耳を傾ける聖川さんが面白くて、笑ってしまいそうになる。

学生の頃は翔のように、顔を真っ赤にさせていたのに。

「今日のスーツはスポンサーからプレゼントされるらしいね」
「そういやマネージャーが言ってたな」
「トキヤとマサの彼女、喜ぶんじゃない?着て帰ったら?」

音也のその言葉にピクンと反応する私、それと聖川さん。

「…なるほど」
「それはいい考えかもしれんな」
「なんだよお前ら…結局ノリノリじゃねぇか」
「そうだよ!それでエロいことたくさんしなよ!」
「おっ、音也ぁぁ!」

横で騒ぐ翔を無視して、顎に手を当てて考える。彼女の反応を想像するだけでワクワクしてしまった。
正面に座る聖川さんも、心無しか嬉しそうな顔をしている。

「ネクタイも色々用途があるからね。よく考えて使いなよ」

レンの言葉にあらゆる妄想をしてしまう。
ああ、確かに。

「普段と違うギャップも見せられるよ」
「ぎゃっぷ?ぎゃっぷとはなんですか」
「頼むからセシルは純粋なままでいてくれよな」
「良いですね、ネクタイ」
「素晴らしいな、スーツ」
「もうやだ!こいつら!」
「ごめんね、翔。童貞にはあんまり関係ない話だったかも」
「ど、童貞言うなぁぁ」

他のメンバーが私服に着替えている中、スーツを着用したまま帰路に着く私たち二人。事務所の人間に不思議そうな目を向けられたが、まぁ気にしないでおきましょう。



  
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