X'mas


「こんな広いお風呂初めて」

浴室に楽しそうな莉子の声が響いた。
身体を少し動かすだけで、ちゃぷんと水が音を立てる。二人で入っても十分過ぎるくらい広い浴槽だ。


「楽しいか?」
「うん!一緒に入ろうって言われた時はどうしようかと思ったけど」


部屋に入り早々、ベッドに向かった所で「シャワー!シャワーが先!」と言う莉子の制止を渋々聞いて、今に至る。本当はその場で押し倒しても良かったのだが、せっかくの夜だ、ゆっくり楽しむのも悪くないと思った。
それならば一緒に入ろうと浴室まで誘えば、莉子は真っ赤になり首を横に振ったが、ここは強引に押し進めた。結果、始めは恥ずかしかっていた莉子も、家のそれとは違う広い風呂に満足したようだ。

俺に抱えられるように座る、 莉子の後ろ姿。今は楽しそうに鼻歌まで歌っている。


その姿勢のまま、濡れた手で自分の前髪をかきあげた。髪もだいぶ伸びてきたな…年末年始の仕事が落ち着いたら切りに行こうかと考えていると、莉子がちらりとこちらを見上げてきた。

「……」
「ん?どうした?」
「な、何でもない!」

顔を赤くし、ぷいっと前を向かれてしまう。視界に入る真っ白な背中や綺麗なうなじに見入りながらも、耳が赤く染まっていることに気付いてしまい、笑みが零れた。


「見とれていたか?」
「…っ」

ちゅっと耳にキスを落とせば、分かりやすく震える肩。それが可愛くて、かぷりと耳を甘く噛んだ。

「ひぅっ…あ、ゃ」
「莉子は本当に耳が弱いな」
「んっ、…ちょ、だめっ…ひゃ」

わざと音を立てて耳朶をしゃぶる。ココが物凄く感じやすいという事は、前からよく分かっている。

莉子の身体に回していた手を上げて、そのまま顔に滑らせた。こっちを向くように、と動かせば素直に俺の方に顔を向けた莉子の唇に、自分のそれを強めに押し付ける。


やや戸惑う莉子の舌を追って優しく吸えば、唾液の絡む音が浴室内に響いた。
口内を犯すように、ひたすらに味わう。
しばらく堪能するがどうも我慢がきかず、太腿の間に手を滑らせて、下部の茂みを掻き分けた。

割れ目に中指を滑らせると、ぬるりとした感触に、確かに感じる熱。水の中でもはっきりと分かった。


「待って、まさと…ここじゃ、ね?お風呂上がってからにしよ?」
「ん?」
「ね、聞いて…ひゃぁ、やめっ」


手探りで中に指を侵入させる。恐らく真っ赤に腫れているであろう突起を親指でピンと弾けば、喜んでいるかのように俺の指を締め付けてきた。


「あぁっ、やっ…ん……!」
「もちろん後でもじっくり味わうさ」
「だからっ…耳、だめっ、感じちゃ……」
「だが──」


水ごと動かすように、激しく指を出し入れしながら、また耳に噛み付いた。息を吐きながら、わざと低い声で囁く。
俺はよく知っている。

莉子が俺のこの声に弱いことも、
虐められるのが、大好きな事も。


「一回、イこうか」
「やっ……あぁ、んっ、やだっ──!」

白くて細い身体を抱き締めながら、奥を強く擦った。一際莉子の声が高くなった所で、ナカが更に勢いよく締まり、痙攣する。

響き渡る、莉子の速い呼吸。くたりと力が抜け、俺の胸に身体を預けている状態の莉子の顔を覗きこみ、赤くなった頬を軽く吸う。

「……逆上せてしまうな、上がろう」






──


「まって…!身体、拭かないと風邪ひいちゃ、」

ほんのり湯気が立つ、熱い身体。
ろくに拭くこともせずに、莉子の身体を抱え、白いシーツの上に寝かせる。

あっという間に水滴で濡れていくシーツ。戸惑う莉子の上に跨り、濡れた身体に唇を落としていく。
首、肩、鎖骨…そして胸の谷間に強めに吸い付いて、赤い跡を残した。


「真斗、ね?先に、身体拭こ?」
「ここまで焦らしてまだ抱かせないつもりか」
「だっ…て、…んんっ、」
「無理な話だ、俺はもう我慢出来ん」


胸の突起に勢い良く吸い付いて、形を確かめるように舌でなぞる。じゅる、とわざと音を立てれば、大きく反応する莉子の身体。感じて抵抗も出来なくなった所で、莉子の脚を開いて身体を割入れた。


一度イッたせいか十分過ぎるほど濡れた秘部に自身を擦り付けながら莉子を見下ろす。

広いベッドの上に横たわる赤く染まる身体、濡れた髪、欲情に染まる瞳──全てが興奮の材料になり、

息が、荒くなる。



「やぁっ…!」

一度限界に達した莉子のそこは、すんなりと俺を受け入れた。奥まで突き入れて、莉子の身体を抱き締めながら腰を揺らした。


「んっんっ…あ、やっ…!」

キツく離さないようにと、締め付けてくる感覚がたまらない。
動かす度に結合部からは二人の体液が滴り、前髪からは水滴が垂れて、更にシーツを濡らしていく。


「あ、まさと…だめっ、」
「大丈夫だ、また後でシャワーを浴びれば良い」
「んっん…!」
「夜はまだ、っ、長いからな」


一度自身を抜いて姿勢を変え、後ろから身体を抱え込み、そのまま勢いよく突き上げる。揺れる胸に手を添えて、赤い耳にまた唇を寄せる。もうどのくらいの時間繋がっているか分からないほどに、ひたすらに莉子を求めた。

抜き差しの間隔が短くなっていくと同時に、激しくなっていく動き。高級なはずのベッドがしなるように音を立てて揺れる。


「ぁっ…やぁ、まさとぉ…!」
「あぁ可愛い…俺の莉子……」


窓の外は、綺麗な夜景が広がる。
莉子は「ゆっくり見たいのに」と拗ねるかもしれないが、今はそれよりも美しい目の前の彼女に、ひたすら溺れていた。

聖なる夜、誰よりも愛おしいその存在を、ひたすらに身体に刻みつけるように。




  
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