トキヤさんを攻めてみるの!


「トキヤ!」
「はい」
「ズボン脱いで!!」
「はい?」

まどろっこしい言い方をするのは苦手なの。
頭の良いトキヤは、私がたとえ遠回しに話したとしても察してくれるだろうけど、ストレートな方が気持ちも伝わると思ったから。


「…何また馬鹿なことを」

もう夜遅く寝る時間。足を組んでベッドに座っていたパジャマ姿のトキヤは、ベッドの上で正座をする私を呆れたように一瞥した。
パタンと本を閉じて、雑にサイドテーブルに置く音がしたけど、今日の私は挫けない!だって皆と約束したから!

今日は、今日こそはトキヤに良いように抱かれないんだから。


「今回は一体何に触発されたんです」
「べ、別に…何もないもん」
「脱げば良いのですね?」
「へっ?」

予想外の返答に思わず変な声が出てしまった。まさか、あのトキヤがそんな素直に聞いてくれるとは思わなかった。きょとんと固まる私に対し、トキヤは下のパジャマと、上のTシャツまで脱ぎ出した。ボクサーパンツ一枚になったその姿に、自分から言い出したくせに緊張してしまう。

「先に言い出したのは紗矢ですよ」
「そ、だけど…」
「ほら、自由に致しなさい。大方、セックスの時に攻められてばかりなのが悔しく、たまには自分が優位に立ちたいという魂胆でしょう」
「うっ」

ぜ、全部見透かされてる…!悔しい!
意地悪な顔をしたトキヤはほら、と言って自分の下半身に視線を移した。


「わかった!するもん」

私はトキヤの下着に手をかけて、それを取り出す。いつもこんなにまじまじと見る機会はないから、つい凝視していたら、早く、とトキヤから催促されたからとりあえず口に含んでみた。


「いきなり口ですか…まぁ良いでしょう」
「むぅ…」

なんだか…結局トキヤにペースを握られているみたいで悔しい。ゆっくり口を動かしていくと、徐々に大きくなっていくトキヤのもの。ちらりと視線を上げてみたけど、トキヤの表情はいつもと何も変わらずポーカーフェイスのままだ。想像していた姿とはあまりに違う。そりゃ、私が下手なだけかもしれないけど…トキヤ、か、感じてないのかな……。


「きもちく、ない……?」
「いえ、視覚だけでイケそうですよ」
「そ、そんな風に見えない」
「良いから、黙って舐めなさい」

言われるがまま再びトキヤのものを咥えた。しばらく動かしていても、一向にイきそうな気配はない。逆に私の顎の方が疲れてきてしまって、



「ぷはっ…も、だめ…」

先に降参してしまった。



「紗矢」

咳をして呼吸を整えているところで、頭上からトキヤの優しい声が聞こえた。


「…っ!?」
顔を上げると、途端に降ってくる激しいキス。
驚いて離れようとしても全然離してくれなくて、身体ごと抱き抱えられる。


「んぅっ、はっ…ぁ、や」

お尻を撫でられて、つい腰が揺れる。トキヤはそのまま自分の体重を後ろにかけて、ベッドの上に仰向けになった。自然と私の身体がその上に倒れ込む。


「やっ!ちょ…」
「十分過ぎるくらい濡れてますね。私のを舐めて感じてましたか?」


図星を突かれて、恥ずかしくて口をきゅって結ぶ。そんな私にトキヤは可愛いですね、と一言言ってくれて、だけど手は優しくなくて、長い指で私の秘部をくにくに、と弄った。


「紗矢、自分で挿れてみなさい」
「やっ…出来ない、」
「今日はあなたから攻めるのでしょう?ほら、早く」


トキヤの言葉に操られるように、身体が自然と動いてしまう。下着を脱いでトキヤの太腿に跨った私はそのままゆっくりと腰を落とした。

いやらしい音を立てて飲み込んでいく下半身が、はっきりと視界に入る。全部挿入出来たところで、ふぅ、と一息ついて、トキヤの胸板に手を置きながらゆっくりと前後に腰を動かしてみた。


「んっ…んっ、」
「いつもと違う場所に当たるでしょう。どうです?」
「うんっ…きもち、い」

ゆるゆると動かすだけの刺激じゃ物足りなくて、足を立てて今度は上下に動く。膝と太腿が疲れるけれど、快感を求める気持ちの方が大きくて、私は夢中で身体を動かした。

トキヤが私の身体を支えるように両手をきゅぅって恋人繋ぎしてくれて、こんな時なのに、簡単にときめいちゃうんだ。
「んっ、んっ…」
「……っ、ふふ、上手ですね」


動いていないはずのトキヤの額に、うっすら汗が浮かぶ。今度は感じてくれてるのかな。そう思ってもっと腰を動かすけれど、すぐに息が切れてしまう。



「はぁっ、っ、ときやぁ……」
「もうギブアップですか?」
「んっ、ぁ…だって…」


トキヤの身体に倒れ込んで、息を整える。ようやく自分から攻めることが出来たのに、体力が無いなんて元も子もない。少し休憩してまた動き出そうとしたところで、トキヤがニヤリと笑った気がして。


「イケナイ子ですね」
「ひゃあっ!」

腰を掴まれて、下から勢いよく突き上げれてしまう。突然の衝撃に逃れようとしても、トキヤの腕がそれを許してくれなかった。

いつもより違う角度で攻められてしまい、もう抵抗しようもなかった。



「やぁん!あっ…だめ、奥、当たっちゃうっ…!」
「奥?ココが良いんですか?ほらっ…ほら、」
「だめっ!や、あっあっ…お、く」
「奥が弱いんですね、知ってますよ。じゃあもっと、」
「ぁ……」



「虐めて、差し上げましょうか」


ふと気付くと自分の視界は反転していて、もうそれからは…お察しの通り、トキヤに朝まで激しく抱かれてしまうのだった。






トキヤを攻めた結果
⇒逆に攻められる









  
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